借金玉の人生語り(「苦痛に向かって自ら飛び込むと劇的に人生が良くなる」みたいな信仰 について)

借金玉 @syakkin_dama

冬の水路に落ちるくらいで治るなら、発達障害者の群れが真冬の水路を埋め尽くしますよ…みたいな話が未だにあるのすごいな。 pic.twitter.com/mkCvq6LWn4

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冬の滝に打たれてみたことはあるけど、特に発達障害が治ったりはしませんでした。「極めて短時間の大きな苦痛に耐えると何かがよくなる」みたいな信仰、わりとありがちだけど、そんな簡単なことで物事はよくなったりしないですね。

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「自分は覚悟が足りない、覚悟と痛みの受け入れが十分にできれば発達障害が治る」みたいな妄信にとりつかれて、ペンチで爪引っ剥がしてみたことあるけれど、ものすごく痛くてアドレナリンはいっぱい出て、痛み引くとちょっと気分が良くなってきて「俺はバカか？」って思った。

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「苦痛に向かって自ら飛び込むと劇的に人生が良くなる」みたいな信仰って意外とみんな持ってしまいがちだし、根源は少年漫画とかの演出なのかなと思うけど、苦痛に自ら飛び込んで得られるのは苦痛とそれに伴う脳内麻薬だけで、医学的には大体「自傷」と呼ばれます。

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自傷に伴う痛みは当然だけどドーパミンやアドレナリンの分泌を促しますので、一時的な鬱状態の軽減をもたらしはしますよ、そりゃ。殴り合いの後人間が「おまえもやるな」って仲良くなりがちなアレと一緒で。でも、その効果を求めるならちゃんと適切な処方受けた方がいいですよ。

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自傷グセ、僕も追い詰められて酒瓶で頭ブン殴って仕事に戻ってるうちに腫れあがって人に会えなくなったことがあるのであまり「バカなだけだからやめろ」とは言いにくいですが、あれ依存性もかなりあるのでやめたほうがいいですよ。

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なんらかの何かをやるとドーパミンやアドレナリンみたいな脳内物質がドバっと出てきもちよくなるって要するに天然シャブみたいなもんで、「これをやれば仕事に手がつけられる」みたいな状況適合的な行為依存まで乗せるとかなりガチの依存が発生してやめにくくなりますんで、自傷グセは本当によくない。

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人生に効果が出る苦痛って、「1シーズン、厳冬のベーリング海でカニ漁をする」とかからがスタートラインのような気がしますが、これを実践したのが戸塚ヨットスクールで、わりと死にましたね。

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「数か月単位の極めて強度の苦痛を伴う、継続的な活動に耐え続けそれにふさわしい成果を獲得する」とかならまぁ効くだろうと思いますが（最低でも体力がつく）、これに耐えられたところで発達障害は別に治らないし、借金玉おじさんも強豪校の連中に混じって必死で柔道くらいはしました。

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ここで誰もが気づく通り、人生に良い効果を与えるのは主に「継続的な活動」の方で、苦痛はその効果を高める（かもしれない）程度のものなんですね。苦痛を高めれば高めるほど「継続」の必要時間が短くなったりはしない。そこは別にぜんぜんバーターじゃない。毎日30分走っても十分効く。

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「真冬の水路に飛び込んだら発達障害が治る」ってのが事実だったら、僕を含む発達障害者の過半数は「そんな素晴らしいことがあっていいのか！」って叫びながら飛び込んでいくだろうと思いますね。そして残念ながら、そういうことはないんですよ…。無い。この年まで色々やってわかった。ないんです。

借金玉 @syakkin_dama

「俺は継続的努力は全く出来ないし集中力も全くないが、巨大な苦痛に向かって自ら飛び込んでいく能力がある」って人、まぁ僕もその部類にかなり含まれるんですが、「多様性があった方が素敵だよね！」っていう天上に御座すあいつのキラキラした笑顔が見えてくるよね。

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ダメージもらったら前に出てしまうタイプの多様性、全然レアリティないし普通に壊れて死ぬので、アレ特殊能力だと思わない方がいいですよ。ファイティングスピリッツ出すなんて簡単なんですよ、ファイティングスピリッツ出せばいいんですから。

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「1年皿洗いのバイトをすることは出来ないが、車のビュンビュン走る道路に突っ込んでいくことは出来る」各位、それは天上に御座すあのクソが心からの善意でよかれと思って「多様性があるといいよね！」って設計したやつです。あのクソの思惑に乗ってはいけません。

借金玉 @syakkin_dama

「気合いと根性出して痛みに突っ込めば治る」みたいな発想持ってる人、未だにたくさんいて、かくいう自分ですら「効きそうな気がする」と思って色々やってしまいましたが、残念ながら効きません。そういうのは地下闘技場でボクシングヘビー級チャンピオンと戦う時とかにしか使えない技です。

借金玉 @syakkin_dama

まぁ、人生たまにアイアン・マイケルから奇跡の1勝を上げないといけない時とかもたまにあるので、そういう時は突っ込めばいいと思いますよ。ただ、あれ1回やると周囲は「もう一回やれる、行け」って絶対言うし本人も「もう一回やりたい」って強く願ってしまうので、ｎ回目で死ぬとは思うけど。

借金玉 @syakkin_dama

徳川のじっちゃん、あれたまたまロシアの最強レスラーが控えにいたから「ドクターストップじゃ」って言ったけど、いなかったら普通に3回戦戦わせてたでしょ。人間ってああいうものですよね。

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よく見ると、柴千春さんも気合いと根性出して痛みに突っ込んでるのは「突っ込まないと勝てないから」であって、最初の腕ぶっ壊すハッタリまで含めてあれ「採用出来る戦術の範囲が異常に広く自分のダメージを度外視出来る」てだけで、普通に戦術勝ちですからね。

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ケンカ慣れしてる素人とか、あるいは組技は出来るけど打撃は苦手みたいな奴がパンチに向かって頭から突っ込んでいくの、あれ攻撃を兼ねた防御で「一番痛くない上にうまく行けば相手の手が壊れる」ってだけで、特に気合いでも根性でもないって話も実はある。

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極真のみなさんが一世を風靡した「オラ打って来いよ」って胸出すやつ、あれもかなり戦術的なハメですよね。「男らしくフェア」みたいな演出してるけど、そういう近間の打ちあいを日々やってて通常効かない打撃を効かせるのが得意で、しかも相手は大ケガしないって安心があるから全力で打てる。

借金玉 @syakkin_dama

「オラ打って来いよ」って言ったら「じゃあありがたく組手いただきます」とか「じゃあ胴タックルで」が一般化したあたりから、あの「打って来いよ」とか「素人なんてロー一発」戦法が通じなくなったの、ソーシャルアーツがアスペに攻略された感じだった。

借金玉 @syakkin_dama

格闘技ってかなりソーシャルなんですけど、たまに「他流派の技法も全部統合して東大出の頭脳を活かして誰でもわかる形に再構成、そしてオープンソース化だ！」みたいなのとか、「要するに寝かして上から殴って極めればいいだろ」みたいな本質アスペが出て来てルールを破壊しますよね。

借金玉 @syakkin_dama

柔道、アスペ力をフル稼働して秘伝のオープンソース化で他流派を蹴散らし国民的スポーツの座まで到達してソーシャル化してイキってたら、ブラジルから柔道アスペの残り火が飛んできて、「道着を脱ぐ」という破壊的イノベーションで金メダリストをハメて殴り続けましたよね。あれはいい話だった。

借金玉 @syakkin_dama

人間が気合いとか根性を出せというの、あれ大体は「自分のルールにハメようとしている」場合が多いですよね。ブラック企業とかも含めて。もちろん、「ルールにハマって気合いと根性を出す練習をする」が大事なことはありますが…。