中世~近世ヨーロッパにおける銃と鎧と騎兵について
かつての、槍を持った騎士やメン・アット・アームズたちは、その社会的地位や武器の性質からも、ある程度身分の高い余裕のある階層や、わざわざ招集されたり、専門的に働けるほどの傑出した能力(特に同時代の兵士たちから見れば)が求められました。 さらに軍馬も重武装や身分を反映して、高額な
2021-03-17 23:14:17良い馬(槍という武器の性質や立場からしても)が必要でした。 反対に短銃騎兵は比較して粗野な馬や人材であっても運用でき、コスト的には安くしかも人員を大量に動員出来ました。
2021-03-17 23:17:44これらの異なる性質を持つ騎兵を運用するとき(同時代に存在した、というには少し時代が前後してますが)求められたり実行できる隊形にも当然違いが出ました。
2021-03-17 23:21:46結局、短銃を用いるには縦深の深い縦列が成功し、この場合騎兵はたいてい敵にゆっくりと速歩で近づき(隊列を崩さずに保つため)本当に最後の瞬間に思い切り拍車をかけました。 このため、歩兵隊との協同もやりやすいものとなり、パヴィアの戦いなどでは、この形式の活躍が見られています。
2021-03-18 00:00:58@boots_fleck1 @18kincsem78 そうか!騎兵は突撃できないと戦列崩せないから短銃騎兵じゃ意味ないのか! これは盲点だった!そして「銃の音にウマがビビる」も言われてみりゃあ当然だわ…… なっ、なるほど……
2021-12-12 03:00:36@Panzer_04 @18kincsem78 まあ、短銃騎兵が廃れたのには一口で言えない広範な理由があります。 また、陣形を崩すせないかどうかもケースバイケースです。 例えば短銃騎兵でも、銃兵の支援を欠いた歩兵を打ち破った例はいくつかあります。 それはドルーの戦いとピンキー・クルーの戦いです。
2021-12-12 03:07:54@Panzer_04 @18kincsem78 これらで、短銃騎兵は騎兵に対してだけでなく、歩兵に対しても一時期には勇名を馳せました。 しかし、これらの戦例はともかくとして、西欧人の求めた騎兵は、結局の所は白兵を行う騎兵であったということです。 全ては、そこに回帰していくのです。
2021-12-12 03:09:32ドルーの戦い - Wikipedia
@boots_fleck1 @18kincsem78 第一次大戦で機関銃でなぎ倒されるまではなんだかんだ西欧人には中世騎士物語への憧れみたいなモノはあったみたいですしね しかしドルーの戦い、Wikipediaに(モンモランシーもコンデ公も無能であった)とか書かれててかわいそうになる
2021-12-12 03:12:29@Panzer_04 @18kincsem78 白兵に至るに、騎兵にとって良い隊形とは何か、良い武器とは何かなど様々な検討や実験があり、これに別系統で検討・実施されていた(ドルーなどで成果もいくつか挙げた)短銃騎兵が加わりました。 両者は合体しましたが、やはり西洋人が傾倒・傾注していくのは白兵襲撃で、
2021-12-12 03:20:47@Panzer_04 @18kincsem78 それが重点的に検討されるようになります。 投射兵器である短銃は、様々な必然性や必要性から重用されましたが、結局白兵襲撃の補助に過ぎなくなります。 簡単に言うと、こんな感じです。 様々な理由はあれど、騎兵が近代に向けて組織化され、運用出来るようになるまでは色々あったのです。
2021-12-12 03:22:19@Panzer_04 @18kincsem78 そして合流の結果、突撃前に一発撃ち込んだら用済みぐらいの地位になった短銃は、すぐに様々な都合からこんなんいらんとばかりに扱われ、登場&普及した時と同じくらいの速度で姿を消していきます。
2021-12-12 03:44:10@Panzer_04 @18kincsem78 あと一応、短銃騎兵の時代にも、ユグノー戦争のこの頃(16世紀半ばくらい)にはまだデミランサーなど槍騎兵は生き残りがいました。 しかし、直後に消え去ります。
2021-12-12 03:50:00@boots_fleck1 @18kincsem78 なるほど…… 近世というかナポレオン戦争期以前の銃運用なんかは割りとさっぱりで通り一遍のことしかしりませんでしたが、大分試行錯誤が起きてるんですねぇ
2021-12-12 04:22:26これらに関連して、ランスが後世に想像するような絶大な威力を持つのは、中世後半になってから(正確にはランスレストが産まれ、プレートアーマーが出てから)ですね。 それまでは装備の一つに過ぎず(もちろん、活躍はあったのですけど)、歩兵の躍進と弓兵の活躍によって堅い鎧が登場し、 twitter.com/boots_fleck1/s…
2021-12-12 11:42:38また、ロングボウ対策に板金鎧が発達した、ともいいましたが。 これは結果的な話であり、13世紀末からバノックバーン、クルトレ、クレシー、モルガルテンなどの騎士以外の戦力が活躍する戦例が地形や環境の助けなどもあり、現われてきます。 これらの例では、クロスボウなどロングボウなど twitter.com/boots_fleck1/s…
2021-12-11 23:24:21より洗練され緊密になった敵を撃破するに迫られたとき、ランスと甲冑が重要な要素となったということですね。 ランスも、最初から西欧騎士たちの象徴であったわけではなくて、利用できる武器の一つであったところから、戦場の変化に応じ、徐々に普及&重要化して最終的にイタリア戦争へというようなと
2021-12-12 11:42:39ころだと思います。 まあ、私が中世の歩兵だったら、ランスレストとか全然関係なく、馬に乗った騎士に向かってこられる前に逃げますけどね。 怖すぎですよ。
2021-12-12 11:42:39@Panzer_04 @boots_fleck1 すみません、昨日の投稿から寝落ちして、いまようやく追いつきました。火縄銃が一般人をすぐ兵士にできる点、銃声が相手の兵卒や馬に与える心理的影響については『ドリフターズ』や『軍靴のバルツァー』でも言及されてましたね。 また日本との比較になって恐縮ですが、日清日露や軍事演習でも
2021-12-12 10:58:56@Panzer_04 @boots_fleck1 日本在来馬たちは砲声に驚き、とても戦争に使えたレベルじゃなかったそうなので、騎兵と銃の組み合わせは発砲音に馬を慣れさせたり、馬上という不安定な状況から敵を狙える兵士を育てるコストに対して損耗のリスクを考慮した場合、とても割に合わないものだったのかなあと思います。
2021-12-12 11:03:45@18kincsem78 @Panzer_04 むしろ、かつての重装備の槍騎兵のほうがコスト高かったですよ。 槍と甲冑と短銃のそれぞれのコストの差、重装備の槍騎兵に求められる人材と優れた馬など、槍騎兵の運用コストの高さときては凄いものがありました。
2021-12-12 13:14:59@18kincsem78 @Panzer_04 短銃の前に絶滅した騎槍、短銃を使用する上で生まれた戦術と教練と兵の質、硝煙や騒音による軍馬への影響、火器の普及で廃れた鎧、武器や兵科ごとのコストの問題、諸国家の環境や精神背景や文化や経済力、戦場への様々な身分階層の流入など様々な理由があるのです。 そして剣を持った近接騎兵へ……。
2021-12-12 13:16:31@18kincsem78 @Panzer_04 16世紀には一般的に騎兵の価値は下落したなどというイメージがあるかもしれませんが、種々の環境の変化に応じて、より軽武装(以前と比較して)になりつつ、より低コストかつ戦場の細かい専門的な役目をこなせる騎兵が求められ登場したため、軍隊
2021-12-12 13:16:52@18kincsem78 @Panzer_04 における騎兵隊の価値は実際には低下などしていなかった。 むしろそれどころか、三十年戦争が終わっても騎兵の価値は常に重いものであり、17世紀(テュレンヌ元帥の時代)に至っても、一般的に会戦を決するのは騎兵であると考えられていました。
2021-12-12 13:17:02@18kincsem78 @Panzer_04 まあ、このへんは近世騎兵の神様が買いた本があるので、それを読むと腑に落ちます。 それから、ホール先生の本を合わせて読むと最高ですね。
2021-12-12 13:18:12