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大村益三 @omuraji
或る日の事、友人の美術家が浮かぬ顔をしていた。公立美術館での企画展に選ばれたのだという。浮かぬ顔の理由を即座に理解した。「金が無くってね」。友人はそう言うと、酸っぱい顔が余計に酸っぱくなった。公立館の企画展だ。与えられた責務は大きく、その負担もまた小さくはない。
大村益三 @omuraji
経歴に公立館での発表実績を載せる。それは個人事業主である美術家の宣伝効果にはなる。しかしそれはまた、作家にとっては「広告費」扱いであり、決して展覧会自体で「儲かる」訳ではない。或る学芸員がこう言っていたのを覚えている。「展覧会は作家に儲けさせる為にやっているのではない」。
大村益三 @omuraji
勿論作家には幾許かの「謝礼」が支払われる。但しそれを純粋な「ギャラ」として捉える事は難しい。恐らく、多くのケースで、参加作家よりも、設営業者や運送会社の方が取り分は多い。何故ならば、業者はそこで「儲ける」事を許されているからだ。
大村益三 @omuraji
展覧会は作家に「させる」ものである。ややもすると「させてやる」であったりもする。当然「請求書」というものは存在しない。
大村益三 @omuraji
数十平方メートルの部屋を新作で埋める。その「謝礼」と同じ値段で、ディスプレイ業者に発注すれば、発泡スチロール製の数十センチの立体物一つのみが上がってくるだけだろう。何も「自腹」は、殊更に例外的なものではない。相当昔の話だが、某有名国際展に選ばれた作家は、その為に借金を重ねていた。
大村益三 @omuraji
「美術家値段」という隠語が、美術業界の一部にあるが、これは決して「高額」である事を意味しない。「美術家値段で宜しく」というのは、「ディスカウントの上にもディスカウントで」を意味する。美術家は「金に汚くない」。そうした「神話」が、この「美術家値段」という伝統を成立させていたりする。
大村益三 @omuraji
「美術家値段」。それは「広告費」ではなく「接待交際費」なのだろうか。
大村益三 @omuraji
美術家の「自腹」は、或いは「尊敬」や「感動」や「同情」の対象に見えるかもしれないが、しかし「自腹」である事自体を問題とする視点は、余り常識的なものではなさそうだ。他人の「自腹」行為で「感動」というのは、余り良い趣味ではないと言える。

↓8/24追加

萱原里砂 @SUPRAENDURA
美術館の謝礼が「湯のみ茶碗二個」だったという話も聞いたことがあります。QT @omuraji 勿論作家には幾許かの「謝礼」が支払われる。但しそれを純粋な「ギャラ」として捉える事は難しい。恐らく、多くのケースで、参加作家よりも、設営業者や運送会社の方が取り分は多い。
大村益三 @omuraji
それは「謝礼」とも「寸志」とも言える「記念品」ですね。RT @SUPRAENDURA: 美術館の謝礼が「湯のみ茶碗二個」だったという話も聞いたことがあります。
八巻マスダ香澄 @agneau_kasumi
作家にお金を払いたいのに、支出にオオヤケの論理では根拠がつけられない。できるだけ払う算段をしたら、上司に「作家には払う必要ないんじゃない?」と言われた。 @edtion1: 「《美術家値段》 展覧会で儲ける事が許されない美術家」 http://t.co/4gSFTXX
新川貴詩 @shinkawa_takash
以前、ベネビの日本館代表作家はノーギャラという記事を書いたら、いろいろ言われたなぁ。 RT @agneau_kasumi: 作家にお金を払いたいのに、支出にオオヤケの論理では根拠がつけられない。できるだけ払う算段をしたら、上司に「作家には払う必要ないんじゃない?」と言われた。
八巻マスダ香澄 @agneau_kasumi
作家に自腹を強いないように、できるだけ美術館も負担したい。一緒に展覧会を作る以上、当たり前のことだと思うのだけど、美術館の中ではそういうシンプルな考え方は通用しない。経理の人は理解を示してくれたけど、学芸スタッフが全く理解してくれなかった。作家を甘やかしすぎじゃないの、って。
八巻マスダ香澄 @agneau_kasumi
なんで?金のこと言うなってことですか? @shinkawa_takash: 以前、ベネビの日本館代表作家はノーギャラという記事を書いたら、いろいろ言われたなぁ。
新川貴詩 @shinkawa_takash
ちゃいます。端的に言うと、憤りが圧倒的でした。 RT @agneau_kasumi: なんで?金のこと言うなってことですか? @shinkawa_takash: 以前、ベネビの日本館代表作家はノーギャラという記事を書いたら、いろいろ言われたなぁ。
kumiko @hrn935
@agneau_kasumi ええええ…えーと美術館で発表する場は与えるから、あとはよろしくってことでしょうか…?
八巻マスダ香澄 @agneau_kasumi
そりゃ憤りますよ。普通の感覚、大事。 @shinkawa_takash: ちゃいます。端的に言うと、憤りが圧倒的でした。 RT @agneau_kasumi: なんで?金のこと言うなってことですか?
MuroiERI @MuroiEri
@shinkawa_takash ノーギャラなの?いま? 制作費として二十万くらいは出ていたんじゃなかったけ・・・。 渡航費滞在費は出るよね。。。あ、別に答えなくていいですよ。
八巻マスダ香澄 @agneau_kasumi
コンテンポラリーを扱う美術館だと、作家に謝礼をどーんと支払える規程になってたりします? @qjf935: ええええ…えーと美術館で発表する場は与えるから、あとはよろしくってことでしょうか…?
kumiko @hrn935
@agneau_kasumi 詳しいことは分からない下っ端ですが、個展でずっと企画をしているので(例外はありますが)、予算のうちからある程度作家に支払われる仕組みになっているようです。それで充分かはこれまたわからなくて申し訳ないのですが…。学芸スタッフからというのに驚きで。
壱丸 @haimexx
これはちょっと凄い話じゃない? RT @shinkawa_takash: (cont) http://t.co/VvmuCao
新川貴詩 @shinkawa_takash
@haimexx ええ、ひどい話だと思い、ひどい話として伝えました。
八巻マスダ香澄 @agneau_kasumi
そうあるべきですよね。作家に払う必要がないという人は、多分画廊がちゃんとマネジメントしているタブロー作家が旧作を出品する、というケースが念頭にあるのだと思います。で、美術館で展示をしたら宣伝になるんだからいいでしょ、という理屈。 @qjf935
新川貴詩 @shinkawa_takash
なんか、リプライが多いのでまとめて返事します。当該原稿は、「美術手帖」 2003年9月号 pp76-79。なにしろ八年前の記事なので、現状の話と誤解なさらないで下さいね。
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