「MMT」と「リフレ」はどこが違う? MMTの弱点は「金利」! ――金融版「計画経済」に対する、主流派経済学者の反撃

最近のネットでよく見かける、「MMT(現代貨幣理論)」。このMMTに対して、クルーグマンたち、主流経済学者が批判しています。 そこで、MMTとその批判、さらに日本の財政について、まとめ主が考察していきます。とくに、今回の議論の軸になるのは「金利」です。 MMTでは「ゼロ金利固定」の前提で、金利を無視したまま財政拡大の話を進めていますが、それは実際に可能なのでしょうか? 経済学者の記事を引用しつつ、問題点を検討していきます。
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しろうと @sirouto

なお、「雪だるま式」のイメージとしては、身近にある例だと、「リボ払い」で首が回らなくなった状況をイメージするといいだろう。

2022-01-23 22:19:21
しろうと @sirouto

MMT支持者はポピュリストが多いので、「国の借金は嘘だ」とか「絶対破綻しない」などというが、結局のところ、リボ払いでツケを先送りしているようなものだ。

2022-01-23 22:20:51
しろうと @sirouto

さて、さらなるダメ押しで、金利の問題が分かる、また別の記事をご紹介しておこう。

2022-01-23 22:22:26
しろうと @sirouto

newsweekjapan.jp/obata/2019/07/… MMT理論の致命的な理論的破綻と日本がもっともMMT理論にふさわしくない理由(ニューズウィーク日本版/小幡績 2019年07月)

2022-01-23 22:23:42
しろうと @sirouto

「金利が上昇することを無視するか、上昇しないという前提では、現在の支出が過度に膨らみ、将来の資源を奪うことになるのである。つまり、異常な低金利で無駄な投資が行われ、(略)将来のもっと有効な技術に投資され、もっと大きなリターンが得られた投資が行われる機会を奪う」(上記事引用)

2022-01-23 22:26:18
しろうと @sirouto

toyokeizai.net/articles/-/473… 日本では絶対に危険な「MMT」をやってはいけない(東洋経済/小幡績 2021/12)

2022-01-23 22:29:42
しろうと @sirouto

「第1に、価格メカニズムをまったく無視している。 第2に、リスクという概念が存在していない。 第3に、その結果、金融市場をまったく無視している。 第4に、その結果、マネー自体を無視している」(上記事引用)

2022-01-23 22:32:21
しろうと @sirouto

「このようにMMTは、この2つの機能を無視して会計的な現在のバランスだけを強調することにより、市場、価格メカニズム、リスク配分、利子率という現在と未来との相対的な重要性、これらの要素をすべて無視しているのである」(上記事引用)

2022-01-23 22:33:16
しろうと @sirouto

上記事は、元財務省勤務の経済学者・小幡績氏によるものだ。小幡氏の文章が洗練されていて分かりやすいので、記事自体に細かい補足はしない。

2022-01-23 22:36:45
しろうと @sirouto

ただ、今回の文脈で、そもそもなぜ「金利」が必要なのかといえば、(長期的な)資源配分やリスクをコントロールする必要があるからだ。

2022-01-23 22:38:43
しろうと @sirouto

MMT論者が言うように、インフレになってから、増税や歳出削減で対応するのは、非現実的だ。消費税増税に十何年も掛かっているのだから、「インフレだから、年内に増税」などといっても、そう簡単に決まらないだろう。つまり、財政は機動的でない。

2022-01-23 22:40:50
しろうと @sirouto

その点、金融政策(政策金利の上下操作など)は機動的だし、「金利」には、市場を通じて、最初からインフレリスクも織り込まれている。

2022-01-23 22:41:51
しろうと @sirouto

だから、MMTよように金利を無視する、あるいは、ゼロ金利に固定するというのは、「計画経済」ならぬ「計画金融」であり、計画経済が失敗したように、非効率で失敗するだろう。

2022-01-23 22:43:10
しろうと @sirouto

また、ゼロ金利や低金利を維持することの弊害もある。資金調達が容易なので、ゾンビ企業の新陳代謝が行われないこともあるし、より深刻なものとして、銀行の収益悪化がある。

2022-01-23 22:44:47
しろうと @sirouto

異次元緩和による超低金利が続いたため、銀行の収益が悪化している。前菅政権の「地銀再編」も、その影響で出てきた話だろう。

2022-01-23 22:45:50
しろうと @sirouto

企業は銀行から資金を借りているので、銀行が一社でも倒産すると、悪影響は広い範囲に及び、経済が破壊される。実際、90年代のバブル崩壊後の「不良債権」問題がそれだった。

2022-01-23 22:47:22
しろうと @sirouto

さらに、今は低金利だから問題ないように見えても、もし金利上昇すると、国債の利払いが膨らむし、既存国債が下落する。と、日銀の債務超過などの問題に飛び火する。

2022-01-23 22:49:38
しろうと @sirouto

おそらく、足元まで迫っている「通貨安&物価高」が進むと、日銀も出口戦略を取らざるをえなくなる。その時に、金利上昇とか国債暴落、債務超過とか、いろいろな問題が顕在化するだろう。今は「嵐の前の静けさ」なだけ。

2022-01-23 22:53:22
しろうと @sirouto

別の角度から言うと、「自国通貨建てなら、中央銀行がいくらでも金を刷れるので、デフォルトしない」「インフレが高まってきたら、金を刷るのをやめればいい」というMMTの理屈は、金利上昇時には成り立たなくなる。

2022-01-23 22:56:21
しろうと @sirouto

金利が増えると、政府債務が雪だるま式に膨れ上がるので、さっきの理屈は「デフォルトしないために、金を刷り続ける必要がある」「金を刷り続けるから、インフレが止まらない」と逆転してしまう。

2022-01-23 22:58:46
しろうと @sirouto

それが、昔から財政破綻してきた国がたどる道だ。日本も、終戦直後に、「預金封鎖」と「ハイパーインフレ」が起こり、実質的に財政破綻している。

2022-01-23 23:02:41
しろうと @sirouto

反破綻論者は、「日銀の直接引き受けがあるから大丈夫」などと簡単にいうが、実際にはそんなことが始まった時点で、破綻の始まりだろう。

2022-01-23 23:04:20
しろうと @sirouto

あと、反破綻論者が言いがちな「今まで大丈夫だったから、今後も大丈夫だ」という意見もよく見る。が、「旧ソ連」だって、建国してすぐに崩壊したわけではない。長い年月を経て、計画経済の失敗に耐えられなくなったのだ。

2022-01-23 23:08:37
しろうと @sirouto

ところで、リフレとMMTという冒頭の話題に戻ると、リフレを唱えているのは、だいたい主流経済学者なので、金利が上がった後は、通常の金融政策に戻る。「流動性の罠」に対応するための財政出動なので。

2022-01-23 23:11:06
しろうと @sirouto

また、大きく分類すると、「FTPL」もリフレの一種だろうが、これはMMTと違って、数理モデル(予算制約式)を持っているので、主流経済学に接続可能だ。金利も考慮している。

2022-01-23 23:12:42