「包囲」再論

 メモ用。もっとも、この内容以前まとめてもらったような気がする。
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bouninng @bouninng

二重包囲という概念がいまいち理解出来ない、どこかに図とかないかな?

2011-08-11 00:16:03
名無し整備兵 @seibihei

米陸軍の教範"Tactics"の付録"encirclement"に良い絵がありますよ QT @bouninng 二重包囲という概念がいまいち理解出来ない、どこかに図とかないかな?

2011-08-11 00:20:08
小野仁@豊原航技 C102日東“イ”51a @yukikazemaru

「二重包囲」って言うから分からなくなるような。double envelop なら分かりやすい気がする。

2011-08-11 00:22:25
フォースの力に取り込まれただよもん @V2ypPq9SqY

@bouninng 二次大戦の東部戦線の地図探せば大体分かると思われ

2011-08-11 00:22:32
名無し整備兵 @seibihei

それは違う意味になるから注意 QT @yukikazemaru 「二重包囲」って言うから分からなくなるような。double envelop なら分かりやすい気がする。

2011-08-11 00:23:28
小野仁@豊原航技 C102日東“イ”51a @yukikazemaru

でしたか。申し訳ありません。 RT @seibihei: それは違う意味になるから注意 QT @yukikazemaru 「二重包囲」って言うから分からなくなるような。double envelop なら分かりやすい気がする。

2011-08-11 00:25:14
bouninng @bouninng

調べてみると、「両翼二重包囲」なるものもあるらしい。普通の「二重包囲」は…えぇい

2011-08-11 00:37:05
名無し整備兵 @seibihei

さて、再論と言ってしまった以上仕方ない。包囲についてである。あるいは他の戦術機動の方式も語るかもしれない

2011-08-17 00:11:27
名無し整備兵 @seibihei

まず、包囲とは何か。明治29年の陸軍士官学校「戦術学教程」では「正面攻撃と相連携して、敵の一翼または両翼側に溢出して、これを包み囲むことをいう」とある。

2011-08-17 00:18:15
名無し整備兵 @seibihei

明治42年「基本戦術講授録」ではこういう。「敵の正面と同時に側面を攻撃して敵を包むことをいう・・・包翼ともいう。」

2011-08-17 00:20:05
名無し整備兵 @seibihei

戦略論体系別冊「戦略・戦術用語事典」には、昭和43年の「用語集」からも引用されている。「敵を正面に拘束し、主攻を敵の側背に指向して敵の退路を遮断し、敵を捕捉撃滅しようとする攻撃機動の方式・・・主攻の指向方向にかかわらず、敵を囲んで攻撃する場合にも使う。」

2011-08-17 00:22:50
名無し整備兵 @seibihei

昭和51年に「工業英語」別冊10として出された「軍事用語辞典」では、envelopment(包囲)を「通常正面攻撃と同時に、敵の一翼又は両翼を攻撃すること。全周包囲はencirclement」と書かれている。

2011-08-17 00:27:00
名無し整備兵 @seibihei

1985年のR. E. Simpkin "Race to the Swift"では「敵の主力を作戦軸から切り離す」というような表現が使われている。ただし、これは遭遇戦を念頭に置いたものだ

2011-08-17 00:37:56
名無し整備兵 @seibihei

なお、海軍では明治40年の「兵語界説」で「包囲(to surround)とは、四方より敵を囲むこと」としている。英語で見るように、陸戦における「包囲」との関連は薄そうだ。

2011-08-17 00:42:52
名無し整備兵 @seibihei

それは地形地物と事前の準備を利用した「陣地防御」が可能な陸戦と、比較的均一な環境において互いに運動することが前提の海戦の違いがあるのだろう。海軍用語は他にも陸軍用語と違うもの、共通するものがあって興味深い

2011-08-17 00:45:59
名無し整備兵 @seibihei

昭和13年の「作戦要務令」では「包囲は側面に用ふる兵力大なると果敢なる正面攻撃に依り敵を拘束し他を顧みるいとまなからしむるとに従ひその成果益々大なるものとす」とある。これ要領であって定義じゃないんじゃないかとも思う

2011-08-17 00:53:49
名無し整備兵 @seibihei

昭和56年の「戦術との出逢い」では「包囲は、敵が最も堅固に準備した正面を避けて、比較的弱い外翼の一方向又は両方向から敵後方の目標を占領し、敵の連絡を遮断して、敵を捕捉撃滅する機動方式」としており、その狙いは「敵を一つの袋の中に入れ込んで」後に敵を撃破(押しつぶす)しようとするもの

2011-08-17 00:57:11
名無し整備兵 @seibihei

この編者は「現代の兵術書(当時の教範だろうか)」の表現があいまいであり、翼側突破との差異を上手く表現できず、思考を硬直させている、と批判している。当時の方が用兵思想研究が自由だったのかと思うことしばし

2011-08-17 01:02:09
名無し整備兵 @seibihei

なお、「戦理入門」ではこの「戦術との出逢い」での定義を(空中機動への言及を加えて)踏襲している。

2011-08-17 01:08:19
名無し整備兵 @seibihei

「戦術との出逢い」に戻る。包囲の条件として挙げているのは4つ。「敵の陣地付近で敵の後方連絡線を遮断して撃破する意図」「敵の翼側でかつ準備の少ない正面からの攻撃」「敵の現陣地の直後での後方連絡線の遮断」「撃破を企図する場所は現に敵が陣地を準備している地域」

2011-08-17 01:16:03
名無し整備兵 @seibihei

微妙に重複しているようだが、これは「企図」と「客体的条件」を分けて書いているから。また、これは「包囲」の定義であり、「成立する条件」とはまた別である

2011-08-17 01:19:22
名無し整備兵 @seibihei

包囲が成立するための要件として、「戦術との出逢い」では主として「優勢な戦闘力と相対的運動力の優越」「敵の拘束」「奇襲」を、助成的要件として「基礎配置」「航空優勢」「各部隊の連携ある行動」を挙げている。現在のものと書き方が少し違う

2011-08-17 01:28:34
名無し整備兵 @seibihei

「戦理入門」では「奇襲」「相対的運動力の優越」「敵の拘束」を挙げた後、成果を確実にするため、として「優勢な戦闘力」「各部隊の連携ある行動」「適切な基礎配置」を挙げている。ただし番号は通しで1~6を当てていて区別していない。

2011-08-17 01:36:52
名無し整備兵 @seibihei

包囲の形式としては一翼(片翼)包囲及び両翼包囲がある。包囲目標に至る攻撃軸が一方向であれば一翼(片翼)包囲(single envelopment)であり、二方向であれば両翼包囲(double envelopment)になる。

2011-08-17 01:43:33
名無し整備兵 @seibihei

これとは別に、包囲目標の数により一重包囲と二重包囲に分かれる。一重包囲とは「その場の敵を包囲するため、その後方の目標を奪取すること」であり、二重包囲は「一重包囲に加えて敵の増援を阻止するため、さらに遠方の目標をも奪取すること」となる。

2011-08-17 01:50:00