「MMT」支持者の言う「信用創造」とは、無からお金を生み出す、「錬金術」のような魔法!? 現実は……? ――インフレ、実質成長、価格決定モデルについて

最近のネットを見ると、「信用創造」について、とくに日本版MMTの支持者が説明すると、「無から有」を生み出すような「錬金術」のように語られます。これは本当でしょうか? そこで前半では、「預貸率」や「長銀破綻」などの事実を元に、信用創造に関する通俗的な誤解を解いていきます。結局、都合の良い「フリーランチ」は実在しません。 後半では、MMTが「価格決定モデル」を持っていないことの理論的欠陥について、解説していきます。元日銀関係者の話を引用しながら、たんにお金を刷ることが「経済成長のエンジン」にはならないことを見ていきます。
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しろうと @sirouto

国全体としては、たんにお金が増えることで、本当に豊かにはならない。かりにそうなら、たんに借金を増やしまくれば豊かになる。が、現実の歴史はそうなっていない。

2022-01-29 22:06:41
しろうと @sirouto

ハイパーインフレが起きた国、たとえばジンバブエやベネズエラは、名目だけで言えば、お金が数千倍、数万倍……と天文学的に増えていった。

2022-01-29 22:08:30
しろうと @sirouto

インフレによって、通貨価値を100分の1に切り下げても、会計上(だけ)なら、つじつまは合っている。が、貸した金の実質100分の1が返ってきても、実質的な破綻だろう。

2022-01-29 22:10:21
しろうと @sirouto

政府はいくらでも金を刷れるといって、政府の借金を5千兆円増やして、みんなに配れば、みんなが豊かに暮らせるかといえば、インフレが起きるからそうはならない。

2022-01-29 22:11:41
しろうと @sirouto

たとえば、コンビニ弁当がひとつ1万円とか2万円して、月の生活費が1千万円くらい要る、みたいに物価水準が上がるだけで、本当に豊かにはならない。

2022-01-29 22:13:57
しろうと @sirouto

中央銀行がいくらでも金を刷れば、名目上は破綻しない(デフォルトしない)が、(ハイパー)インフレで実質的に破綻する。

2022-01-29 22:15:32
しろうと @sirouto

実際、終戦直後の日本で、預金封鎖とハイパーインフレが起こっている。「デフォルト」はしてないが、「実質的な財政破綻」だろう。

2022-01-29 22:16:38
しろうと @sirouto

togetter.com/li/1656204 「(ハイパー)インフレ」による財政破綻の可能性は、本当にないのか? ――MMTの説明と、現実のインフレの違いについて(以前まとめ)

2022-01-29 22:18:08
しろうと @sirouto

上記事にあるが、東短リサーチ・加藤出氏が動画中に提示したデータ(IMF資料)では、「1990年以降でインフレ率(年平均)が100%を超えた事例」(IMF資料)が、41ヶ国ある。しかもそのうち、1000%以上が18ヶ国もある。

2022-01-29 22:19:55
しろうと @sirouto

で、「価格決定モデル」が、なぜ必要かといえば、どのくらい物価水準が上がるか、ということを経済理論中に織り込むためだ。

2022-01-29 22:20:52
しろうと @sirouto

togetter.com/li/1648095 ノーベル賞受賞経済学者・シムズ教授の財政政策 ―― FTPL vs MMT(以前まとめ)

2022-01-29 22:21:14
しろうと @sirouto

togetter.com/li/1667455 「MMT(現代貨幣理論)」と「FTPL(物価水準の財政理論)」を組み合わせた「MTPL」の紹介(以前まとめ)

2022-01-29 22:21:32
しろうと @sirouto

シムズ教授の「FTPL」は、価格決定モデル(予算制約式)を持っているから、それだけでも少なくとも、MMTよりマシだし、かりに最悪MMTが財政モデルに採用されるとしても、それは名目上で、実質的にはFTPLベースのモデルになるはず。数値が出せないと、実務にならないから。

2022-01-29 22:23:44
しろうと @sirouto

ここまで、バーっと言ってしまったが、前半の「信用創造」とのつながりが、やはり見えにくくなってしまったかもしれない。「無から有」は生まれない、「フリーランチはない」という点では同じ。

2022-01-29 22:25:05
しろうと @sirouto

中央銀行が「お金を刷れば」、「無から有」が生まれる、というのがそもそも間違っている。

2022-01-29 22:26:25
しろうと @sirouto

金を大量に刷ると、インフレになって貨幣の価値が薄まるから、その希薄化によって、すでに現金を所有している者から所得移転が起きる。いわゆる「インフレ税」だ。

2022-01-29 22:27:40
しろうと @sirouto

かりに5千兆円も円を刷ったら、たとえば1千万貯金していた人が、一ヶ月の生活費にしかならない水準までインフレする、という形で損をするのだから、「無から有」ではなく、「有から有」なのだ。

2022-01-29 22:29:44
しろうと @sirouto

いくらお金を刷っても、使用できる財・サービスまで増えるわけではないのだから、お金が薄まるだけだ。酒を水で割れば、薄まるだけで、アルコール量は増えないのと同じ。

2022-01-29 22:31:30
しろうと @sirouto

あるいは、株式会社が増資するだけでは、株が希薄化するだけのジリ貧で、何も売らなくても増資だけで儲かる、ということはありえないのと同じ。もし、儲かるならみんなそうするはず。錬金術もフリーランチもない。

2022-01-29 22:33:17
しろうと @sirouto

あるいはまた、クレジットカードで、一時的に消費額は増やせるが、それで生涯収入は増えない。信用創造は、錬金術でもフリーランチでもない。

2022-01-29 22:35:56
しろうと @sirouto

nikkan-gendai.com/articles/view/… 元日銀参事・岩村充氏があぶりだす「黒田バズーカ」の本質(2020/05 日刊ゲンダイ/岩村充)

2022-01-29 22:37:38
しろうと @sirouto

岩村充「そもそも、経済を成長させるための金融政策という考え方が間違いなのです。経済成長のエンジンは人口増とか技術進歩などの経済の基本条件から生まれてくるもの。金融政策はアクセルやブレーキ役はできても、成長のエンジンそのものではありません」(上記事引用)

2022-01-29 22:38:11
しろうと @sirouto

元日銀参事の岩村充氏が、中央銀行の金融政策は、「経済成長のエンジン」ではない、という言い方をしておられる。これは分かりやすいし、適切な比喩だと私は思う。

2022-01-29 22:39:27
しろうと @sirouto

中央銀行の金融政策は、アクセルやブレーキ、ギアのようなもので、エンジンではない。自転車や自動車のギアを100段とか1000段にすれば、「永久機関」のように動力不要になるかといえば、そんなわけがない。

2022-01-29 22:41:05
しろうと @sirouto

同じように、政府や中央銀行が貨幣の量を100倍や1000倍にしても、それで「無税国家」ができるわけではない。だから貨幣(政策)は、経済のエンジン、動力源ではない。

2022-01-29 22:43:19