TMHKさんと名取宏の対話。主に過剰診断について。

TMHKさんと名取宏の対話をまとめました。
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名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 たとえば、医学について標準的な知識を持っている人の中に、高血圧症という疾患の存在について疑問に思う人はいないと思いますが、高血圧患者の数を正確に推定する完璧な方法はありませんし、境界領域を高血圧症に含めるかどうかは常に議論があるところです。

2022-02-10 10:19:46
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 「術後転移があるからといって過剰診断かどうか判断できない」はその通りです。よって論理的には「術後転移があるから過剰診断ではない」は誤りです。

2022-02-10 10:19:57
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 「治療前転移があるけど死んでいないから過剰診断かどうか判断できない」もその通りです。よって論理的には「治療前転移があるから過剰診断ではない」は誤りです。これらの点についてはTMHKさんに同意をいただけそうですね。この点すら理解していない人が多数というのが現状です。

2022-02-10 10:20:21
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 論理的に考えることのできない人の中に『名取宏の指摘を「転移があるかどうかに関わらず過剰診断である」と解釈する』人はいるかもしれません。しかし、私は「転移があるかどうかに関わらず過剰診断である」とは主張していませんし、TMHKさんもそのことはご理解しているものと信じます。

2022-02-10 10:20:39
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 仮に私の言葉が足りなかったとして、TMHKさんは『名取宏の指摘を「転移があるかどうかに関わらず過剰診断である」と解釈する』ような人ではない、論理的に考える能力があると信じたがゆえです。言葉に不足があればご質問してください。

2022-02-10 10:20:58
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 「名取宏は事実を言っているものの間違った解釈がされることを誘導・放置している」と批判しておられるようですが、そもそも解釈以前に事実ではない発言(「再発や転移している福島の事例は過剰診断にあてはまらない」)についてはご批判はなさらないのですか。

2022-02-10 10:21:16
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 それに、けっこう頑張って詳しく書いたつもりなんですがね…。一定の割合で理解できない人が生じることをもって、「間違った解釈がされることを誘導・放置している」とするのは悪意があります。

2022-02-10 10:21:29
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 「ランダム化比較試験とは治療効果を調べるもの」とありますが、がん検診のランダム化比較試験は「治療」効果を調べるものではありません。「がん検診」の有効性や害を調べるためのものです。がん検診の有効性は、通常は、検診群と対照群のがん死亡率の差で評価します。

2022-02-10 10:21:53
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 検診の害は、偽陽性や過剰診断などで評価します。過剰診断は、検診群と対照群のがん発生率の差でわかります。過剰診断がゼロなら、十分な観察期間後に、発生率の差は生じません。実際には乳がんのランダム化比較試験では数十%の発生率の差が観察できます。

2022-02-10 10:22:18
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 専門家の間では、過剰診断の理想的な推定値は、がん検診のランダム化比較試験から得られるとされています。違うとおっしゃるのであれば、専門家集団が気付いていない重要な事実にTMHKさんだけが気づいているか、もしくは、過剰診断についてTMHKさんがまだ十分にご理解していないかのどちらかです。

2022-02-10 10:22:54
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 『検診を行うと、(中略)異常に多くの甲状腺がんが見つかります(大雑把に100倍ぐらい)。それらの多くは過剰診断だ』という結論は、過剰診断の定義と診断された人たちの平均余命から論理的に得られます。言葉が足りませんでしたか。より詳しい説明が必要でしょうか。

2022-02-10 10:23:13
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 逆に聞きますが、検診で見つかる異常に多くの甲状腺がんが過剰診断でなければ、何なのでしょうか?100年後に症状が生じるがんを前倒しで発見しているのでしょうか?

2022-02-10 10:23:30
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 なぜ過剰治療と言わずに過剰診断とするかは、治療をせずに経過観察をされても診断されること自体が害になるからです。診断に至るまでの侵襲的な検査や診断後の経過観察、そしてそれに伴う心理的な不安や社会的な不利益が害です。

2022-02-10 10:23:58
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 「過剰診断は問題ない。過剰治療が問題。診断しても必要がない治療をしなければいいだけ」というたぐいの誤解がよくみられることが、過剰診断と過剰治療の区別が必要な理由の一つです。

2022-02-10 10:24:12
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 「良性の病変に対しての治療リスクやコストを説明すれば事足ります」とありますが、甲状腺がんは「良性の病変」ではありません。悪性疾患です。さらに、治療の前だけではなく検診の前にもリスクやコストについて説明しなければなりませんが、その説明が著しく不足しているのを問題にしています。

2022-02-10 10:24:32
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 なにしろ、「検診自体には害はあるはずはない」「(検査がもたらす)不利益という意味がよくわからない」という誤った発言も散見されますので。すべての検診プログラムには害があります。評価の高い検診の教科書にまず書かれている言葉です。

2022-02-10 10:24:53
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 「医師や医療費の負担を減らすこと」ではなく、患者さんが害の大きい医療介入を受けることが減るように情報を発信しています。医療リソースが無尽蔵にあっても超音波検査による甲状腺がん検診をすべきではありません。

2022-02-10 10:25:13
名取宏(なとろむ) @NATROM

@tmhk0 検診の害はとても理解しにくいです。とくに過剰診断は、害を受けた人たちが害を自覚できないどころか、逆に検診から利益を受けたと誤認しがちです。こうやって対話することで、がん検診や過剰診断についての理解が少しでも深まればいいなと思います。ありがとうございます。以上。

2022-02-10 10:25:35
TMHK @tmhk0

@NATROM お返事ありがとうございます。 >「コンセンサスが十分に取れていない」とみなすのであれば、コンセンサスの取れている医学的概念はほぼ存在しません。 そのような二択に至る話ではないでしょう。私の見かけた論文が極少数側に属するかのような矮小化を認めるわけには行きません。*1

2022-02-10 12:13:35
TMHK @tmhk0

@NATROM >高血圧患者の数を正確に推定する完璧な方法はありませんし、境界領域を高血圧症に含めるかどうかは常に議論がある 完全じゃないといけないなどと私は申しておりません。また境界問題は、存在を確定してから出てくる話ですので、定義そのものを争う本件には全く例示になっておりません。*2

2022-02-10 12:14:51
TMHK @tmhk0

@NATROM >「術後転移があるから過剰診断ではない」は誤りです。 正確に言葉を補うならその通りなのですが、医学知識も前後の脈絡もなしに、もしここの部分だけを切り取られて見せられたら、一般人はどう思うでしょうか。*3

2022-02-10 12:15:47
TMHK @tmhk0

@NATROM 術後とは切除術とは思わず痛み止め等の対処療法薬を含む一切の投薬も含むと思うでしょうし、リンパ節や肺や骨以外への転移も含むと思うでしょう。このような荒削りな状態の言葉を独り歩きさせるのは反対です。学者肌の方は、聞いている側にリテラシーがある前提で話をしてしまうせいかと思います。*4

2022-02-10 12:18:54
TMHK @tmhk0

@NATROM >ランダム化比較試験は「治療」効果を調べるものではありません。「がん検診」の有効性や害を調べるためのものです 私は一般的な解釈を書いたまでです。「がん検診」に特化して解釈するならその通りでしょう。*5

2022-02-10 12:19:46
TMHK @tmhk0

@NATROM >検診の害は、偽陽性や過剰診断などで評価します。 過剰診断の件で互いに異論が生じている状態なので、これが無いことを前提に話を進められてもお答えしかねます。*6

2022-02-10 12:20:15
TMHK @tmhk0

@NATROM >検診群と対照群のがん発生率の差でわかります あなた自身がブログで「このような判断方法は臨床の場での意思決定には役に立たない」 と仰っていますよね。対照群となることを申し出てくれる患者さんを集めることは難しいのだと思います。*7

2022-02-10 12:20:52
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