選別機能を欠いた日本の美術業界と作家の資質
美術家 永瀬恭一さん( @nagasek )のツイートをまとめました。
永瀬恭一(一人組立)
@nagasek
森村泰昌という人の不幸は、明らかに有名になりすぎた点にあると思う。あの人は、作品から考えて基本的に、ごく一部の人の熱心な支持を受けて、その中でこそ本来の資質に向き合えたんじゃないかと思う。
2011-08-20 00:51:41
永瀬恭一(一人組立)
@nagasek
森村氏は、ある段階からPC的なメッセージ、あるいは広く社会的なメッセージを身にまといはじめていて、これが評価の一般化に拍車をかけたと思う。けれども、この人の資質はもっと遥かに個人的かつ偏執的なところにあったのではないか。
2011-08-20 00:53:57
永瀬恭一(一人組立)
@nagasek
成功してしまったがゆえに不幸を感じさせる作家といえば奈良美智氏で、あの人も本来なら、本当に狭い範囲の熱烈なファンに向けてだけ描いていられれば一番よかったのではないかと感じる。
2011-08-20 00:58:00
永瀬恭一(一人組立)
@nagasek
結局、欧米のオリエンタリズムの視線を内面化してしまった国内アートシーンという不幸が状況を悪くしている。選ぶべきでないシーンで選ぶべきでない作家を選ぶべきでない企画で「売って」しまう。
2011-08-20 01:03:16
永瀬恭一(一人組立)
@nagasek
ヴェネチアビエンナーレもまさに「選ぶべきでないシーンで選ぶべきでない作家を選ぶべきでない企画で売ってしまった」例で、あのようなことになった。
2011-08-20 01:05:59
永瀬恭一(一人組立)
@nagasek
いったい、震災後の岩手で、森村氏にどうしても展示をさせなければならなかった必然性があっただろうか?「選ぶべきでないシーンで選ぶべきでない作家を選ぶべきでない企画で」押し出そうとした、その制度上の欠陥は、以前ツイートした日本の賞制度の失調ともつながる。
2011-08-20 01:09:03
永瀬恭一(一人組立)
@nagasek
要は作家の選別機能がこの社会には全く無い。正確に言えば社会の中で、作家なり作品なりを最も輝くアングルで再配置するカンがない。これは美術館だけの問題でもなく批評家だけの問題でもジャーナリズムだけの問題でもない。
2011-08-20 01:11:22