【嘉弖苅悠介と芳賀沼さらはいいよね】 リスペクトすべき才能はどこに宿っているか 【カロリーヌはいいよね】

その将来を非常に楽しみにしている、竹の子書房でも活躍中の若手イラストレーター、嘉弖苅悠介@yu_Katekari 、芳賀沼さら@kurorororo1101 両氏について、褒めちぎりつつ、「才能の在処」「才能と人格の乖離」「趣味で描くことと仕事で描くことのボーダー」などについて、いろいろ語ってみた。 絵描き、文字書き、双方に通じる「心得」の話も触れてみた。 イラストレーター、画家、どちらで呼ぶのが当人達の希望かはわからないけど、「絵師」とは言わず、「画家」と呼びたい。 続きを読む
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若い画家の才能について。

加藤AZUKI @azukiglg

めっちょり@yu_Katekari さんと、芳賀沼@kurorororo1101 さんの目から、世界がどう見えているのか、というのはとーても気になる。よく「作者の頭の中を覗いてみたい」という讃辞があるけど、画家については「その人に世界がどんな見え方をしているのか」を興味深く思う。

2011-08-27 09:05:59
加藤AZUKI @azukiglg

文章家については描写に要する文体(作風)が、画家については描画技術が、その才能の大なるところとして注目されがちだけど、絵も文も嗜んできた人間として言うなら、技術はあまり重要じゃない。いや、重要なんだけど、技術は鍛錬である程度は会得できる分野。

2011-08-27 09:07:55
加藤AZUKI @azukiglg

問題は、「どう見えているのか」で、これは普通に見えている、と恐らく大多数の謙虚な才能はそういうだろうけど、何に着眼する、または「どんな世界が(普通に)見えている」は違うのではあるまいか、とか思う。

2011-08-27 09:09:00
加藤AZUKI @azukiglg

目の前にあるものを写実的に写し取るのは、もちろん技術が必要ではあるんだけど、手本が目の前にいるわけだから頑張ればある程度はなんとかなる。手本が目の前にはないものを描くには想像力が必要だけど、それは恐らく厳密には「自分の脳内を見る能力」なのかもしれなひ。

2011-08-27 09:10:19
加藤AZUKI @azukiglg

単純な「想像力」と「自分の脳内を見る能力」は恐らく違うんじゃないだろうか。もちろん、自分の脳内に世界の全てが詰まっている、というような全知全能の人はそうそういない。完全にいないことはないのかもしれないけど、恐らく数は少ない。

2011-08-27 09:11:32
加藤AZUKI @azukiglg

先に挙げた二氏は年齢的に若い。絵を描いてきた年数を伝え聞くと、もしかしたら両手、それどころか片手で収まるのでは、というほどに短い。短期間に技術を身に付けた、或いは短期間に才能が花開いたから天才だ、才能がある、というのは恐らく褒め所を見間違えている。

2011-08-27 09:12:54
加藤AZUKI @azukiglg

彼ら彼女らは、外部にあって見たものと、自分の脳内に像を結んだものとを、それぞれ見て、それを写し取る作業をしているのではないだろうか。この、脳内を見る作業そのものは、文才や画才がない人も日常的にしているのではないかと思う。「あんなこといいな、できたらいいな」という願望がそれに近い。

2011-08-27 09:14:24
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、恐らくは「見て」終わる。見たものを、書き取る、写し取るというところには進まない。絵や文を書く人の多くは謙虚に「趣味でやっているだけです」「自分のために書いています」「自分が納得できればそれでいい」と言う。恐らく全て事実で、「納得」というのが特に重要なのだろう。

2011-08-27 09:15:59
加藤AZUKI @azukiglg

「深層心理を形にする」ことで安心を得る…とかそういう細けぇことは専門家に委ねるとして、「自分のカタチ」を自分で把握しようとする、という行為への執着があって、その結果が「作品」という成果物になり。

2011-08-27 09:17:08
加藤AZUKI @azukiglg

成果物ができた時点で作品への興味を失うタイプの人(次の脳内観察に移る)と、成果物が自分の理解通りかどうかを、他人に見せることで確かめたい人(評価を得たい≠褒められたい)、自分の理解と他人の理解が共通するかどうか気になる人とがいる。

2011-08-27 09:19:29
加藤AZUKI @azukiglg

できれば評価を得て、それ売ってお金儲かって、地位や名声を得て、というところに進んでいくと、脳内世界よりも外の世界の価値のほうが高くなるのだろう。脳内世界の旅人であることより、そちらのほうのウェイトが高くなった人や、元々高い人が、願望と成果物の品質が反比例しがちな原因はそれか。

2011-08-27 09:20:34
加藤AZUKI @azukiglg

そんなわけで、「自分には才能がないのではないか」と思ってる人は、他人の目を気にする前に自分の脳内をもっと旅しなさいよ、と。行為としての文章執筆や絵画というのは、「脳内を見る」という行為に他ならないと思う。

2011-08-27 09:23:07
加藤AZUKI @azukiglg

僕は同時に「それを如何に自分以外に見せるか」「読者を意識せよ」「読みやすさ、見やすさは重要」というような、完全に前言を否定するようなことも考えていて、これは商品としての文章を出版社に卸売りし、読者にお金を払って貰って、その成果によって商業的に生活している、という責任感から出ている

2011-08-27 09:24:49
加藤AZUKI @azukiglg

誰にも見せなくていいものだったら、どれだけ質を高めてもいいし高めるべきだけど、その成果物が売り物にならないことを嘆いてはいけない。成果物を商品として売り、対価を獲得したいと考えるなら、質を高めることは自分のためではなくて卸売り先、もっと言えば最終消費者のための作業になる。

2011-08-27 09:26:08
加藤AZUKI @azukiglg

自分のためか消費者のためかの優先順位が入れ替わっても、品質とモチベーションを維持できる人、或いは「脳内を旅する」ことを後回しにしない、それを自分だけの楽しみとして持ち続けられる人、成果物がどう売られるかについて、プロモーターなり画商なり編集者なりに委ねられる人が強いのかもしれない

2011-08-27 09:28:09
加藤AZUKI @azukiglg

そんなわけで、「あの人の脳味噌を見てみたい」ではなくてやっぱ、「どう見えているのかを知りたい」。ニュアンスyとしては僕にとっては似て非なる。ただ、人の数だけ脳内世界は違うし、他人の脳内を見る他人の目を自分のものにすることは現実には不可能だ。

2011-08-27 09:29:38
加藤AZUKI @azukiglg

その人の目で見えたその人の脳内世界を、その人が自ら文や絵で形作ったもの――要するに作品を堪能できることを次善の悦びとしたい。だからこそ、いいものを作る人がいいものを作れる環境作りに手を貸し、いいものをひとつでも多く「自分が見たい」という画商やパトロンや編集者の気持ちは共感できるw

2011-08-27 09:31:26
加藤AZUKI @azukiglg

晩年で化ける人もいますんで、成長が早けりゃいいってもんでもないです。書くネタが続くかどうかは勉強(ネタ、思考、哲学)次第ですが、より多くを吸収しないと「同じ所をぐるぐる回るだけ」になってしまいがちです。 RT @Toyo_ne: @azukiglg 加藤さん、どうか思うところを聞

2011-08-27 09:34:25
加藤AZUKI @azukiglg

最近の若い作家さん(ラノベとか)は皆デビューが早いのですが、若い頃でなければ書けない「人生最初の気付き」みたいなものが埋め込まれた作品は本当に凄いです。が、商業的に書こうと思うなら「自分の人生」を活写するだけだと多分すぐにネタが尽きます。 RT @Toyo_ne

2011-08-27 09:35:43
加藤AZUKI @azukiglg

量を書けても同じことの繰り返しになってる気がするのであれば、自分の世界を拡げることに時間を割いたほうがいいです。長く書いてると上達(自分としての充足)と自分が期待する外からの評価が乖離するので、そういうときも世界を拡げるのがいいです。 @Toyo_ne

2011-08-27 09:37:18
加藤AZUKI @azukiglg

ただ前述の通り「自分が納得するために書く」ことが優先なら「他人にどう思われるか(売れるかどうか)」はあまり重要ではない。「他人にどう思われるか」を考慮しないなら商業としては立ちゆかない。自分が納得しつつ商業としても立ちゆくっていう絶妙なところに立てるのは幸せな人 @Toyo_ne

2011-08-27 09:38:31
加藤AZUKI @azukiglg

下積みのバイト時代やファミコン攻略本のライターだった時代から数えて四半世紀この仕事やってますが、「やりたいことと求められることが同じ」「やってスッキリしたものが、商品としても売れる」って域にいる人ほど幸福な人はなくて、その域はなかなか到達できないってことでしょう @Toyo_ne

2011-08-27 09:41:29
加藤AZUKI @azukiglg

人間の「表現行動」は皆根底で繋がってますからねw創作活動と展示行動(スプレーであろうとプロモーションであろうとデモンストレーションであろうと)は、基本同じだと思いますお RT @kyarapon: @azukiglg 反**運動にも同じことが言えますわな

2011-08-27 09:42:51
加藤AZUKI @azukiglg

絵描きとか小説書きとか、作品からその人の精神世界に触れて、作品のファンから画家作家という人物のファンになるてのはよくある話。バンドもそうですな。ただ、作品がふんわり気持ちいいから、作者もきっと、と期待して作者の内面に近付きすぎると、イガイガした暗黒世界に飲まれたり幻滅したりするw

2011-08-27 09:45:41