テクモで『マイティボンジャック』 『忍者龍剣伝』等のディレクター、ナムコで『風のクロノア』や『ミスタードリラー』等のプロデューサーを務める。2016年4月、バンダイナムコスタジオを退職、フリーに転進。現在東京工芸大学教授 著書に『ゲームプランナー集中講座』新刊は『「気持ちいい」から考えるゲームアイデア講座』好評発売中。
新刊『「気持ちいい」から考えるゲームアイデア講座』は本日発売! 一部書店では一週間前から店頭に並んでたようですが、今日が発売日です! 「忍者龍剣伝」や「風のクロノア」「ジェミニウイング」など、その発想の過程についても書きました。 よろしくお願いします。 amazon.co.jp/dp/4297126192 pic.twitter.com/LK0FCdAclx
2022-02-16 13:25:36ワギャンパラダイス〔全4回〕
実は「ワギャンランド」が発売されてから今年2月で30周年だったのです。 そして今日は私が担当したシリーズ6作目のスーパーファミコン版「ワギャンパラダイス」が発売されてからちょうど25年目にあたります! それを記念してクロニクルをお送りします。 pic.twitter.com/mQQOcZIduN
2019-12-16 09:47:37まずディレクターのKくんと話してる中で、ワギャンをそれまでのロボットじゃなくて、生き物として描きたいという話になり、大元のワギャンをデザインした方に許しを請うため、AMのいる未来研にお邪魔しました。
2019-12-16 09:48:45ワギャンのデザイナーは、とっても気難しい人だと聞かされていたので、Kくんとふたり、緊張していました。 しかし会議室に入ってきたそのデザイナーは、予想に反して優しそうな方でした。
2019-12-16 09:49:09そこで今回のワギャンではロボットから生き物という設定に変更させてもらえないか? という話を恐る恐る切り出したのです。しかしデザイナーからの返事は意外なものでした。
2019-12-16 09:49:30「もともとワギャンはロボットじゃなくて生き物なんです! だから今までのファミコンのワギャンにはずっと違和感があったんですよ」 なぁ~んだ、それじゃあむしろこっちが正解だったのですね~。 ということで、そこからは開発者同士、和気藹々と話ははずみました。 つづく
2019-12-16 09:50:00わたしが得意とするストーリーモードを入れようという事になり、ワギャンが一所懸命アクションをしているうちに、世界の危機を救ってしまうという話を軸にして、それにステージ構成をあてはめていきました。 ストーリーを設定すると、俄然ビジュアルスタッフがノッテくるのを知っていましたからね。
2019-12-19 11:21:23その際次の事を意識していました。 ・ステージ毎にアクションのテーマを持っている事 ・ステージが変わると色味や形がガラッと変わる事 ・全体の流れがスムーズである事 ・ストーリー的に中盤の盛り上がりとラストの大盛り上がりがあるので、 ステージ構成も同じテンションにする事
2019-12-19 11:21:45もしアクション的にバランスいい流れがあるけどストーリーに合わない時はストーリーを変えました。基本は起承転結の節目以外はどうにでもなるお話にしてありましたから。
2019-12-19 11:22:29そうして開発が進んで数ヶ月後、とにかくタイトルからセレクト画面、ストーリー演出、ゲーム部分、リザルトまで、一通り繋げろ~~って事で、頑張ってもらってようやく繋がりました。
2019-12-19 11:22:52そこでスタッフ全員で集まって、試遊会を開きました。 すると仕様を全部知っていて、制作していたはずのスタッフが「あぁ、こういうゲームだったのかぁ」なんて言うのです。 全部が仮でも繋がったことによって初めてスタッフは全貌を理解できたんだと思います。
2019-12-19 11:23:15仕様は説明してあるし、仕様書も読んでいるし、作業も計画通りこなしている。でもそれが全体のどの部分に当たって、その前後はどういうテンポで流れてくるのかは真には理解されていないものなのです。
2019-12-19 11:23:56ゲームはテンポなので、繋がって初めてそのゲームのテンポが実感できるのです。それまでは実はみんな『わかっていない』のです。 だからこそ仮の絵でいいから一日も早く一通りの流れを繋いでテンポを実感して共有するべきだと思うのです。 つづく
2019-12-19 11:24:40ある日ディレクターのKくんがやってきて、相談があるというのです。 pic.twitter.com/ya4RCiXt8T
2019-12-24 09:38:55水中面は急流で流される面にしようと考え、早速、水中面の仕様を書きました。 16×16単位でBGにヒットを持って、そのヒットに上、下、左、右に流れるヒットを0~3に割り当てて、データを作る事にしました。
2019-12-24 09:40:28そしてコースレイアウトも書いて、データを打って、プログラマと話をしたら、結構すんなりと理解してくれて、制作は進んだんです。 よかった、よかった。
2019-12-24 09:41:09ある日ファミ通を見たら新作レビューのページにワギャンパラダイスが載っていて、非常に高い評価で絶賛されているんです。しかし最後に気になる事が… 『非常に面白い!これは傑作です。ただ、水中面がちょっと出来が悪いのがマイナス点』 ガビ~~~ン
2019-12-24 09:42:00私が担当した所だけマイナス評価…!!! とショックを受けた瞬間、目が覚めました。 そう、ファミ通の記事は夢だったのです。 本当に夢でよかった。 評価が良かったのは夢じゃありませんでしたけどね。 つづく
2019-12-24 09:42:42当時CS開発部では、シリーズ物を同じチームメンバーで創るという体制ではなく、その都度メンバーを集めていました。 だからシリーズ物をやることになったメンバーは、今までのシリーズの踏襲ではなく、新しい製品にしたいという欲求があったのです。
2019-12-26 10:20:03タイトルネームにそれが表れていますね。リッジレーサーシリーズの三作目「レイジレーサー」や四作目「R4」などがそうです。 この作品もワギャンシリーズではあるけれども、スタッフの気持ち的には、ここから新シリーズが始まるくらいの気概でいました。
2019-12-26 10:20:41