しかし私の描いた盤面の絵に魅力がなかったからなのか、インカムはさんざんでした。 そしてある日新しくビジュアルの女の子が入社し、担当してくれることになって、私の絵はことごとく描きかえられていきました(涙)。
2020-07-26 10:04:10次々に描きかえられていく私の絵。しかし玉の絵だけは評判が良く残った。そのヒミツとは?! pic.twitter.com/qyCIrcxUW4
2020-07-31 18:53:22最初私は玉をただのグラデーションで描いていたんですが、ある日他の人が使っていた絵を描くマシン(エディピューターという自社製の機械)に私の絵を読み込んだら、たまたま前の人のカラーデータが残っていて、玉が複雑なグラデになって表示されました。 pic.twitter.com/NxUaJZcO13
2020-07-31 18:54:03それはまるで玉の表面に回りの景色が映りこんでいるような感じに見えたんです。 そこで、そのカラーデータをメモってそのまま使用したのでした。
2020-07-31 18:54:26そうしてビジュアルをリニューアルして2回目のロケテストに臨みます。 恐る恐るロケを見に行くと、隣の『戦場の狼』をやっている学生が、事もあろうに我が『ピンボールアクション』の台の画面の上にカバンを置いていて、誰も遊べていないのです!コノヤロー!
2020-07-31 18:54:48がっかりして会社に戻ってくると、なぜかみんながニコニコして「よかったね~」って言ってくるのです。 きょとんとしていると、あの後続々とプレイする人が現れて、一人4~500円つぎ込んでいったので結構いいインカムが出たというのです。
2020-07-31 18:55:17すぐにまた夕方ロケに行ってずっと見ていたら、目の前で自分の創ったゲームにお金を入れて遊んでいる人を何人も見ることができました。 この時は本当にうれしかったね。 そばに駆け寄って「ありがと~~」って言って撫ぜてやりたくなるくらい。
2020-07-31 18:55:45開発者は一回はアーケードの開発をしてロケテストを経験してほしいなと思いますね。それはそれはシビアですけどね。 と、いうわけでこれは結構売れました。 しかも私の描いた玉やフリッパーやゴムの絵は製品にもちゃんと残りましたとさ。 めでたしめでたし。 おしまい
2020-07-31 18:56:14ジェミニウイング〔全10回〕
「ジェミニウイング」switch、PS4版発売記念として、今日から週一ペースで「ジェミニウイングクロニクル」をやってみようと思います。 pic.twitter.com/d2Fg65FsIZ
2020-10-03 12:10:26ある時、ふと頭にひとつの映像が浮かんだのです。 それは戦闘機のお尻に丸い弾が数珠つなぎにぶら下がっていて、レバーをグリグリ動かすと360度に飛び回って、その後を弾がついてくるという映像でした。 pic.twitter.com/9XEeXKbbof
2020-10-03 12:15:37一発撃つとマシンガンのようにひとつ送られて弾が減っていく。それで敵と対戦しているプレイ映像でした。すぐに紙にイメージイラストを描いたものです。こんな感じに。 pic.twitter.com/V7LQbHHkZB
2020-10-03 12:16:21この後から弾がついてくるっていうのが「気持ちいい」と思ったのがこの作品の発端でした。まさにそれだけで、ゲームのアイデアには全然なっていないですね。
2020-10-03 12:17:02後ろについてくる弾の映像から連想したのが「フリッキー」というゲームでした。これは追ってくる猫に捕まらないように逃げながら、フィールドのひよこを集めてドアまで行くゲームでした。集めたひよこは親鳥の後を数珠つなぎについてくるのです。
2020-10-03 12:17:25そして猫がひよこの列を横切るとそこからひよこがばらけてしまうので長くつながったひよこをうまく操るのがおもしろいんですね。そこから敵の弾の列を横切ったら弾を横取りできるという仕様を思い付きました。 pic.twitter.com/Gkl2Ajfbfl
2020-10-03 12:18:03でもこれだけではゲームにはなりません。そこで別のゲームと組み合わせて考えてみたのです。当時わたしはゲームの創り方やアイデアの考え方など教えられてもおらず、上司も退社してしまっていたので、自力で考えていたのですが、その際この手法をよく使っていました。
2020-10-03 12:19:00要はすでにゲームとして成立している仕様とすり合わせて、部分部分をオリジナルの仕様に置き換えて変化させていくんです。 そこで私が選んだのはテーカンのヒットシューティングゲーム「スターフォース」でした。 つづく
2020-10-03 12:19:39すでにゲームとして成立している仕様とすり合わせて、部分部分をオリジナルの仕様に置き換えて変化させていく手法で私が選んだのはテーカンのヒットシューティングゲーム「スターフォース」でした。 pic.twitter.com/dGrvsYs4FK
2020-10-10 09:34:45当初、360度回転する「タイムパトロール」のようなゲームで考えていたのですが、「スターフォース」をベースに考えた時、一発ずつ撃つ今の仕様より「スターフォース」の方が数段気持ちいいと思えたのです。
2020-10-10 09:35:10だからまず「スターフォース」のように縦スクロールシューティングにして、ショットを撃つゲームにしようと考えました。 だとしたらお尻にぶら下がっている弾は一体何なんだ?
2020-10-10 09:35:43そんなことを考えながら、当時の私は「スーパースターフォース」が終わってユーザー対応の日々を送っていた時だったので、同僚のゲーマーに付き合ってゲーセンに行ったのです。 私はゲームがあまり上手ではないので、ゲーセンでマニアのスーパープレイを見るのが好きでした。
2020-10-10 09:36:09その日は「グラディウス」をエンディングまで見せてもらえる事になっていました。 同僚のマニアはあっという間にオプションをマックスまで付け、スピードアップ最大でフル装備になって、オプションを上下に振って広げ、圧倒的な強さで敵を画面の端に出現するかしないかの所で粉砕してしまうのでした。
2020-10-10 09:36:29いいなぁ~、楽しそうだなぁ~ でも自分でやるとそんなに強くなれない。まずオプション2個とバリアぐらい。何とか誰でもすぐにあの圧倒的なパワーを味わえるようにはならないかな?
2020-10-10 09:36:46その瞬間、頭の中にあのマイシップのお尻にパワーボールがオプションのように繋がっている映像が浮かんだのです。 「あ、何かいいかも!」
2020-10-10 09:37:01