読書メモ「土 牛 微生物 文明の衰退を食い止める土の話」

読書しながらつぶやくログです。ちゃんと読みたい人は買いましょう。
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蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

つらい読書が終わったので楽しい読書にしよう。 土 牛 微生物 文明の衰退を食い止める土の話。 amzn.to/3o6GPob

2021-01-01 18:20:26
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

「たぶん無機肥料はその他の道具と似て、その使われ方こそが土壌を肥沃にするか劣化するかを左右するのだ」 信用できる滑り出しだ。安心する。 仮想の「敵」を作らない事実ベースの枠組みの変更が専門知のなせるワザで、敵の構造が壊れると行き場を失うアジテーションでは達成できない。

2021-01-01 18:30:50
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

この本ですら、昆虫農業のアイデアはなく総合的な害虫管理(IPM)でしかない。殺虫剤が富を生み出した後の世界において、貧困地域に押し込められた昆虫を食べる文化圏から昆虫農業の思想家が現れない、というのが農業哲学が富裕国の文化資本の産物であることを暗に示していないか。

2021-01-01 18:33:14
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

殺虫剤を使う農業と、使わない農業について「昆虫の収量」で比較が行われてこなかった。前者はゼロで後者に収穫があれば「無限大」になってしまう。 比較可能な収量を比較することでこぼれ落ちるアイデアは質的な研究の発想じゃないとピックアップできない。

2021-01-01 18:40:54
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

「世界を変えたあらゆる発明品の中でスキ「犁」(プラウ)が破壊力が強い。」 これはまったく同意。ラオスでのディスクプラウは凄かった。 pic.twitter.com/S6rTiucoGg

2021-01-01 20:35:10
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

p37 「増大する人口を養うのに十分な食糧を生産するための方策を、単純に収穫量によって評価するのでは視野が狭すぎるのだ」 「農業政策の決定者たちが、農業の未来として農芸化学とバイオテクノロジーだけに注目しているかのようなのはなぜか?」 問題意識が農家からボトムアップというのも信頼できる

2021-01-01 21:34:51
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

煽らなくても十分にパワフルなのと、不安にさせないことで人を変えようとしている姿勢が信用できる。なんとよみやすい導入だろう。 扇動的で政治的な革命を達成する主目的が見え隠れする文章は読みにくい。扇情的な文章に慣れている人にとっては「政治的スタンスが隠されている」と読むのだろうか。

2021-01-01 21:37:35
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

p39 「伝統的な知識を、新しい農業システムを特徴づける現代の慣行に合わせてアップデートすることだ」 訳文も読みやすいと思ったら片岡夏実さんだ。 ラオスの昆虫食でそれをしようとしています。概論でいうと本書の主張からまったくはみ出すものではない。土地利用の問題を地域ごとに解決する。

2021-01-01 21:46:00
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

p44 化学肥料は劣化した農地にめざましい改善をもたらしたが、もともと肥沃な農地では今ひとつ。菌根と植物の共生関係は当時着目する研究者がいたものの、解明が進まなかったので時代は化学肥料の使用へ傾く。うーんこれは不運。

2021-01-01 21:56:24
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

p70 オーストラリアとアメリカとヨーロッパの農家が議論して「犁を引退させる」というのが土壌侵食の解決法だと。アジアの水田でも引退させるべきか?ちょっと懐疑的。読み進める。

2021-01-01 22:15:21
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

p120 先に読んでみる。 輪作による害虫抑制、という話。これもおもしろいな。 不耕起栽培と輪作の組み合わせ、どうなんだろうか。これでも連作障害のない水田では異なる解もあり得そう。

2021-01-01 22:23:41
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

戻る。p88 環境保全型農業の三原則。 不耕起栽培、作物残渣の維持(マルチング)、輪作。 全てが守られることで機能する、と。ヨトウとかコガネムシ、シロアリがやってきそうなんだけど大丈夫か。 逆にそれらの虫を収穫したいとき、さらにやるべき農法はあるか。

2021-01-02 04:01:47
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

シロアリにやられた場合。 twitter.com/Mushi_Kurotowa…

2021-01-02 04:03:23
3月一時帰国中で予定がいっぱいの蟲喰ロトワ (むしくろとわ)byおいしい昆虫生活®︎ @Mushi_Kurotowa

キャッサバの苗の成長が遅いと困っていたら中にシロアリが。おまえらか!芯が完全に土団子に置換されていてこりゃ育たんわと。ラオスでは普通なんですって。 pic.twitter.com/9qgofitqeS

2018-10-04 19:30:36
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

不耕起多年草栽培は特定の虫を呼び寄せる、という事故を防ぐには一年草多品種の輪作が必要だけれど、土壌炭素は貯蔵されない。兼ね合いの判断のタイミングが説明されていない。虫害を予測して非周期的な輪作、だけがぼんやり。うーん。社会性の捕食性昆虫を使役する、というところにいくしかないか。

2021-01-02 04:09:25
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

無限の農地に無限品種の作物とそこに発生する生物の自由収穫、となるとそれ狩猟採集社会じゃん、となる。「少量多品種」とは単作大量生産との対義語だけれど、いくつぐらいが最適なのか。

2021-01-02 04:11:46
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

精密施肥と雑草除去のハイテク、となるとロボティクス的ハイテクが人力を圧迫する未来が見えてくる。彼らがトラクターと犁を手にする前に、雑草除去ロボへのアクセスを上げられるか、と思うとちょっとしんどそう。

2021-01-02 04:19:28
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

読書再開。 著者が各地を訪問する。アフリカの人口増加に対して、高度なインフラを前提とする集約的農業は届かない。では何ができるか、ということで不耕起栽培・残渣残置・輪作のメソッドを実践している人を訪問する。

2021-01-02 19:55:15
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

匍匐性のつる植物を選択的に切断し、腐植として農地に返すようなデバイスがほしい。腰に来るのよつるの除去。回転農具との相性も悪い。ネキリムシ、というのは機能としてはいいんだけど選択性が微妙。

2021-01-02 19:57:33
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

除草作業、という除草剤をもたない人間か、高度なロボットしかできない作業に人件費を払い続けたとして、その意義を知らない限りキャリアアップにならないので大規模農業と軽作業、という組み合わせはパームヤシプランテーションに見られるけれど、労働問題としては筋が悪い。

2021-01-02 19:59:43
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

また再開。あくまでヨーロッパ、アメリカの極相みたいな大草原(復活が遅いし森林にもならない)を基準に議論してしまっていて、本書の主張の原則に乗っかるならば「何ではなくどうするか」なわけで、自然界の撹乱が大きい地域では「耕起がアリ」なアジアの連作水田なんかもあるだろう。読み進める。

2021-01-04 02:48:07
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

p135マルチに覆われた畑、と紹介するアフリカの農業。つる植物が繁茂していて、作業員の人件費がゼロという自給農だからできる業態に見える。作業コストの増大を無視して「単位面積あたり」で比較するのはフェアか。現場に行くとそのパワーにやられてしまいがちなのであえて懐疑的に見る。

2021-01-04 02:50:48
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

つる植物、被覆してくれるのはいいんだろうけど、かなり作業効率を下げる。そして低い位置のつるを引っ張ってきる(引っ張らないとテンションがかからないので切りにくい)という腰に悪い作業姿勢を強いる。簡単にバナナを覆うぐらい成長が速く、ほんと除草剤に手を出したくなる。 twitter.com/Mushi_Kurotowa…

2021-01-04 02:52:47
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

除草剤を手にすることで「除草すべきか」という懐疑が生まれるし、殺虫剤を手にすることで「殺虫すべきか」という懐疑が生まれる。 昆虫の養殖方法を手にしないと「養殖すべきか」という疑問が生まれない。技術ドライブで議論が進む。肯定も否定も両輪。

2021-01-04 02:55:17
蟲喰ロトワ (むしくろとわ)昆虫食TAKEOのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) @Mushi_Kurotowa

焼畑ではなく、森林を切り開いて枝を切り刻む、ってあるけどどんだけ時間かけるねん、、、、「出稼ぎ」という選択肢が既にある自給自足民に対して、あまりに自給を無視した農法に見える。ウッドチップの機械でも入れないとキツい。そしてシロアリがその時どう動くのか。

2021-01-04 02:58:51