ヤマトもガンダムも存在しない?「日本が太平洋戦争に勝利した世界のアニメはどうなるのか」の考察がおもしろい

ゴジラとかも…
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坂上泉 @calpistime

梶原一騎はどうやら戦争がなくともあんな感じっぽいので、「巨人の星」も「あしたのジョー」も原作自体は高確率で生まれただろうけど、ジョーを描くのが我々の知る「ちばてつや」だったかは疑問符がつきそう。

2021-05-09 05:12:11
坂上泉 @calpistime

日本が勝っていたら60年代の学生運動はあれほど隆興しなかっただろうけど、弘前大全共闘の闘士として夢破れてアニメの世界に入った安彦良和や、日大の当局側自治会の中枢にいて体制権力を知った富野由悠季、高校時代に運動に熱中した押井守は、それぞれああいうクリエーターにはなり得なかっただろう。

2021-05-09 05:23:37
坂上泉 @calpistime

宮崎駿は、戦闘機産業の下請け工場のボンボンで、負けてもあの調子なんだから、勝った日にゃもっとバリバリ戦闘機を描くアニメを作りそうだけど、それでも「紅の豚」や「風立ちぬ」のある種の屈折は失われる気がする。単なる航空冒険大活劇に留まるのではないか。

2021-05-09 05:30:56
坂上泉 @calpistime

映画産業は、ゴジラについては別の方の言及があるから述べないとして、東宝で東宝争議が起こらなかったら黒澤明とか山本薩夫とかの人生も大分変わったのではと思うけど、アメリカの赤狩りみたいなことが起きて結局似たような流れになってそして衰退しそう。

2021-05-09 05:44:03
坂上泉 @calpistime

勝ったところで、米映画資本を邦画資本が駆逐するのは無理だろうから、良くて東宝や東映や大映がワーナーやら21世紀フォックスやらを政治力で傘下に収めるくらいなのでは。そして日米共に停滞するか、じきに親子逆転現象が起きるか。

2021-05-09 05:47:21
坂上泉 @calpistime

戦後日本のサブカルチャーは、敗戦の屈辱にまみれながらもアメコミやディズニーに夢中になった手塚治虫以下の漫画家たちの原体験、そして60年代学生運動という第二の敗戦を経験した若いクリエーターをアニメ産業が吸収したことが、負けの美学を強く滲ませるようになったとも言える。

2021-05-09 05:55:21
坂上泉 @calpistime

言及しそびれていた、戦後サブカルチャーのもう一つの潮流「特撮」も、原点の「ゴジラ」が敗戦と米の水爆実験の産物である以上生まれ得ないことと、日本的なヒーロー像を生み出した川内康範が戦勝世界で特撮やるのか(バリバリ民族派だからそっち来たのかどうか)という点が読めない。

2021-05-09 06:14:01
坂上泉 @calpistime

敗戦と学生運動挫折による負けの美学が全く(とまで言わずともほとんど)ない、「戦勝国・大日本帝国」の漫画やアニメや特撮は、果たして我々の知る、今これほどまでに世界に受容される普遍性を持ち得たかというと、僕は極めてネガティブ。敗戦を抱きしめてこそ生まれた財産なのではないかと考える。

2021-05-09 06:16:57
ユルドゥルム @yildirimbey7931

非常に熱量のこもった分析、どうもありがとうございます。とても参考になりました。 twitter.com/calpistime/sta…

2021-05-09 11:19:34
坂上泉 @calpistime

日本が勝利していたら存在し得なかったサブカルの担い手はいくつか心当たりが。 まず松本零士。父親が戦闘機乗りだったが敗戦で失職して小倉に流れ着き、当地で進駐軍のアメコミに影響を受けたとあるので、まさしく敗戦によって「松本零士」たる土壌を築き上げられたのだなと。 twitter.com/itu_wan3781/st…

2021-05-09 04:55:13
ユルドゥルム @yildirimbey7931

こちらの自分の呟きも挙げておきます。 twitter.com/itu_wan3781/st…

2021-05-09 11:20:57
ユルドゥルム @itu_wan3781

よくわかります。 日本のサブカルチャーは高度経済成長で豊かになった社会や文化から出てきた部分が大きいので、太平洋戦争に勝ったらまずそういう土壌はなさそうです。

2021-05-09 11:01:42
第1話 ガンダム大地に立つ!!

富野喜幸,株式会社サンライズ

ゴジラ

宝田 明,河内 桃子,平田 昭彦,志村 喬,本多 猪四郎,村田 武雄