パイデでオメガの話

アルファでパイロンの龍馬さんとオメガでデッドローンの話だよ
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かむい @sunyaxxx

そんないぞーの顎をとり顔を近づけ微笑む。 「デッドローン、君の番はどこにいるのかな?この首輪を外してもらわないとね」 首にかかる黒の上質な皮できた首輪をゆるくそっと撫でた。

2021-08-30 15:39:29
かむい @sunyaxxx

天蓋のついた豪華なベットに投げられてるが、すぐに体の向きを変えじりと後ろに下がる。 「僕が、いいと言うまで誰も入らないように」 いぞーとの生活の為に作らせた別宅は屋敷とは違い目を奪うようなものは置いていない。 ただ静かに暮らすためのものだ。

2021-08-30 21:19:28
かむい @sunyaxxx

この屋敷の中にはりょーまが厳選した人間しか置いてはいない、どれほどの人間が命を狙っているかも、そして、またいぞーと自分を引き離すかわからないからだ。 「待たせたね」 後ろ手にドアを閉め鍵をする、これで誰も入ってはこられない。 「おまん、番とガキがおろうが」 「そうだね」

2021-08-30 21:19:29
かむい @sunyaxxx

逃げ場などないというのに、まだ逃げようとするいぞーにゆっくりと近づき首に巻きつく首輪に触れる。 「ねえ、番のアルファがいるのに、この首輪してるんだね」 すると指が首輪を滑り首の後ろうなじに触れる。 「っつ!!」

2021-08-30 21:19:29
かむい @sunyaxxx

「噛まれてたら、こんな首輪いらないはずだよね」 少しだけ長めの爪がうなじにたてられる。 「いぞーさんのこと調べたけどね、いぞーさん番った相手だけがどうしても見つけられん、にゃあ、教えとうせ、そいつに頼んでこの首輪外してもらうきね」

2021-08-30 21:19:30
かむい @sunyaxxx

ぞっとするほどに甘く柔らかい声。そして舐めるように囁き誘う。 首輪を外すために、この番の作った首輪の主を教えてと強請るりながらそっと服の中に手を伸ばし引き締まった腹を撫でる。

2021-08-30 21:19:30
かむい @sunyaxxx

「いぞーさんの腹ん中ぁぶちまけて、子を作らせるだけ作らせて死産したら番契約も結ばずに捨てるようなアルファいらんじゃろ、やき、にゃあ、もうえいじゃろ教えとうせ、わしがここでいぞーさんを大事にしちゃる、今度はわしとの子を孕んとうせ」 ひくりとなる喉が唾を飲み込み口を緩ませる。

2021-08-30 21:19:30
かむい @sunyaxxx

「おまんとのガキなんぞいらんわ、パイロン」 にぃっと不敵に嗤う。 「他の誰のガキを、また作ろうとも、おまんとのガキだけはいらんわ、クソパイロン」

2021-08-30 21:19:31
かむい @sunyaxxx

あの狂暴な熱を、再びその身に受けた。 孕めと言った言葉に嘘はなく、いぞーの中に大量の種を撒く。やめてほしいといくら頼んでも首輪をつけたアルファの素性一つ漏らさないことに腹を立て自分との子を拒否することに嫉妬し乱暴に暴いた。

2021-08-30 21:19:31
かむい @sunyaxxx

言えるわけなどない、だって相手はお前しかいないのだからとお前しか知らない、この首輪だって、いぞーが必死で稼いだ金で買った特注品だ。 どんな奴にだって外すことはできない。

2021-08-30 21:19:32
かむい @sunyaxxx

これをしている限り、自分はりょーまへの恋心を閉じめ込めておける、そしてりょーまと作った我が子の為に生きていける証なのだから。

2021-08-30 21:19:32
かむい @sunyaxxx

朝方、自分の中に自身をおさめたまま眠るりょーまの眠っているくせに強く抱きしめて離さない腕をなんとか外し抜け出しシーツを掴んでよろめきながら壁に寄り縋りはいずるように部屋の隅に行くと腹の中に撒かれた種を掻き出す。 シーツの端を口に咥え声を殺す。

2021-08-30 21:19:32
かむい @sunyaxxx

自分の指で広げ奥の奥まで撒かれた種を一つ残らず…。 「そこまで操だてしたいんだ」 いつの間にか起きていたりょーまが手を掴み壁に体を押し付ける。 「そんなに好きなんだ、そのアルファのことが妬けるね」 抵抗する力はないアルファの強烈な匂いが鼻腔をつく。

2021-08-30 21:19:33
かむい @sunyaxxx

多量の抑制剤を飲んでいるというのに頭がくらくらする縋り付きたくなる、りょーまに全てを…。 ダメだ、ダメだ、絶対にダメだ、それだけはダメだ。 「いぞーさんって、そんなに快楽に強いわけじゃないのに頑張るね、えらいね」 涙を浮かべ首を横にふる何度も。

2021-08-30 21:19:33
かむい @sunyaxxx

近付かないでほしい、そんな強烈なそれを自分に…。 「えらい、えらい、じゃあ、まだ頑張れるよね、子供、たくさん作ろうね」 「ーーーーー!!」

2021-08-30 21:19:34
かむい @sunyaxxx

何日が過ぎただろうか、それすらもわからない。 大人の男が二人で入っても悠々と足を伸ばせるほどの風呂にゆったりと浸かる。 抵抗する気力を根こそぎとられた。 「気持ちいいでしょ」 頭から足の先までも丁寧に洗いながら抵抗できないいぞーの身体に触れられぐったりとして浸かっている。

2021-08-30 23:02:40
かむい @sunyaxxx

まるで夢物語語る口調で子供子供とせがんできた。 それを最後にいぞーの意識は沈んでいった。

2021-08-30 23:02:41
かむい @sunyaxxx

窓枠に体を乗せ外を見る。 雨が止まない。 ずっと振り続けて鬱陶しい。 「いぞーさん!!こんにちわ、元気だった?」 正しく服を着るのも面倒でりょーまの置いていった羽織りを肩にかけズボンだけを履いて外を見ていた。 いぞーの服は全て捨てられてしまった。

2021-08-31 23:38:33
かむい @sunyaxxx

いつでもりょーまを感じられるようにと濃い匂いをつけて…。 能天気な声が窓から目を離さないいぞーにかけれて眉間に皺を寄せ小さく舌打ちすれば羽織りをかけなおし勝手知ったる部屋を歩き楽しそうな顔をしてみている顔を無視して煙草を掴むと火をつけた。

2021-08-31 23:38:33
かむい @sunyaxxx

そのまま棚に行き適当に掴んだ粉とカップを出して熱湯を入れてテーブルに叩きつける。 「砂糖とミルクもお願いしていい?」 下から見上げてお願い顔で見られ、うんざりとした顔でコーヒーの中に砂糖とミルクをどばどばと入れてやる。

2021-08-31 23:38:34
かむい @sunyaxxx

もう本当にこれでもかと言うほどに、それでもいい子にして椅子に座るとあからさまな嫌がらせにも顔色一つ変えず、その極甘なコーヒー?を飲むと、 「すっごく甘いね」 「当たり前やか」

2021-08-31 23:38:34
かむい @sunyaxxx

それでもいぞーが入れたものだからと甘い甘いと言いながら全部飲み干す。カップの底に残ったのは溶け切らなかった砂糖。 「僕にこんな事して生きてられるのはいぞーさんとおりょーさんだけだよ」 へらっと笑って言われて、そんなことくらいよくわかっていると返事を返さず鼻を鳴らす。

2021-08-31 23:38:35
かむい @sunyaxxx

「仕事がね一段落したんだ、それ…」 「家に戻らんのか」 何を言いたいのかわかっていて先に言ってやる。 「番の女とガキがおろうが、そいたらあの方へは戻んてないやろが、べこのかあ」 「戻ってるよ」 「ほぼほぼ、ここに通うちょるんに、いつ戻っちゅうがか」

2021-08-31 23:38:36
かむい @sunyaxxx

いぞーを手に入れてから、りょーまは仕事とこの別宅にしか通っていない。 自分が選んだ番と子供がいて、今更自分を閉じ込めてどうする気だ。 「おまんの頭が狂うとるしかわからん」 「どうして?」

2021-08-31 23:38:36
かむい @sunyaxxx

「当たり前やろ!!わしにガキ作れち…、おまんにゃあ、番とガキがおるじゃろが!!それなんにわしに作れち言いゆうは不貞…」 ぞくっと背筋が総毛だった。 「僕が作れと言ったら作ればいいんだよ、この街での支配者は、この僕だ」

2021-08-31 23:38:37
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