サイゼリヤデート、たんぽぽの花束、クリスマスの4℃、そしてバレンタイン、贈与論からまとめて考察

Twitterでよく燃える全てを「贈与」という観点に着目して考察してみました。
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発端は「たんぽぽの花束」

青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

ネット論客。表現の自由戦士。フェミニストにしてアンチフェミ。寛容と対話の力が、私たちの社会に残る分断と断絶を乗り越えられると信じて、今日も論じます。「私は君の言うことに反対だ。しかし君がそれを言う権利は命をかけても守ろう」アイコンはマスコットキャラの「ヴォル子さん」(※呟きは個人の見解です。所属組織とは一切無関係です)

note.com/dokuninjin7

青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

花束になるほど立派なたんぽぽを数集めるの、普通に難しいし、あえて特注で買ったらお高そうな気が……。 twitter.com/rtoiuyuiotyuij…

2022-02-12 09:20:37
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

サイゼデートの事例のミラーリングが定年退職の花束になるという指摘の面白さは、デート時の飲食店が、花束という「贈与物」に入れ替わっており、賛同者の多くがなんの違和感も抱いていないということです。つまり、デート時の飲食が男性から女性への「贈与」であると無前提に受け入れている。

2022-02-12 09:26:19
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

フェミニズム的な世界観を当然のこととして受け入れている私たちは、男女が本来的に平等な存在であると考えているのに、なぜか、デートとか恋愛に関することになるやいなや、男性が女性に「贈与」し「奉仕」することを当然視する。でも、これって、いわゆる「権力勾配」ですよね?

2022-02-12 09:28:30
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

そうなのです。一方で、デートをする男女はどうなのか? サイゼデートで引き起こされる嫌悪の感情が、「贈与されるべきものの欠落」だとすると、女性は「待ち合わせデート」で「贈与」され、「もてなされる」べきものだという前提がいつの間にか現れている。 twitter.com/buhi5555/statu…

2022-02-12 09:46:23
犬アイコン @buhi5555

@BlauerSeelowe 定年退職の花のお金を割り勘にしてたら絶対におかしいもんね

2022-02-12 09:29:32
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

贈与物と女性身体の交換って、めちゃめちゃフェミニズムと矛盾する話じゃないですか。それって封建的家父長制的ロマンチックラブイデオロギーむき出しの話であって、それ通すの? って思いますけど。 twitter.com/wispyr/status/…

2022-02-12 10:00:34
Wisp @wispyr

あぁそうか、サイゼで怒る女性は、「自分」と「食事」を交換しようとしているんだ。だから、安い食事が許せない。それは、そのままズバリ、自分の価値が低いことを意味するから。 twitter.com/BlauerSeelowe/…

2022-02-12 09:58:27
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

じゃあ、デートでの粗末な飲食や、記念日における低品位の贈与物に対して怒ったり、憎悪したり、悪罵する女性のみなさんのその感情の源ってなんなんだって話になりますよね。そこって暗に女性が一方的に感謝されて祝福されるべき、なにものかの価値と関係の差異が存在することを前提していませんか?

2022-02-12 10:07:46
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

それって本当に「男女平等」「ジェンダーフリー」と両立するものですかね?

2022-02-12 10:08:01
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

いや、究極的に男女は対等ではないのだ、って話をするのならいいですよ。でも、それ言い始めると、これまでのフェミニズムとかジェンダーフリーの話って、ゼロベースで見直さないといけない話になりませんか、ってことですよ。

2022-02-12 10:10:03
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

都合のよいところだけ美味しくいただく、みたいな話は無しにしませんか。

2022-02-12 10:10:22
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

それって、性行為が男女において価値の差異があり、その差分を贈与で補填しているって発想なんですよ。そうだって言うならいいですけど、それってフェミニズムがさんざっぱら批判してきた「性の二重基準」ですよねって話です。 twitter.com/24b3w/status/1…

2022-02-12 10:15:57
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

Twitterフェミニスト、家父長制的フェミニストという恐るべき存在に進化しつつあり、恐怖しかない。

2022-02-12 10:16:38

書きっぱなしもなんなので、考察してみる

青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

昨日のサイゼデートとか、クリスマスに4℃とかの話をちょっと考えると、「贈与」、特に内容が粗末であることが「欠礼」につながる種類の贈与ってなんだろうってテーマ、割と贈与論として面白いと思うのですけれど、誰か考察した人いないですかね。

2022-02-13 11:36:40
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

仕方がないのでちょっと素人ながら考えてみます。

2022-02-13 11:38:03
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

まず、内容が粗末でもあまり欠礼とならない事例について。贈与者が被贈与者よりも目上である場合は、ほとんどの場合、欠礼にならないと考えられる。例えば、上司が部下に飲食を奢る場合、場所がサイゼリアだったからといって、失礼だと怒る部下はあまりいないと思われる。

2022-02-13 12:36:45
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

もっと大規模な事例で言えば、王などの権力者からの下賜品もそう。現代で言えば、皇室関係で仕事をしたときに下賜される恩寵タバコなどもそうですね。恩寵タバコがマズイと言って怒っている事例はあまり聞いたことがない(いや、めっちゃ美味しいのかもしれませんが)。 pic.twitter.com/9YJUQtzlcd

2022-02-13 12:36:46
拡大
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

権威者や上位者からの贈与は「もらえること自体」が感謝の対象になる(上司から奢られたら、その店の金額や品位にかかわらず、「ごちそうさまです」「(支払いをしていただいて)すみません」と言いますよね)からではないかと思われますが……

2022-02-13 12:36:46
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

ただ、「下賜」にせよ、上司による部下への饗応にせよ、内容があまりにも粗末である場合、非礼には当たらないかもしれませんが、上位者(贈与者)の権威を損なうことはあるかもしれない。白木屋コピペみたいなシチュエーションですね。 dic.nicovideo.jp/a/%E7%99%BD%E6…

2022-02-13 12:36:47
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

これは同等の関係性でも同じ。例えば、お歳暮の内容が粗末だと言って怒る人はあまり見ない。むしろ、同等の関係性にせよ、上位からの贈与にせよ、もらったものにケチをつけるのは、一般には「はしたない」、非礼なことであるとされる。

2022-02-13 12:36:47
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

贈与側が「非礼」に当たるのは、お歳暮のお返しなど、先に贈与が発生していて、それに対して見合わない価額のものを贈与したり、返礼を欠いた場合。これはモースやデリダなどの贈与論の研究者がいろいろと指摘しているところではあると思いますが、

2022-02-13 12:36:47
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

ここでの贈与はある種の「交換」に当たっているわけですね。贈与があって、しばらくの期間ののちに「返礼」として同等品の贈与が行われる(この時間的な隔たりのことを「差延」という)。「差延」は長すぎても短すぎてもいけないし、反対給付も相当品であることが求められる。

2022-02-13 12:36:48
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

冠婚葬祭の贈与もそう。結婚式の御祝儀やお葬式などの香典は、引き出物や香典返しによって返礼されますが、この返礼は一般に贈与品よりも低い価額のものが贈られる。この差異が「非礼」に当たらないのは、冠婚葬祭という費用のかかる行事の催行者の負担を抑えるという、

2022-02-13 12:36:48
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

昔から続く「福祉制度」としてのプロトコルなのでしょう。したがって、自分たちが冠婚葬祭を行う必要が生じたときにも、参列者から贈与を受けることができるという期待があるからこそ、私たちはこうした「贈与」を納得して行っている。非常に長い「差延」のある「交換」であるわけです。

2022-02-13 12:36:48