佐島勤『魔法科高校の劣等生』は「システムを変える物語」か「システムには疑問を感じないまま勝つ」物語か。仮に後者だとすれば「何のために勝つ」のか(web小説版既読前提)
@miyamo_7 先日紹介した漫画「RBB(赤黒き蒼)」の手書きブログ掲載のサブエピソード群ですが、こちらのリプライhttp://t.co/iFQRtun でURLが変わって残っているhttp://t.co/JkHcskP と教えて頂きました。宜しければ読んでみて下さい。
2011-08-19 02:02:18いずみの(izumino)さんによる追記
.@sagara1 さんのまとめに対して、主観寄りの時代認識をちょっと単純化して語っておく必要がありそうだ。以下少し簡単に http://t.co/x2uf0rx
2011-08-17 21:43:4390年代サブカル史においてシステム、といえば1993年のパトレイバー2だし、1999年のアドゥレセンス黙示録だろう。パト2でシステムの思い通りにならなさは執拗に描かれ、アドゥレセンス黙示録は「システム内で勝てる戦いしかしない青年」と「システムから抜けようとする少女」が対比される
2011-08-17 21:50:02そういったリアリスティックな「システムのどうしようもなさ」が描かれきった後、ゼロ年代は「そもそもシステムなんて描く気がない」セカイ系のムード(※あくまでムードであり実態は別)を経て、「システムを変えてやるぜ」というマッシブなお話が注目されるムードが生まれ10年代に至る、と
2011-08-17 21:54:09ふと思ったけど「システムを描かずに人間が世界に干渉できてしまうセカイ系」を経由するからこそ、その干渉のを一段階ズラすことで「人間は(世界に干渉するのは荒唐無稽だけど)システムに干渉できる!」というロマンが成立していたのかもしれないな。余談。
2011-08-17 21:57:33コードギアスやデスノートのように「世の中の仕組みを変えてやる!」というのは、90年代をサンドイッチするように数十年前でも見受けられるもので、学生運動の挫折のあと、それを戯画化したような『野望の王国』は昭和50年代だし……
2011-08-17 22:06:09参考までに、福本伸行の金融漫画『銀と金』(90年代)や、その延長にありそうな『ドラゴン桜』(00年代)も「システムの中で勝つ」系で、自分に都合のいいシステムに変えることまで含めて「システム自体は否定していない」タイプに入ると思う
2011-08-17 22:08:49@izumino 「システム」に関する論議でセカイ系が絡むと。セカイ系の代表作の一つともよく言われる秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏』が01年~03年に刊行の一方で、同じく秋山瑞人の手になる「システムから抜けようとする」物語、『猫の地球儀』が00年に出ているのが面白いと思えます。
2011-08-17 22:12:31で、スノッブすれすれ、というのは、『新きまぐれオレンジ☆ロード そして、あの夏のはじまり』(96年)のように、戦場カメラマンだとか、海外アーティストだとか、ハリウッド俳優だとか、まったくシステムと無関係な「スノッブな職業」に就いて勝ち組に入るような人生をイメージしていて、
2011-08-17 22:14:07ここに、ゼロ年代的な「システムを変えたり、抜けようとすることに自家撞着しがちな作品」に対して、システムに見向きすらしない、自分たちのことだけ考えていとも簡単に勝ち抜けてしまう作品、というのを前世紀の残り香として感じていたりします
2011-08-17 22:19:20で、がんばって話をシメるなら、『魔法科高校の劣等生』は間違いなくパトレイバー的な「どうしようもないシステム」を現実的に意識した上で、ドメスティックに限定された動機はコードギアス的だし、逸脱した特権的な才能はきまオレ的だし、
2011-08-17 22:30:31金融的に正しいアプローチで現状を打破しようとするのは『銀と金』的だし、しかし「システムに賢く寄生する」ことを目指すほど安全な物語でもなければ、逆に「俺がルールメイカーになるんだ」と主張するデスノっぽくもない。色々な時代の嗅覚が混ざり合っているように感じる、という認識なのです
2011-08-17 22:34:17まぁ未完の作品への話だし、とっちらかってますが、「鈴音と達也の考え方の違いに注目」してたりするのは、こういう前提が漠然とあったからですね
2011-08-17 22:41:06ちなみに魔法科の世界は「愚かな大人」が本当に多いのだけど、それが佐島先生の「どうしようもない世の中」という現実認識を反映しているように思える反面、本人は「エンタメなので本当の現実よりもはるかに易しい世界にしています」的なコメントしているあたり、結果的に絶妙な匙加減を生んでるような
2011-08-17 22:57:14まぁひいきめは絶対あるんですが、コードギアスの「妹のために→世界を乗っ取る」という、ドメスティックから権力への意志は非常にダイレクトに繋がってる気がするんですが(物語の動機として妹が後付にも思える)、
2011-08-17 23:01:36魔法科のメインテーマである「シスコン以外への眼中のなさ」と、作者の几帳面なこだわり・設定マニアの結果である「妹のためにはどうにかしなければならないどうしようもない世界」のふたつは、なんだか本来くっつかないような矛盾した要素がなぜか一緒に進行してるようなイメージがありますね
2011-08-17 23:05:02ぼくが、本音の部分で三章があんまり気に入ってないのは、バトル重視すぎてその後のメインテーマが翳って見える気がしてるからだったりしますw @dora_m
2011-08-17 23:21:29やや関連して島崎譲『THE STAR』について
「アーティストやタレントがパフォーマンスによって世界を救う」系のお話の究極が『THE STAR』だと言って過言ではないので、カレイドスタークラスタやマクロスクラスタやソラノヲトクラスタ(三つ目が仲間はずれ)は参考に読んでみるといいです
2011-07-26 20:12:10みっかで最終巻まで公開されるようなのでぜひ / 身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記: 島崎譲先生の『THE STAR』(全24巻)がJコミで4巻から公開スタート http://htn.to/9AqvKz
2011-07-26 23:07:24そういえば、Jコミで島崎譲『THE STAR』を読み始めていて現在7巻。「7巻時点で芸能スターとしてエラいことになっているのに、これが全24巻って一体どうなってしまうの?」というところ(なお、こちらの公開前に同じくJコミの『征神記ヴァルナス』全7巻は楽しく読んでいた)。
2011-08-17 22:26:43