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今は現任校を辞めて新しい大学に移るのはただ辞職すればいいだけだが,昔の国立大学間の異動では「移動先の大学の教授会で採用が承認されること」に加えて「現任校の教授会で割愛が承認されること」が必要だった。
2022-02-24 03:23:46「割愛」とは「現任校の職員名簿から削除されること」で,それがないと異動先の大学がその人を新しく「職員名簿に加える」ことができなかった。通常は異動先の教授会で採用が通ったら割愛願を出して現任校の教授会が割愛を承認して移動となるわけだがそこでいろんなトラブルや「意地悪」があった。
2022-02-24 03:26:54多かったのは「辞めさせたくない教員に割愛を出さない」こと。後任の人事や授業担当者の交代などが整うまで割愛を出してくれず,異動が半年とか1年とか延びることは多くはなかったが珍しくはなかった。そこで「割愛を認める条件」として非常勤講師としての出講,時には無償での出講が求められた。
2022-02-24 03:30:37そういうトラブルや意地悪を避けるために異動したい教員は早くから学内に根回ししてスムーズに割愛を出してもらえるようにするのだが,根回しで移動の希望を知る人が増えることは逆に「異動を妨害しようとする人」を増やしてしまうことにもなった。
2022-02-24 03:33:52割愛が遅れている間に「妨害したい人」が相手先の大学にあることないこと吹き込んで採用がひっくり返ってしまい現任校を辞められなくなってしまうとか,無職になってしまうとかいうひどい話もときどき聞いた。
2022-02-24 03:36:31この「割愛」は国立大学が文部省の部局で教員の異動が「文部省内での配置転換」になるから必要だったのだが,私大でも国立大学に習って「割愛願と教授会での承認」をしていたり,新任教員の現任校に割愛を求めたりする仕組みになっているところが多かった。
2022-02-24 03:41:00さっき書いたことがちょっと不正確だった。異動の際の「割愛願」は移動する教員が出すのではなく異動先の大学(の教授会?)から現任校の教授会に願い出るのだったと思う。
2022-02-24 03:42:15それで,どうしても割愛が出してもらえないときの最終手段として「現任校に辞職願を出して辞職する」という方法があったのだけど,それは異動先の大学が嫌う(ので異動自体がダメになる)ことが多かったし,国立大学間なのに退職金が通算されなくなるなどのデメリットがあった。
2022-02-24 03:45:03国立大学が法人化された時に国立大学間の異動は単なる「辞職と再就職」になり,それでも退職金などは通算される仕組みになったので,制度上は「割愛」というものはなくなった。
2022-02-24 03:47:48ただ私大でも国立大学に習って「割愛を求める」「割愛を出す」という手続きをやっていた大学は多くて,同じようなトラブルや意地悪があったし,国立大学法人化後も「国立では廃止された割愛を私大から求められる」ということがあった。
2022-02-24 03:49:36それで「そういう時代のしきたりとか感覚を今も残している先生」「そういう時代のしきたりとか感覚が今も残っている大学」というのは確実に存在するから,「異動した教員に無償で非常勤させる」という話を聞いた時に「ああ,ないとはいえないかなあ」と思う死ニア教員であった。
2022-02-24 03:52:09大学教員の異動絡みでは「選考委員会で決めた採用が教授会を通らない」「教授会で一度通った人事が取り消しになる」などのトラブルはしばしばあって、そういうことには必ず「悪意の人」が関わっている。
2022-02-24 03:59:42大学教員の異動については「着任して辞令を受け取るまでは最低限必要な相手以外に口外するな」と言われるのは「悪意の人」に知られないためラジね。
2022-02-24 04:01:30「辞める人への意地悪」というのもいろいろ聞いた。「在任中に使った経費を返済しろ」とか。まあ新設校で完成年度を迎える前なのに辞められてしまうと意地悪もしたくなるみたいなこともある。
2022-02-24 04:11:37その点自分はそういったことについては一貫して「善意の人」として行動してきたが、善意ならその人のためになるかっていうとそれがまたそうとも限らないのが難しいんだよねえ。
2022-02-24 04:23:34