皇后陛下雅子さま。雅子さまが米国でハーバード大学にて優秀な成績を収めたことは広く知られたことですが、実はその在籍校を巡って聊か日本人には不明確なところがあります。その不明確なところをついて、アンチが「雅子は学歴詐称をしている」「小室圭と同じだ!」などと現在も攻撃しています。
その在籍校、ハーバード大学とラドクリフ大学について、Rosa rugosa@Rosa_rugosa_6さまが述べておられます。今回、その貴重なツイートを纏めさせていただきました。
日本人には知られていない、米国の女子高等教育の歴史です。
![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラドクリフ大学は男子校しかなかった時代に女子にも同等の教育を与えようという理念でハーバード大学の教員らによって創立された女子大学。 教員や授業内容はハーバードと共有するが組織上は別。 寮も離れておりラドクリフ生はハーバードのキャンパスまで通っていた。(けっこうな距離だった) つづく
2021-10-23 17:51:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラドクリフ側は実績を積んで女子学生のハーバードへの直接入学を実現しようという熱意を持っていたがハーバード側が抵抗し、入試においては同一試験を課しながら授業以外の活動での交流を禁じた。 またラドクリフ生(女子学生)の上限人数を厳しく設定し、その制限は「非合併合併」まで続いた。 つづく
2021-10-23 17:51:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラドクリフの学生たちはハーバード大学での学問への探究と、ラドクリフ大学の少人数の女子大学特有の静かで平和で友好的な生活を楽しんではいたが、ハーバード生との格差や差別的待遇には複雑な思いを抱いてもいた。 50年代のラドクリフ生は知的水準ではハーバード生を凌ぐ存続であった。 つづく
2021-10-23 17:51:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
60年代に起こった男女共学運動で、ハーバードの男子学生と全く同じ授業を受けて学んでいるのにラドクリフ名義の卒業証書(学位)が授与されるのはおかしいと問題提起され、ラドクリフの証書にはハーバードとラドクリフを併記する形式となる。 同時に課外活動の統合や学生寮の共有化も開始された。つづく
2021-10-23 17:51:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラドクリフには学習意欲が高く知的で独立心のある女子学生が多く、ハーバード生よりも学業成績も優秀であると評価が非常に高かった。 またOBのラドクリフ卒業生としての自負も高く、ハーバードとの合併でラドクリフの名称が消える事への抵抗も小さくはなかった。 つづく
2021-10-23 17:51:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
他方のハーバードも教員や学生の中には女性蔑視の風潮が根強く残っており、ラドクリフ生を不当に扱う事例も多かった。 そのため合併か単独存続かの論争が続いた。 ラドクリフには約100年の歴史の中でキャンパスや学生寮などの所有施設や資産も多く、それらの今後の扱いも問題となった。 つづく
2021-10-23 17:51:22![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラドクリフを残す「非合併合併」が実施されたのが1977年。 以後両校の入学事務局は統合され、女子学生の人数制限は撤廃。 女子学生はラドクリフへの入学を通じて完全にハーバード大学に入れる事となり、学部名称は「ハーバード大学とラドクリフ大学」「ハーバード大学ラドクリフ大学」となった。つづく
2021-10-23 17:51:22![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラドクリフは自治機関として女子学生の地位向上などのフォローや就学支援と研究機関としてのみ存続するが学長もキャンパスも存在し続けるという複雑な状態となった。 しかし、時代の流れと共にハーバードとラドクリフの名称を重要視するような風潮もなくなり「完全合併派」が多数派となった。 つづく
2021-10-23 17:51:22![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラドクリフ大学は1999年にハーバード大学に完全吸収され消滅し「ハーバード大学」となり、学長はラドクリフ高等研究所の学部長となった。 しかし「非合併合併」から完全吸収されるまでの間にハーバードで学んだ女子学生にはハーバードとラドクリフの両学長が署名した卒業証書(学位)が授与されている。
2021-10-23 17:51:23![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
皇后陛下のハーバード御入学は1981年。 「ハーバード大学ラドクリフ大学」時代です。 男女同じ試験を受けて、合格した男子学生はハーバード大学、女子学生は形式上ラドクリフ大学に入学する事でハーバード大学に入学していました。 授業や学位審査などの運営は全て男女共にハーバード大学です。
2021-10-23 18:12:46![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラドクリフは「非合併合併」以前からずっと寮運営や部活動、サークル活動、文化行事など、学部講義以外の諸事を管轄し、女子学生がハーバード大学で学べるようにするためだけに存在している大学でした。 女子学生の枠を拡げて貰うために、ハーバードへ施設などの寄贈も行っていたようです。 つづく
2021-10-23 21:47:08![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
皇后陛下が在学されていたのは先に述べた「ハーバード大学ラドクリフ大学」時代なので女子学生はハーバード大学ラドクリフ大学に在学となります。 受験はもちろん講義以外の活動や行事も含め完全男女共学で学位審査もハーバード大学が行います。 なので卒業論文はハーバード大学宛となります。つづく pic.twitter.com/yVFfaMIken
2021-10-23 21:47:10![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
誤解のないように補足しておきます。 ラドクリフ大学の授業は設立当初はハーバードと同じカリキュラムを別教室で受けていました。 1943年の合意で授業のみ男女共学となり、63年からはラドクリフの卒業証書にハーバードが併記されました。 つづく
2021-10-24 02:11:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
共同化作業は1972年に始まり、寮や部活動が順次統一され、77年に学部生の女性を完全にハーバード大学に置く共同署名に調印し(「非合併合併」)以後はラドクリフ大学は自治機関のままで補佐的役割に専念し、名目上の入学のみを維持する形となりました。 つづく
2021-10-24 02:35:46![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
入学試験はラドクリフ創立初期はハーバード大学と同一でしたが途中で独自形式となり、1977年以降は入学事務局ごと統一し、「ハーバード大学ラドクリフ大学」で一本化されています。 したがって、77年以降は「ハーバード大学」「ラドクリフ大学」名での単独の募集はありません。 つづく
2021-10-24 02:35:46![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
では、なぜそうまでしてラドクリフ大学を残す事にこだわったのか。 1970年代は女性の権利が今ほど確立されておらず、今まさに女性開放運動が始まろうとしている時期に一流の女子大学を廃止するのは時期尚早であるとラドクリフのOB会が強固に主張したからです。 つづく
2021-10-24 02:35:47![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
しかし、時は流れて「ハーバードの後に付いてるラドクリフって何?」という時代が来ました。 女性にとって嬉しい事です。 そして1999年、ついにラドクリフ大学はハーバード大学に完全吸収されました。 ラドクリフ大学はラドクリフ高等研究所に発展して現在も女性の保護と地位向上に寄与しています。
2021-10-24 02:44:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
皇后陛下がハーバード大学に在籍されていたのは完全共学化後間もなくの頃で、女子学生が一番熱く燃えていた時期です。 きっと刺激的で探究心に満ちた素晴らしい学生生活を送られた事と思います。 そんな中で卒業時にはMagna Cum Laudeを受賞された皇后様、本当に優秀で素晴らしい方です。
2021-10-24 03:38:30