尿中の放射性セシウムによる膀胱壁の被曝線量の計算

児玉龍彦教授の参考人発言で紹介された論文http://1.usa.gov/plcSao をもとに、尿中の放射性セシウムによる膀胱壁の被曝線量を概算する計算問題を考えてつぶやいたら、@MAKIRIN1230 さんからご回答と解説をいただきましたので、いきさつをまとめました。計算結果が出た後もさらに議論が続いたので、こちらもまとめに追加しました。その後原論文を改めて見直した結果、新しい問題点が浮かび上がり、意外な展開に。平均値の2倍以上の標準偏差ってあり? 9月に入り放射線医学総合研究所からも「尿中セシウムによる膀胱がんの発生について」http://bit.ly/pFSjAP という文書が出され、@MAKIRIN1230 さんが比較検討して下さいました。計算モデルが違うため放射性セシウムと放射性カリウムによる被曝線量の差の大きさが違いますが、放射性セシウム<放射性カリウムであることに変わりはありません。
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MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

http://t.co/bWkqsQAY のTable 1の線量換算係数を用いて、K40の濃度が40Bq/Lの場合とCs137が6Bq/Lの場合の半径2.50cmの球面上でのγ線による線量を比較すると、前者は後者の(1.83×40)/(7.79×6)≒1.57倍程度になる。

2011-09-28 11:22:16
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

Cs137の濃度が6Bq/Lの場合のγ線の吸収線量が8.6E-11Gy/hなら、K40の濃度が40Bq/Lの場合のγ線の吸収線量は8.6E-11Gy/h×1.57≒1.4E-10Gy/h程度になるはずで、放医研のシミュレーションは、γ線の放出確率を考慮し忘れていると思われる。

2011-09-28 11:30:09
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

もともとγ線の吸収線量はβ線の吸収線量より小さかったので、尿中のCs137の濃度が6Bq/Lの場合のトータルの吸収線量は、そのK40の濃度が40Bq/Lの場合のトータルの吸収線量よりずっと小さいことは変わらない。

2011-09-28 11:40:36
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

放医研のモデルは、半径2.5cmの球体(容積0.0654L)に一様に放射性物質が分布していると仮定したものなので、一定の割合で尿が膀胱に溜まり1日あたり1.5L排尿するのなら、0.131L尿が溜まるごとに1日あたり11.5回排尿することに対応すると思われる。

2011-09-28 14:53:18
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

放医研のモデル http://t.co/z2d8GMrK では想定した膀胱の大きさが小さいのでγ線の吸収線量が過小評価になっていて、http://t.co/sZVwnaqS ではβ線の吸収線量を単位質量あたりの尿が吸収するそのエネルギーと等しいとしたため過大評価になっているはず。

2011-09-28 15:07:49
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

http://t.co/z2d8GMrK と http://t.co/sZVwnaqS を比較すると、Cs137の濃度が6Bq/Lの場合の吸収線量はほぼ同じであるが、K40の濃度が40Bq/Lの場合の吸収線量については違いがわりと大きい。

2011-09-28 15:19:07
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

放医研のK40のシミュレーションはγ線の吸収線量がおそらくγ線の放出確率を考慮し忘れたため一桁大きくなっているので、β線の吸収線量も適切にシミュレーションされた結果なのかどうかわからない。単なる原子核データの入力ミスでγ線とβ線の吸収線量の両方とも当てにならない可能性もある。

2011-09-28 15:27:42
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

体重60kgの人は体内にある約4000BqのK40によって吸収線量(実効線量)は約170μSv/yearになるので、放医研の尿中の濃度40Bq/kgのK40による膀胱壁のβ線による吸収線量4.76E-9Gy/h≒42μGy/yearは前者の約25%である。

2011-09-28 16:02:09
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