ギガベース日誌 ほのぼの閑話「薬物汚染をやっつけろ」

再す誕ふ者ん🍜🍬 @hfsm_ABIDING

「おいはつ、えーと……照月。しっかりしろ馬鹿。お前の見てるその星は多分偽物だ。アサルトセルだ！間違いない。お前は病気だ。宇宙旅行にはもう行けねえんだよ！到達するな！戻ってこい！」 「違うの……違うのよ提督。星になるのは、照月の方……★☆」　#ギガベース日誌

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椅子を破壊しかねない周波数で振動しながら照月がそう言うと、立ち上る煙と器具に隠れていた食膳が姿を現す。 「お茶漬け……？」 「今はまだ、第一宇宙速度ッッ❤この濃度、この温度でセッティングすると、末端感覚の異常が即ちっ……生き残った感覚のアセンションを誘発するの❤」　#ギガベース日誌

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「味覚と性感帯が全直結しながらアサルトアンプみたいに増幅されまくってる今っ……こんなの、こんなの食べちゃったら……❤❤」 箸と茶碗をゆっくりと手に取る照月。 長年戦場を駆けたDfJの直感が告げる。これを"通す"のはまずい。そして横槍を入れるのはもっとまずい。　#ギガベース日誌

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生命体を怒らせる行為で、睡眠・食事・性交を邪魔する以上のものは存在しないのだから。 ただ見守るしかなかった。真っ当な目的で消費される事が叶わない哀れな米粒の群れが、抵抗もできずに深淵へ流れ落ちるその様を。 「お゛、んっ、ぎゅぅぅううううぅうぅっ！！！！！❤❤❤❤」　#ギガベース日誌

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照月は絶頂した。 「うわ」 「私……お茶漬けに犯されでるぅう゛のぅッッ❤神になれるかもしれないこの超次元の思考を全部、味覚と口腔内触覚で気持ち良くなる為に消費する最ッ高の背徳がっ……また効いてっくゥ……あハァあはアァァっッはーっ❤❤！！❤！❤」　#ギガベース日誌

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此処において、かえって当事者意識は希薄となった。 DfJはコジマ薬物の恐ろしさを再認識すると同時に、これを日常的に摂取しながら夢見心地に微睡む程度の反応しか見せていなかった羽黒の耐久性に感心していた。 「惜しい艦を死なせたもんだ……じゃない。なあ、おい伊良湖、おい！」　#ギガベース日誌

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「何でしょう」 「お前、こいつの……この有様はOKなのか。コイツ薬キメながらお前の飯キメてんだぞ！！朝の食堂で！！！」 「…………まぁ、美味しく食べていただけていますし、問題無いのでは？」　#ギガベース日誌

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「あーっ❤宇宙が、ちがう❤私が宇宙に行くんじゃなくてっ❤イッた私に宇宙が来るっ★頭ン中瞳だらけで、かっ飛びぃぃいぃいいいぃっ！！！！ングゥゥウウウウッッ！！！！！！」 「食堂が副流煙とこいつの体液まみれだろうが。環境に悪いもんばらまきやがって没収だこのヤク月が！」　#ギガベース日誌

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「ぁーあ゛ーッッッ！！領゛海゛侵゛犯゛！！」　#ギガベース日誌

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同時刻、食堂に続く廊下。 「いや、性能を否定している訳ではないんだが……やっぱりあのUNACを睦月姉さんと思うのはかなり抵抗があるな」 「同意する。にゃしぃとか言わないし。隙あらば開墾しようとするし」 「司令官も巻雲もアレでいいと言うのだから……ん？」　#ギガベース日誌

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UNAC睦月（新兵）についての議論を交わしながら歩く長月と菊月。 戦いの場において2隻には絶対的な隔絶が存在するが、武装を解除して立ち並ぶ姿は一般的な睦月型姉妹のあり様と大差無い。　#ギガベース日誌

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2隻は絶え間ない雑談を続けながら、広大な艦内を部屋から10分ほどかけて移動した後に食堂の前まで辿り着く。 そして、逆方向の角から、また同じように食堂を目指して来た艦娘とばったり出会した。 「っ……！」　#ギガベース日誌

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大淀だった。 「大淀か」 「……はぁー、おはようございます」 わざとらしく深い溜息を吐き出した大淀は、腰を少し引きながら上半身を前に倒し、細指連なる白磁のような右手でドアを開けたかと思えば、左手で長月達に入室を促した。　#ギガベース日誌

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まるで訓練された使用人の如く落ち着きと清廉さに満ちたゆったりとした所作が、口に出さずとも「立場は弁えていますのでお先にどうぞ」という意志を、わざとらしく嫌味を纏わせながら表明する。　#ギガベース日誌

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恐らく、大淀は他の艦娘と出会す事を避ける為に、早朝の食堂を訪れたのだろう。 その一連の所作と態度が、大淀を視認した瞬間から長月の眉間に刻まれた皺を、より一層に深いものとした。 「なんて顔してるんだ。入るぞ」 「……あぁ」　#ギガベース日誌

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財団との内通が暴かれた大淀の扱いについて、元第一艦隊の艦娘達の態度は二分化されていた。 大淀の戦力的価値とオーメル海域での的確な指揮を評価し、かつてと変わらない処遇で差し支えないとした加賀や北上。　#ギガベース日誌

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それに対し、直接の粛清に及ばずとも敵愾心を隠さず、消極的な敵対とでも言うべき態度で大淀を警戒する電や榛名。 長月は後者の側だった。 「そう朝から酷い顔をするな」 「頭ではわかっているのだがな……何だ？！火事か！？」　#ギガベース日誌

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白煙立ち込める異様な光景に立ち止まる2隻。しかし、それを気にも留めずに厨房で働く伊良湖と、白煙の中から聞こえた罵声と絶叫が、これが尋常の事態ではないとすぐに長月達に理解させた。 「離せ！あー！やめっ……没収だと言ったろうが！！！あー！！！！」　#ギガベース日誌

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「今始まろうとしてたのにッ！！！照月がずっと胸に描き続けてたストーリーがっ！！！」 「司令官？！」 「誰か……っていうか照月か。と取っ組み合ってるな。助けるか？」 「無論だ！うちの艦娘と全身ボロクソ人間の司令官がやり合って勝てる訳がない！また車椅子送りになるぞ！」　#ギガベース日誌

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横須賀攻略を控えているというのに、こんなところで最高戦力を寝たきりにさせるわけにはいかない。 使命感に駆られた長月は食堂に常備されている消火器を手に取り、テーブルをジャンプで渡りながら現場に飛び込んだ。 「大丈夫か、司令官！！」　#ギガベース日誌

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長月は煙の発生源と照月の顔面に向けて迷いなき消火器噴射を実行。悶絶絶頂しながら倒れ伏した照月を、部屋の隅まで蹴り飛ばす。 「司令官？！返事をしろ！！司令官ーーーッ！！」　#ギガベース日誌

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「……という事が、今朝あった」 「それって照月が羽黒さんの遺品拾ってラリっただけじゃない！その道具？を隠しておけば終わりじゃないの」 「これで終わったのなら、司令官もこんな命令を出さなかっただろうな。それから5時間ほど経って、今日の昼前の話だ……」　#ギガベース日誌

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「あーーっ！やめてくださいアイオワさん！建造システムに変なものを入れないでください！困ります！！」 「お砂糖、スパイス、素敵なものをいっぱい。全部混ぜてむっちゃ可愛い女の子ができない筈が無い。そしてその本物を私が殺す」 「母国語抜けてんぞ重症だ！鎮静剤ーっ！！！」　#ギガベース日誌