天才・成田助教授とひろゆきが語る、「民主主義はもう限界」は本当? ――メタバース、全体主義、優生思想、GDP指標の限界について
「データは現代の石油」というような言葉があるが、「情報化社会」では、統制的なメディアはうまくいかないと考える。「計画経済」と並行した、「計画報道」は失敗する。
2022-01-08 21:52:13成田氏が示した、もうひとつの方向、インターネットのコミュニティを活用する、というのは有力だと思う。が、これも注意が必要だろう。どういうことだろう?
2022-01-08 21:53:51それから、ネットのコミュニティというと、今流行の「メタバース」のような、バーチャルな方向に行きがちだ。が、リアルと連動したタイプのものもアリだと思う。
2022-01-08 21:56:31動画での成田氏は、「物理的な空間にひもづかせるのは、もはや無理」という見解のようだ。メタバースが流行りだから、その感覚は分からなくもない。が、私は物理空間は捨てたものでもないと思う。なぜか?
2022-01-08 21:57:50たとえば、「地域通貨」というのが、物理的空間をベースにしていることと並行している。仮想通貨が流行しているから、地域通貨がオワコン、とは必ずしも思わない。
2022-01-08 21:58:41なぜ、物理空間なのかといえば、それがグローバル化に対するローカル化だから。それにそもそも、「日本」という国家の枠組みも、ベースは「領土」という物理空間ではないか?
2022-01-08 22:00:44成田氏のような頭の良い人は、メタバースとかの流行を見て、「物理空間はオワコン」みたいな印象をお持ちかもしれない。が、そもそも「日本」だって、まずもって「島国」という物理空間がベースだろう。
2022-01-08 22:02:27それで、民主主義とメディアの関係についての話に戻ると、今までの民主主義も、活版印刷→新聞とか、電波放送→テレビとか、情報技術の発展と深く関係してきた。
2022-01-08 22:05:50しかし、メタバースに対しては不信感がある。なぜか? それは、メタバースを開発・運営する、プラットフォーム企業が、一元的に情報統制できる環境だからだ。
2022-01-08 22:10:58しかし、メタバースの場合、まず「バーチャルリアリティ(VR)」技術によって、体感度が上がるから、信じ込ませやすい環境があるのではないか、というのがひとつ。
2022-01-08 22:13:01で、そういう風に一元化されると、BANされるデメリットが大きくなるから、言論統制しやすくなる。現に今のSNSでも規制はあるが、そこに生活も人質に取られるのだから、なおのこと自粛が進むだろう。
2022-01-08 22:16:18そして、VRに対するAR(拡張現実)は、物理空間を拡張するもので、現実の残余があるから、「現実に逃げる」余地がある。「現実逃避」を逆転させた「虚構逃避」だ。
2022-01-08 22:17:55民主主義の話に戻れば、メタバースを警戒するのは、「情報空間における、感染爆発の防止」みたいなイメージだろうか? 情報空間での「密」を避けるということだ。
2022-01-08 22:20:31民主主義はひろゆきが言うような「みんなが理解できないから、成立しない」というものではない。ひとりひとりは、全体の百分の一しか理解できなくても、微分積分的に分解・統合することで、全体としては成立する。
2022-01-08 22:23:19「微分・積分」を学ぶと、微分の接線がたくさん引かれている図、積分の細長くスライスした長方形をつなぎ合わせて曲線を再現する図を見たことがあるかと思う。
2022-01-08 22:24:41同様に、細かくスライスされた票を足し合わせて、複雑な社会を再現するのが民主政なので、ひとりひとりが全体像が見えなくても成立する。それは、アダム・スミスの「神の見えざる手」と同じような仕組み。
2022-01-08 22:26:23むしろ、陰謀論とかヘイトとか、単純な構図をみんなが信じる方が、全体主義につながる。だから、全体を理解していると思いこむ、不完全性を捨ててしまう方がより危険になる。
2022-01-08 22:28:22この辺、成田氏の言う「憲法は理想を追求するものではなく、むしろ理想を追求する国家の暴走を抑制するもの」という論理構造と共通している。
2022-01-08 22:36:51民主主義というのは、「みんなが正しく理解できる」、という理想を追求するものではない。むしろ、全体主義的な「最悪」を回避するための仕組みなのだ。
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