鏡の国の王子さま(仮)・現在進行形共同作品(非公式)古い順1

鏡の向こう側にうっかり足を踏み入れたギニュー特戦隊&ザーボン。 彼らが見て、出会ったものとは? 紗羅香とザーボン王子が共に綴り、互いの世界を『鏡』を介して共有する小説。 実況ツイート式でお届けします。 続きを読む
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@Z0211_2

池に水を張ったリクームは、魚200匹以上が泳いでいる尋常ではない大きさのバケツを持つと、「それ~!綺麗に掃除したから気持ちいいぞ~!」と、魚たちをザバーッ!!!と一気に池に放つ。たくさんの魚たちと水とが一緒にキラキラと日の光に照らされて、池に落ちていった。 #sarass

2011-08-28 15:37:41
@Z0211_2

「終わった終わったぁ~!」満足顔のリクームは、あ~!と伸びをする。そして、グルドの座るベンチに向かって叫んだ。「待たせたなぁ!グルド!じゃあ、行くぞ~!」グルドはリクームの掛け声によって、ベンチから降り、リクームのいるところまで移動した。 #sarass

2011-08-28 15:38:17
@Z0211_2

近くに来たグルドを見るなりリクームは「さっきも思ったんだけどよ、ずいぶん変わった水着着てんだな~?」首を傾げながら聞いてみたが、あ!と手を叩いた。大事なことを思い出したのだ。(そうだ、王子からグルドを連れて来るように言われてるんだったっけな!) #sarass

2011-08-28 15:41:30
@Z0211_2

「なんかなぁ、ザーボン(王子)ちゃんが朝から激怒してたんだよな!なんでも、グルド、お前のせいだとか、なんだとか言ってた気がするんだよね~。グルド、何かしたのか~?」 #sarass

2011-08-28 15:45:33
@saraka4237

リクームは誰に伝えるわけでもなく、作業の終わりを告げた。両腕を上げて大きく伸びをすると、こちらに向き直り、話し掛けてきた。呼ばれたグルドは小声で、『全く。なにしてんだよ・・・』と、文句を言いつつ、ベンチから降りた。 #sarass

2011-09-04 08:43:51
@saraka4237

近くに寄るとリクームは、グルドが着ている戦闘服を見て、『水着』だと言い始めた。(はぁ?なに言ってんだよ!リクームは!)池の掃除をしていたことも謎だが、この格好を『水着』呼ぶのはもっと謎だ。反論しようと口を開きかけたが、リクームは話を続けた。 #sarass

2011-09-04 08:44:38
@saraka4237

「やっぱ、怒ってんのか・・・ザーボンは」グルドは嫌そうな顔をして、部屋で起きたことを思い出していた。とんでもない災難に冷や汗を流していると、リクームが質問をしてきた。 #sarass

2011-09-04 08:45:10
@saraka4237

「何って・・・お前もいただろう?アイツの部屋に。一緒に暴れたじゃねぇか!」その質問内容に、グルドは大声を上げて叫んだ。驚くグルドに首を傾げて考えるリクームだが、すぐにいつものお気楽モードに戻った。 #sarass

2011-09-04 08:45:58
@Z0211_2

「ええ~?一緒だったか~?まぁいっか!とにかく行こ~ぜ~!」深いため息をつきながらペースの遅い歩みのグルドの横をリクームは鼻歌を歌いながら歩くのだった。城内に入るとグルドはキョロキョロし始めた。高い天井、長くどこまでも続きそうな廊下は床が大理石だ。 #sarass

2011-09-04 10:54:46
@Z0211_2

そこには紅い絨毯が同じくどこまでも続いている。度々すれ違う警備の者達は、横目でこちらを見てくる。その様子に気付いたリクームは、「お前のその『水着』!珍しいもんな~!そりゃ、みんなに見られるわ!うん!」 #sarass

2011-09-04 10:55:32
@Z0211_2

一人で呟き、一人で納得するリクームは、自分の目線より遥かに下から不思議そうな表情で見てくるグルドの様子には気付くはずもなかった。あれから7、8分ほど歩いただろうか、ようやく廊下の端が見えてきた。リクームはぶつぶつと文句を言うグルドには全く気付いていないらしい。 #sarass

2011-09-04 10:56:16
@Z0211_2

廊下の端手前の右には廊下と同じ大理石の階段が上へと伸びていた。すると、リクームは周りを確かめているような素振りをした。次の瞬間、右にくるっと華麗なターンで方向転換をすると、軽快なステップでダンスをするように、その階段を駆け上がった。 #sarass

2011-09-04 10:57:09
@Z0211_2

かなりの筋肉質の長身に似合わず、その舞は素晴らしいものだった。さすが、幼い頃からダンスを身に付けただけのことはある。楽しそうなリクームとは対称に、どんよりため息をつきながらゆっくりと階段を昇るグルド。 #sarass

2011-09-04 10:57:47
@Z0211_2

上階との間の踊り場で待つリクームは、大人しく階段を上がるグルドに向かって楽しそうに言った。「ザーボンちゃんに見つかると、『美しい石に傷が付く』って怒られちゃいそうだからさ~!グルドぉ、お前言うなよ~?」上階へ着いた二人の目の前に広がった円形の中庭。 #sarass

2011-09-04 10:58:19
@Z0211_2

そこを真っ直ぐ抜け、続く廊下の一番端に辿り着いた。そこにあるのは壁のみで、他に何も無い。 なんとなく驚いているような、疑っているような様子のグルド。リクームはそんなグルドに構わず、壁に手を触れた。すると、ドアらしきモノが、すーっと現れた。 #sarass

2011-09-04 10:58:47
@Z0211_2

どうやら隠しドアになっていたようだ。「ザーボンちゃ~ん!グルド連れて来たぞ~?」 ドアに向かって叫んだり、ノックしたりしている。「ん~?ザーボンちゃん、いないのかもな~。返事がないもんな~。」首を捻るリクームの背後に恐る恐る隠れていたグルドはふと後ろを振り返った。 #sarass

2011-09-04 10:59:17
@Z0211_2

そこから見える中庭を横切っている白い服の人影。よく見れば、頭部に黒い角を真っ直ぐに生やした紫色の肌。「ん?どうしたグルド?」指を差すグルドに「ああ、料理長だな。確かにこの時間に中庭を通るのは珍しいな。まっ!俺には関係ないけどね!」とお気楽な調子で答えた。 #sarass

2011-09-04 11:00:17
@Z0211_2

「仕方ないから部屋ん中で待ってるか~。」そういうと、リクームはドアの横の壁についている丸いセンサーのようなものに向かって何か言うと、ドアがギィと音を立てて開いた。 #sarass

2011-09-04 11:00:44
@saraka4237

「な、何だ?ここは・・・」グルドが驚くのも無理はない。何せ、部屋の中は『羽根』だらけだったのだ。もちろん、鳥が住んでいる訳ではない。おそらく部屋の主は『羽根コレクター』なのだ。でなければ、この大量の羽根が意味する所が分からない。 #sarass

2011-09-12 00:35:21
@saraka4237

周囲を見回してみた。本物の羽根もあれば、飾り物の羽根もある。机の上には、緑のグラデーションが綺麗な羽根ペンが置いてあった。「ザーボンって・・・こんなに羽根が好きだったのか」鏡だけじゃなかったんだ・・・と思った瞬間、また思い出した。 #sarass

2011-09-12 00:36:11
@saraka4237

「ここ・・・ザーボンの部屋じゃないだろう!」リクームに投げ飛ばされたことが、グルドの脳裏をよぎった。その事を抗議しようと、リクームに詰め寄ったが・・・いなかった。どこへ行ったかと思い、部屋の中をぐるりと見た。と、視線が窓の外で止まった。 #sarass

2011-09-12 00:36:49
@saraka4237

「あっ!いつの間に!」なんとリクームは、窓の向こうにあるガラス張りのテラスで昼寝をしていた。ついさっきまで隣にいたはずなのに、もう大きなイビキを掻いて、気持ち良さそうに寝ていた。「全く!どういう神経してんだ!」 #sarass

2011-09-12 00:37:20
@saraka4237

グルドが文句を言うも、リクームは起きる気配はない。暖かな日差しが、ガラスを通してテラスの中に降り注ぐ。「ふぁ〜あ・・・」グルドも眠りに誘われたようだ。空いている椅子に腰かけると、そのまま寝入ってしまった。 #sarass

2011-09-12 00:37:45
@Z0211_2

「おい、王子いるのか・・・?」王子の部屋のドアが十数センチ開いた状態になっていることに気付き、ドアから顔を覗かせたのはこの城で料理長を務めるギニューだった。普段、王子の自室のドアは全開、もしくは閉まって壁と一体化している状態なのだ。 #sarass

2011-09-12 17:29:19
@Z0211_2

しかし、珍しく少し開いているのを中庭を行き来しているうちに目に入ったらしい。ドアを開け、中に足を踏み入れると妙な音がすることに気付いた。妙な音はテラスの方から聞こえてくる。 そーっと忍び足でテラスへと向かっていく。何かが目に入りテラス手前でふと足を止めた。 #sarass

2011-09-12 17:30:52
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