「A380は過ちだったのでしょうか?」元エアバスマネージャーが語る

「こうしてればもっと成功させられてたはずなのに」と語る彼は、やっぱりA380に強く思い入れているのだろうなと思った。
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Ex-#Airbus-Manager John Leahy über die #A380: "Wir haben klar einen Designfehler gemacht". Zum Interview von @SpaethFlies stern.de/30512342.html pic.twitter.com/Feg3lihwnG

2021-05-05 00:45:13
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サキノハカ @sakino_haka

元エアバス社マネージャーのジョン・リーヒー氏、A380について「明らかに設計ミスを犯した」と語る stern.de/reise/fernreis…

2021-05-05 07:11:26
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「アメリカ人のジョン・リーヒー氏は、職業柄、15,000機以上の民間航空機を販売してきました。アンドレアス・スピース氏とのインタビューで、同氏はエアバスA380を経済的に失敗させた3つの重大な過ちを挙げています」

2021-05-05 07:12:29
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「ジョン・リーヒー氏は、業界の伝説的人物であり、史上最高の航空機セールスマンと言われています。現在70歳の彼は、1985年に欧州の航空機メーカーであるエアバス・ノースアメリカ社でキャリアをスタートさせました」

2021-05-05 07:14:10
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「彼の任務は、当時エアバス社がほとんど参入していなかった米国市場を開拓することでしたが、リーヒー氏はそれに成功しました。 1994年にはトゥールーズの本社に移り、チーフコマーシャルオフィサーとしてエアバスのトップセールスマンとなりました」

2021-05-05 07:14:51
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「彼は2017年末までその職を務め、5人のエアバス社と7人のボーイング社のセールスチーフよりも長く務めました。エアバス社が1999年から史上初の50%以上の市場シェアを達成したのは、彼の野心によるものです」

2021-05-05 07:15:48
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「特にエアバスA380は、リーヒー氏にとって思い入れのある機体でした。彼は、エミレーツ航空からのA380の追加受注と生産継続のための重要なフォローアップ契約を自ら獲得するために、2017年に予定されていた引退を延期したほどです」

2021-05-05 07:17:19
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「A380の生産終了が発表される前の2018年初頭に、彼はなんとかそれを実現しました。製造番号MSN272のこの型の最後の機体は、すでにトゥールーズの工場の組み立て建屋を離れました」

2021-05-05 07:18:28
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「・A380はあなたのキャリアの中で最大のチャレンジでしたか? リーヒー氏:商業的な観点から見ると、A380は確かに大きな挑戦でした。特に航空会社が機体の設計にも関わったからです」

2021-05-05 07:19:49
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「例えばシンガポール航空は、ロンドン・ヒースロー空港の騒音基準を満たすことを求めており、そのためには(静音機能を追加して)重量を増やす必要がありました。飛行機を重くしすぎたのは、設計思想の過ちです」

2021-05-05 07:25:08
サキノハカ @sakino_haka

「すぐに長胴型のA380-900が訪れると思っていました。その時に必要な機体構成に限定すべきでした。そしてまた、貨物機にするためにも重量を増やしました。しかし最適な貨物機とは、余分な重量を持たないものでしかない。これは明らかに設計上の過ちです」

2021-05-05 07:25:34
サキノハカ @sakino_haka

「・A380の問題はいつから始まったのですか? リーヒー氏:エンジンメーカーに油断していたら大変なことになりました。(A380に積むエンジンの)燃費は新世代エンジンのものであり、次の飛躍的な改善には10年はかかると(当時)言われていました」

2021-05-05 07:27:42
サキノハカ @sakino_haka

「A380プログラムを開始したのは2000年ですが、そのわずか3年後、ボーイング社はGEnxエンジンとロールスロイス社のトレント1000を搭載した787の開発を開始しました」

2021-05-05 07:28:57
サキノハカ @sakino_haka

「これらのエンジンは、A380のエンジンに比べて燃費が10~12%向上しています。A380が実際よりも12%も燃費が良くなっていれば、(もっと)成功した(だろう)ことを想像できませんか?」

2021-05-05 07:29:16
サキノハカ @sakino_haka

「・もしそうなら、A380は成功したでしょうか? リーヒー氏:そうすれば、さまざまな問題が解決したでしょう。新しいエンジンは長い開発期間が必要ですし、エンジンメーカーはボーイング社向けの新世代エンジンを開発中で、それがまもなく出てくることを知らせないといけませんでした」

2021-05-05 07:33:10
サキノハカ @sakino_haka

「エンジニア全員が油断していました。だからこそ、当初はA350で躓いてしまったのです。10%、12%、あるいは15%も燃費が向上した787を、新しいエンジンのファミリーで提供できるとは知らなかったのですから。これらはすべて、A380の飛行試験を開始する前に発表されました」

2021-05-05 07:33:44
サキノハカ @sakino_haka

「・売り手としては、どの時点まで、A380は商業的にまだ成功しうると考えていたのでしょうか。 リーヒー氏:最初の頃は成功しうると思っていたから、1999・2000年頃、航空会社と協力してプログラムを開始したわけですが、この航空機を気に入ってくれたというポジティブなフィードバックがありました」

2021-05-05 07:36:52
サキノハカ @sakino_haka

「彼らはボーイング747が古くなり、新しい世代がやってくることを知っており、その一員になりたいと考えていました。そう、最初の頃は、自分たちのやり方が正しいと思っていました。ボーイング787があの特殊な低燃費で登場したとき、私は心配になりました」

2021-05-05 07:37:59
サキノハカ @sakino_haka

「また、ボーイング747-8が出てきたときも心配しました。もし、あの時点でA380用のエンジンがあれば、大型双発機から守ることができたと思います。しかし、エンジン技術の面で劣っていても、A380が85%または95%の割合で満席になると、双発機には太刀打ちできない(売上が上がります)」

2021-05-05 07:42:59
サキノハカ @sakino_haka

「ただしそれは座席を埋めにくい大型機のための非常に小さなマージンです。もし、燃費がもっと良かったのならば、A380は搭乗率が65~70%でも大きな成功を収めることができたでしょう」

2021-05-05 07:44:14
サキノハカ @sakino_haka

「・この赤字と、2008年の金融危機の初期に導入されたという遅さが相まって、非常に不運なスタートとなってしまったのですね?」

2021-05-05 07:48:26
サキノハカ @sakino_haka

「リーヒー氏:そう、完璧な嵐でした。もしA380が(当初の)発表通り2005年に就航していたら、あるいは少なくとも新世代のエンジンを搭載して燃費を向上させたA380が2007年に納入されていたら、それは金融危機の前だったはずです。そうすれば、A380はより良いスタートを切ることができたでしょう」

2021-05-05 07:49:41
サキノハカ @sakino_haka

「しかし、事もあろうに、ビジネストラベルが停滞しあらゆる業界に損害が出た金融危機の中で航空会社は機材を拡大しなければならず、(A380のデビューは)業界に打撃を与えてしまったのです。ただでさえ資金繰りに苦労しているところに、世界最大級の民間旅客機がやってきたのだから、なおさらです」

2021-05-05 07:53:49
サキノハカ @sakino_haka

「そう、その2〜3年のプログラムの遅れだけでも致命的でした。燃費の競争力のなさも、パーフェクトストームの一因でした。そして次に燃料価格の高騰に見舞われたのですが、これは実際、非常に致命的でした。全てが同時に起こったのです」

2021-05-05 07:55:06
サキノハカ @sakino_haka

「・A380へのあなたの信念が本格的に崩れ始めたのはいつですか? リーヒー氏:それは、定期運用が開始されてから数年後のことでした。A380は最初から長胴型のA380-900にすべきでした、そうすれば状況はもっと良くなっていたでしょう」

2021-05-05 07:58:17