金利政策下における法定準備率への収束は、吸収オペの結果を見ているに過ぎない

『政策金利を操作対象として金融調整を行なっている場合には吸収オペが行われて最終的にはR/Dは法定準備率に一致しますが、これはあくまで事後的な関係です』
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Masataka Eguchi @maseguchi

信用乗数論の認識にまた齟齬があるかもしれませんが、マンキューのテキストでは、ベースマネーHと、家計の現金/預金比率(家計の行動方程式)と銀行の準備/預金比率(銀行の行動方程式)を外生的に与えて、その他の内生変数M, D, C, Rの均衡を求めるモデルですよ。 twitter.com/tokiwa_soken/s…

2020-06-22 16:12:58
ときわ総合サービス研究所 @tokiwa_soken

信用乗数論は預金(D)の金額が水準が銀行の与信行動を通じてどのように決まるかを明示的に記述していないので、現金(C)と預金(D)と準備(R)の水準が決まれば、結果的に乗数(M/H)はこのようになる、という定義式のようなものととらえるほうがよいように思われます。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-06-22 15:58:10
S. Nishiyama / 西山慎一 @snishiyama2

@maseguchi 信用乗数「論」が何を論じているか知りませんが、名目ゼロ金利(あるいは流動性の罠)に陥っていなければR/Dは法定準備率に一致するので、(乗数を導くという目的のために)銀行の与信行動を内生化する必要はないと思います。モデルをクレジット・サイクルや格差の分析に使うなら話は別ですが。

2020-06-22 19:12:02
ときわ総合サービス研究所 @tokiwa_soken

日本の高度成長期のように資金需給がタイトでオーバーローンが生じていたような環境なら、Rと法定準備率から一意にDを決定することができるので、その場合はご指摘の通りです。しかしながら、流動性のわなのもとになくても、資金需給がタイト化していなければ与信行動を内生化する必要があります(続) twitter.com/snishiyama2/st…

2020-06-23 07:17:56
ときわ総合サービス研究所 @tokiwa_soken

なぜ与信行動を考慮する必要があるかというと、資金需要が低調なもとでは、中央銀行がオペでRを増やしても、それに見合うだけの預金が創出されないため(預金は与信行動の結果として生じることに留意)、中銀の資金供給量と所要準備の間に乖離が生じることになるからです(続 twitter.com/snishiyama2/st…

2020-06-23 07:26:46
ときわ総合サービス研究所 @tokiwa_soken

つまり「R/Dは法定準備率に一致する」は必ずしも満たされないわけです。この場合、資金がだぶついて市場金利が低下するため政策金利を操作対象として金融調節を行っている場合には吸収オペが行われて最終的にはR/Dは法定準備率に一致しますが、これはあくまで事後的な関係です twitter.com/snishiyama2/st…

2020-06-23 07:34:18
S. Nishiyama / 西山慎一 @snishiyama2

@tokiwa_soken 流動性の罠に陥っていなければ、資金需要が減少した場合には市場金利が低下して資金需給をバランスさせると考えられます。そしてその時の均衡金利がゼロ(または超過準備の付利)より高い限り、金融危機直後の一時退避を例外として、準備預金比率は法定準備率に収束しませんか。

2020-06-23 17:49:33
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

引用先のあの御方を含めて、極めて示唆的なツイート。 正金利下での金利政策の帰結として、金利下落圧力を取り去る一環として超過準備が回収されているに過ぎず、従って法定準備率への収束はオペの"結果"を見ているに過ぎない、という基本的知見が、専門家と思しき人々にすら共有されていない。 twitter.com/tokiwa_soken/s…

2020-06-23 09:52:53