比喩というのは比喩「に過ぎない」のではない

沼田和也（王子北教会牧師） @numatakazuya

祈りが神に聞かれない（聞いてもらえない）という電話を受けていた。「イエスは友である」と教わったが、そう思えないと。その人は孤独な人生を送ってきたので、親しい友というリアルなイメージが分からない。だから友なるイエスと言われてもなんの実感も湧かない。

沼田和也（王子北教会牧師） @numatakazuya

以前に、父親から虐待されて育った人がわたしに、「どうしても『父なる神よ』と祈ることができない」と言ったのを想いだしていた。「神を父と呼ぶのは伝統的な比喩なんですよ」と答えたとして、どんな意味があるだろうか。その人にとっては「父」という響きに血縁の父がこびりついて離れないのだから。

沼田和也（王子北教会牧師） @numatakazuya

比喩というのは比喩「に過ぎない」のではない。比喩からなんらかの具体的なイメージが広がる。その「なんらか」の部分が本人にとってトラウマ的な傷を喚起する場合、「いやあ、たんなる比喩ですよ。あなたのことを言っているんじゃないですから」とは言い切れないものがある。