茂木健一郎さん連続ツイート2011年9月

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茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「天才という現象は、神の概念と深くかかわる」ことについての連続ツイートでした。

2011-09-05 07:13:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(1)ぼくは、一度何かを始めるとずっとしつこくやることがある。例えば「走る」こと。小学校に入った頃、突然思いついて校庭をぐるぐる回って以来、ずっと走り続けている。ジョギングしていて見かける人の数から推定すると、世の中の人がみな走っているわけではないらしい。

2011-09-06 07:51:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(2)走るときは、絶対にかたちから入らない。Tシャツはふだんのそのままだし、短パンも靴もぼろっちい。靴に至ってはぼろきれのようである。そんな格好で、突然走る。「たまたま走っています!」という感じで走る。リュックを背負っている時も、電車に間に合いそうもなかったら走る!

2011-09-06 07:53:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(3)黛まどかには、「走っているのに、よくその体型が維持できるわね」と皮肉られる。たしかに腹の上のぽにょではあるが、内的な身体のつくりは違っていると思う。そんなによく働けますね、と言われるが、ずっと走り続けていることで、基本的な身体の勢いが定着しているのだろう。

2011-09-06 07:54:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(4)身体も、脳も、一つの自然であり、「手入れ」をつづけることでじっくりと形づくられていく。たとえば、「英語脳」は一日にしてはできない。毎日しつこく接していることで、次第にフラクタル的持続可能な成長が実現できる。愚直にあきらめないことが、一つの才能になる。

2011-09-06 07:55:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(5)小学校から中学校にかけて蝶の研究で学生科学展に出し続けた。「またあの子出ているよ」と呆れられた。続けていると、だんだん違う研究課題も見えてくる。十五年前にたどり着いた「クオリア」も同じで、「まだやっているよ」と言われても、しつこく考え続ける。

2011-09-06 07:56:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(6)「クオリア」については、ライフ・ワークと考えており、「あいつまだやっているよ」と呆れられても、考えていればそれなりに新しい展開もある。頭がクオリア脳になっていくのだろう。「最近言わないな」と思われても、自分の中では絶対にやめない。小学校の蝶の研究と同じだ。

2011-09-06 07:57:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(7)「不易流行」といって、確かに人生には「流行」もある。一時的に盛り上がって、消えていってしまうもの。肝心なのは「不易」をいかに設計するかであって、それは出会いでもあるし、ある程度は自分の選択、決断でもある。これと決めたら、ずっと続けていくんだよ。

2011-09-06 07:58:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(8)長年にわたり小林秀雄さんの担当編集者だった池田雅延さん。池田さんに、小林さんは常々「池田くん、ゆっくりなんだけどね、絶対に止まらない船のエンジンというのがあるんだよ」と話されていたという。絶対に止まらなければ、時間がかかっても、いつかは目的地の港につく。

2011-09-06 08:01:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

つか(9)「犀の角の如く独り歩め。」と言ったのは、仏陀だった。続けていることで、変わってくる。まわりから「まだやっているよ」と言われても、ずっと続けていることで、年経た樫のようになってくる。人生という、old fashioned love song。死ぬまで変わりはしない。

2011-09-06 08:02:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「続けることで、変わってくる」ことについての連続ツイートでした。

2011-09-06 08:02:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(1)自分のドメインをとってホームページを立ち上げたのが1998年。ブログ(最初は「日記」)を書き始めたのが1999年。ネットとの本格的な付き合いも10年以上。いろいろなメディアを使ってきた。続くものもあれば、自分の中ですたれてしまうものもある。

2011-09-07 06:06:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(2)いろいろなメディアを、すべて自分で試してみて、結局は「脳の快楽原理」で選択している。メルマガ、メーリングリスト、掲示板、SNS、ツイッターなどいろいろ使ってきたが、ツイッターは今のところ一番気に入っている。そこに最良の快楽があるように感じるからだ。

2011-09-07 06:08:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(3)ツイッターは、ミーム(文化的遺伝子)の熾烈な淘汰の場になっている。面白いアイデア、インパクトのある言葉があれば、あっという間に広がる。アンディ・ウォーホルの言った「15分間の名声」を誰でも持ちうる現場なのだ。

2011-09-07 06:09:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(4)mixi, facebook, google+などのSNSは、現実世界の関係性との類似の上にあり、結びつきはよりウェットで、閉じていて、親しい。一方、twitterはより脈絡がなく、文化的遺伝子の内実だけが問題になる。そのドライな雰囲気が、ぼくがネットに求めるもの。

2011-09-07 06:10:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(5)ツイッターの機能は、脳の前頭葉に似ている。何に注意を向けるか、その切り替えが高速に行われている。ネット・アスリートとしてその偶有性の海に身をさらすのが快感である。まったりとしたSNSの関係性よりも、疾走しているその感覚がむしろ心地よい。

2011-09-07 06:12:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(6)もちろん、ツイッターは炎上したり、誤解、誤配達したり、曲解されたりもする。そのような「悪意の侵入」のリスクよりも、社会の通常の関係性を超えた発見、結びつきの快感の方が強い。SNSが防護服を着ているとすれば、ツイッターは、裸で空気を切って疾走するようなもの。

2011-09-07 06:13:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(7)短い文章で何かを表現する。そこに、不思議なことに人物が現れる。ツイッター上で、文章だけを見て、この人は面白い、フォローしてみよう、と思うことが時々ある。そのような文脈を超えた出会いが、ツイッターというものの魅力である。

2011-09-07 06:15:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(8)ツイッターは、マスメディアのような寡占を前提とした情報支配には、決して至らない。いつどの時間をとっても、さまざまな志向性を持ったテクストが飛び交っている。その多様性もまた、心地よい。なぜならその方が私たちの住むこの宇宙の実相に近いからだ。

2011-09-07 06:17:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねか(9)ネットはどうせ現実とは異なるのだから、快楽原理を徹底的に追求してよい。容赦なくてよい。アスリートとして、切り結べばいい。安らぎは、ネットから離れて椅子で目を閉じれば得られるのだから。思い切り、偶有性の嵐の中に、自分を浸して始めて見えてくるものがある。

2011-09-07 06:18:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「ネットは快楽原理で選ぶべきである」ことについての連続ツイートでした。

2011-09-07 06:18:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

かの(1)「アスリート」という生き方が私たちを惹き付けるのは、自分自身の身体で引き受けて、逃げもしない、言い訳もしないその潔さであろう。何を言っても、結局なにをなすかが全て。他人のことに口を出す人ばかりの現代社会で、その生き方はまぶしい。

2011-09-08 06:51:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

かの(2)アスリートたちは、自分の限界に挑戦し続ける。その中で、黄金の言葉をつかむ。たとえば、「身体の限界よりも、脳の限界の方が先にくる」ということ。私たちは、もてる力の100%を発揮していない。70%くらいでお茶を濁して、これがぎりぎりだなどと自分を騙している。

2011-09-08 06:52:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

かの(3)なぜ、自分の100%を発揮しないのか。それは、一つの安全装置だろう。身体能力だけではない。認知においても、あえて全力を出さないことで、バランスを保つ。自分の全力を出すことをおそれる働きが、 私たちの心の中にはある。知らないうちにリミッターに支配されている。

2011-09-08 06:54:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

かの(4)課題になるのは、いかに「リミッター」を外すかということ。自分にはここまでしかできないという思い込みから自由になるか。そのためのさまざまな方法論を、アスリートたちは編みだしている。その求道精神は、世界記録やメダルを追うわけではない私たちにも、参考になろう。

2011-09-08 06:55:07
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