イヴ・K・セジウィック『男同士の絆』読書メモ集
- arishima_takeo
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セジウィック『男同士の絆』20。ラディカルフェミニズムの歴史(通時態)軽視に抗うことを宣言。これは構造主義の弱点の共有でもあるようだ。現在のフェミニズムのもつ反歴史的な傾向もこれと地続きなのだろうか。
2021-05-29 13:51:24「思考ではなく行動の主体として様式化された女、純粋な対象として様式化された男、そして、思考の主体としては機能するが行動の主体としては機能しない、あまり様式化されていない男性の語り手」(『男同士の絆』29)。シェイクスピアの『ソネット集』と戯曲で繰り返される典型の構造。ふむ。
2021-05-29 15:03:29ここに描かれているのは男性の異性愛的な欲望なのである。それは、女性の体内や身体を通して権威ある男性と連帯したというかたちの異性愛的欲望なのである。byセジウィック『男同士の絆』58
2021-05-29 15:44:19対称性は、ジェンダーの差異を抑圧したり、そうした差異を空間的かつ/あるいは時間的な修辞的表象に翻訳して、わざとらしく対にしたりすることによって成立する。byセジウィック『男同士の絆』74
2021-05-29 16:03:10「私の知人が旅していわく、日本でよく見かける英語入りTシャツ(たとえば、「一日猛烈にスポーツをして汗を流そう」など)の中で群を抜いて人気があるのは、ひとこと「セクシュアリズム」と書いたものだという」(シジウィック『男同士の絆』112)。友人どこ旅してんねん。
2021-05-29 21:46:20「性を放棄するという考えが意味をなすのは、性的な衝動が最高に帯電された状況にある時のみである」(セジウィック『男同士の絆』118)。帯電…原語は。
2021-05-29 22:11:16「ルイス・クロンプトンによると、「ことばにできない」「口にするのも憚れられる」「キリスト者の間では口にしてはならない」などが同性愛を指すことばとして使われていたという」(セジウィック『男同士の絆』144)。へぇー、神みたいな修辞だな。
2021-05-30 07:55:00「ジャネット・トッドが指摘するように、女性が性的な危機に瀕すると鼻から血を流すのは、一八世紀小説のひとつのパターンである」(セジウィック『男同士の絆』153)。へぇー。
2021-05-30 08:03:22「男性は、自分たちの間に権力差が存在する時でさえ、憐み/軽蔑の対象となる女性を媒介にして、権力を交換したり互いの価値を確認したりすることができるのである」(セジウィック『男同士の絆』244)。はい。
2021-05-30 11:18:36そもそも男性ホモソーシャルはなんで女性を触媒にしてコミュニケーションするのか。女性を完全に排除した権力のデザインで自足しなかった理由がよく分からん。
2021-05-30 11:22:04マルクス主義フェミニズムだと「そもそもはそんなんじゃなかった(=資本主義が悪い)」で、ラディカルフェミニズムだと「もともとそんなもんだ」となる。
2021-05-30 11:25:34セジウィック的にはこれの弁証法的統一を目指しており、そのキーとなるのが、男性ホモソーシャルと表裏一体のホモフォビアってことなんだろうが…ここの理屈がいまいち分からん。同性愛嫌悪→男同士で仲良いと思われるとやばい→女性をダシに使おう…って感じか?
2021-05-30 11:28:55セジウィック『男同士の絆』読了。よく分からんところもあったが、面白かった。省略されているが副題がMale Homosocial Desire(男性のホモソーシャルな欲望)で、やっぱりホモソそれ自体は男性の専売特許じゃないんだなと再確認した。
2021-05-30 15:08:33そして、ホモソそれ自体が悪いというより、ホモフォビアとミソジニー(ただしこの語はほとんど使用されていない)の悪魔合体で凶悪的になる、という話も、今日この概念を使うとき重要なポイントだと思った。
2021-05-30 15:10:37