西洋政治哲学史～主役級の哲学者16人を一気に紹介

はるかかなた @isawmydevil

西洋政治哲学史、というハッシュタグで数十人ほど政治哲学者をつぶやいていきます。もし誰かに興味を持っていただけたら嬉しいです。 #西洋政治哲学史

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【1人目】ソクラテス。古代ギリシャの哲学者。鬼神の電波を受信し、自らの知らざるを知り、そこらへんのインテリを論破しまくった結果訴えられ死刑になったヤバい奴。しかし彼の死は哲学をつくった。そしてお弟子さんに恵まれた。奥さんは、怖かった。 彼は人間は"善く生きること"が大事だと説いた。

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【2人目】プラトン。ソクラテスの弟子。彼の哲学的人生は、尊敬する師を抹殺したアテナイ民主制に対する復讐によって幕を開けた。衆愚政治を恨み、哲学者が王となる社会が理想だと唱えた。生涯多数の著作を残したが、師匠が好きすぎて本の主人公がほとんど師匠になるほどだった。彼も弟子に恵まれた。

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【3人目】アリストテレス。プラトンの弟子。復讐に狂った師匠とは違い、ポリス（都市国家）を中心に据えた現実的な政治哲学を構築した。人間は言語を持つため意思疎通が取れる点が動物と決定的に異なる。しかししゃべれるだけではただのアホなので、ポリスという外的装置が善き市民をつくると説いた。

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【4人目】リウィウス。共和政ローマの人。彼は歴史家だった。142巻に及ぶ「ローマ建国史」を執筆した。カエサルが破壊した共和政ローマが懐かしくて仕方なかったからだ。のちに彼が描いた共和政ローマに憧れた近世人が近代社会の基礎をつくる。歴史家が政治をつくることを証明した人だった。

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【5人目】キケロ。共和政ローマの政治家。文人なのにあの最強カエサルのライバルを自任していた。しかしペンは剣には勝てなかった。いや。カエサルがペンも剣も使えるチーターだったのが悪かったのだ。彼は共和政の美点を説いた。要するに王のいない社会だ。ちなみにライバルの息子に暗殺された。

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【6人目】パウロ。帝政ローマのキリスト教徒。ユダヤ人の家に生まれ、当初キリスト教を迫害するが、ある日突然イエスからの電波を受信し、キリスト教徒に改宗する。このとき目から鱗が落ちたことが今日使われる慣用句の語源と伝わる。巡教に熱心で、キリスト教が世界宗教となる礎を築いた。政教合体。

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【7人目】アウグスティヌス。ローマ時代のキリスト教父。ローマ人だがアフリカ出身。当時のローマ帝国がいかにグローバルだったかが痛感される（そして植民地出身でも活躍できる社会だった）。なんと彼は国家は強盗と変わらない（国家強盗説）と唱えた。従って真に権威があるのは教会だと説いた。

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【8人目】ボエティウス。ローマ末期の哲学者。中世ルネサンス期に知識人は古代ギリシャ哲学書を読み漁ったが、なぜ彼らは古代ギリシャ語を読めたのだろうか？それはボエティウスが古代ギリシャの重要哲学書をラテン語に翻訳したからだ。おかげで1000年後の西洋人はギリシャ語を学ばずに古典が読めた。

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【9年目】トマス・アクィナス。13世紀の神学者。1000年以上前に生まれたパウロは目から鱗が落ちるほどキリストの威光に敬服していたため、人間は罪深い生き物だと考えるネクラだったが、アリストテレス哲学の流れを組む彼は「人間は社会的に生きる価値のある存在だ」と考えた。法が重要だと説いた。

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【9人目】であった。まだこのシリーズを書き始めてから2時間も経っていない。

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【10人目】マキャベリ。ルネッサンス期の政治家。『君主論』の著者として有名。なんとなく狡いイメージがあるが、彼は国家の概念を大転換させた。国家は王様のものだと思いがちだが、彼は王様よりも『国家そのもの』が大事だと説いた。そのため彼は王に国内の混乱を整理し秩序をもたらすことを求めた。

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ちなみに彼の「愛されるよりも、恐れられたいマジで」という名言は、Kinki kidsの名曲の元ネタとして有名である（ほんまかいな）。

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【11人目】ボダン。マキャベリが死んだ後生まれた人。彼が生まれた頃、中世欧州は宗教内乱の嵐だった。このため彼は、社会秩序をもたらすためには宗教的権威よりも政治的権威（王）の方が優先するという『主権国家論』を唱えた。国家は法律よりも宗教よりも強い。ボダンは国家に絶対的な力を与えた。

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【12人目】ホッブズ。17世紀英国の政治哲学者。当時のイギリスは王権と議会が難しいバランスで対峙していたが、世界最強のスペイン艦隊に攻め込まれる母国を見た彼は「国内で喧嘩してる暇とちゃうで」と考え、王に権力が集中する政治理論を構築した。社会契約論であるが、詳細はルソーの回に譲る。

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【13人目】ルソー。18世紀仏国の人。宗教支配の強い時代、「世界と国家は神がつくったんやろ」くらいにのほほんと考えられていたが、ホッブズは「国家は市民間の契約によってつくられた」と唱えた。そしてその支配者は王様でいいでしょ説だったのだが、ルソーは支配者は市民その人であるべきと説いた。

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ルソーの主張を聞いた民衆は元気が出て、なんとクーデターを起こして王を死刑にしてしまう。フランス革命である。ルソーが登場するまで、「市民は王様よりも偉い、市民には国を統治する正当な支配権があるのだ」なんて発想は思いも寄らなかったのである。

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【14人目】ロック。17世紀英国人。彼はホッブズ的な王権理解を「自然法」という概念を用いて批判した。神は人間が生きるために万物を共有物として与えたが、人間は労働によってこれを自分の所有物にできる。それが神の思し召し（自然な法）だとして、王よりも市民の所有権が優先する説いたのだ。

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簡単にいうと「俺のものは俺のもの、お前のものはお前のもの」という王様のジャイアニズムを、「いや私のものは私のものでしょ」と論破したわけである。この論破王のおかげで、現代人には当然の「働いてえた財産は自分のものだ」という感覚が植えつくことになった（学校で教えてもらっただろうか）。

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【15人目】ヘーゲル。19世紀ドイツ人。彼の政治哲学はフランス革命の反省にあった。市民が革命を起こした結果、恐怖政治の嵐が吹き荒れた。「やっぱり素人に政治を負かしてはあかん」。そう考えた彼は、市民が主役の市民社会と国家はまた別物だとして「やはり国家は王が統治するべきだ」と唱えた。

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しかし彼は手放しで王の支配権を許容したわけではない。立憲君主制といって、王といえども法律によって権力の制約を受ける政治体制を理想とした。ヘーゲルによって国家が市民社会の上位概念として考えられるようになり、今日的な強大な権力を持つ国家装置が生まれるようになった。

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【16人目】マルクス。19世紀の西洋は産業革命を経験し、都市のスラム化が社会問題に。今まで15人の政治哲学者を紹介してきたが、先輩たちが構想した社会って結局ダメやん！と一念発起し革命を夢見るようになる。彼はこれまでの政治哲学者が「階級」と「富の偏り」の問題を解決しなかった点を批判した。

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マルクス「革命の時間だ！　万国の労働者よ、団結せよ！」🥳

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…というわけで、西洋政治哲学史の重要人物16人を足早に紹介した。私達の住む社会は、先人たちが少しずつ「ああでもない、こうでもない、こうちゃうか」という試行錯誤が積み重なって、いわば地層のようにこんもりと盛り上がっている。私の投稿が社会の成り立ちに興味を持つきっかけになったら嬉しい。

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こっそりと#をひとつ追加する。 #哲学