パワーボールがお尻に沢山ぶら下がっていることで何がいいのか? それがパワーアップだったなら、最初からいきなりすごいパワーアップ攻撃ができるんじゃないか? しかもそれを補充することができればずっと使い続けられる。
2020-10-10 09:37:21これなら誰でも派手なパワーアップ攻撃を繰り出せて、しかも補充するというリスクを負うことでバランスも取れる気がしました。 つづく
2020-10-10 09:37:43このゲームはマシンガンみたいに連なった弾を順番に発射する仕組みにしたので、マイシップをガンシップ、弾をガンボールと呼ぶことにしました。 ガンシップはもちろん大好きなアニメ映画「風の谷のナウシカ」からです。 ガンボールは使い勝手や効果で5種類の弾を設定することにしました。 pic.twitter.com/ulgGOhpLjY
2020-10-16 10:18:413WAY 3方向に単発で貫通性のウェーブを放つ。出る時間は短いが、即効性が高いために重宝する。 ホーミングミサイル 8方向にホーミングミサイルを放つ。ミサイルが残ってる間はガンボールが撃てない。 ワイドビーム 横に大きく広がるウェーブを飛ばす。広い場所でザコを一掃するには最適
2020-10-16 10:20:14スウィングファイアバー 炎の棒をワイパー状に左右に振り回す。 持続時間が非常に長く、その間前方の敵をなぎ倒せる。 スパークハリケーン 光の輪が8方向に渦状に広がる武器。画面中の敵を一掃できる。 pic.twitter.com/jrzYIW74Kd
2020-10-16 10:20:50いっぱい貯めていると取られやすいがここぞという時に使いまくれる。 短いと取られないがここぞという時使えない。 そういうバランスで考えました。
2020-10-16 10:21:54また、ガンボールで倒した敵の数に比例して、倒した敵からガンボールが出やすくなる仕様にもしました。 これは、どんどんガンボールを使ってもらいたいからだったんですが、今ひとつ伝わってなくて、結構節約して残したままやられてしまう人が多かったのは反省点ですね。 つづく
2020-10-16 10:22:26当時宮崎駿のアニメ(ナウシカやラピュタ)が大好きで、何度も観て、アニメの表現手法を研究しました。どうやって効果を出してるのかが知りたくてビデオでコマ送りしたりしてました。 そこで得た演出技法を全編に盛り込んでいます。
2020-10-25 11:03:59例えば崖の上を通過するとき、手前の崖のBG1のスクロールスピードを加速していって、崖が抜けた時BG2の遥か下に見える森がゆっくりスクロールするのが現れるシーン。 あれは「ナウシカ」や「ラピュタ」の雲が切れると下に戦艦が現れるシーンからの着想です。 pic.twitter.com/Vf5opYZlO2
2020-10-25 11:05:00雷で雲や敵が一瞬シルエットになるのはラピュタの竜の巣での演出で、コマ送りしたら一瞬すべてのオブジェクトが真っ黒に塗られていて、次に真っ白になってフェードインしてくるのを研究して創りました。 pic.twitter.com/mxmCFv4mwZ
2020-10-25 11:05:35丸いオブジェクトを重ねてバルンガを創ったのですが、これは「ナウシカ」の王蟲が複数のパーツを輪ゴムでつなぎ合わせて引っ張ったり、縮めたりして撮影したという裏話を読んで考えた仕様でした。もちろんバルンガは「ウルトラQ」が出典です。 pic.twitter.com/nEVSHI3wpf
2020-10-25 11:05:59こういう演出のアイデアを話すと「おもしろい!おもしろい!」と喜んでやってくれるプログラマだったので大抵実現できました。 ちなみに雑誌に蟲が襲ってくる独特の世界観とか書かれた事がありましたが、これは私が虫嫌いなのを知ったビジュアル担当の策略です(笑)。 つづく
2020-10-25 11:06:34こうして制作が進んでいたのですが、突然アイレムの新作発表会があって、凄く評判のいいシューティングゲームだという情報が舞い込みました。 pic.twitter.com/AHUOx2cqcw
2020-11-01 10:10:04これはライバルとして見に行かなくてはと思い、スタッフを連れて出かけて行きました。 それが「R-TYPE」だったのです。 アイレムの発表会に行くと、そこでは「R-TYPE」が展示されていました。
2020-11-01 10:10:20遊んでみると、ポッドを先頭やお尻に付けてバリアにしたり、発射して先の方の敵や砲台をやっつけたりといった新しいゲーム性が光っていました。一番感心したのは、弾を避けるというシューティングの常識が、ポッドというアイデアによって、弾にポッドを当てて消すという遊びになっている所でした。
2020-11-01 10:10:40また、一番驚いたのは何画面にも渡る巨大戦艦が画面いっぱいに出現して、プレイヤーはその僅かな隙間をジリジリ進んでいく緊張感でした。 会社に帰ってきてからも、その興奮は冷めず、頭の中でいろんな考えがグルグル巡っていました。 pic.twitter.com/AJP5KRM4Mc
2020-11-01 10:11:07それで新しく洞窟のステージを2面追加することにしました。でも、ただ追加しただけではおもしろくないし、必然性もないので、何とか意味を出したいと考えました。 そこで、ここではいつもは役に立つガンボールが役に立たず、通常は非力なガンボールが活躍するようにしたらどうかと思いました。 pic.twitter.com/c2VuP36grg
2020-11-01 10:11:30ワイドビームは壁に遮られて威力を発揮できないが、ホーミングは壁を抜けて飛ぶので行く手の凹んだ壁の砲台をやっつけておけるといった具合です。
2020-11-01 10:11:53またワイドビームは横に広がってから前方に飛んでいくので、それをうまく活用すると壁の向こう側の砲台を倒しておくことができると気付いた時は、これは美しい仕様だ! と思ったものです。 つづく pic.twitter.com/5GaJG3yMdG
2020-11-01 10:12:25このころ各面の最後にボスを創るために、「アルゴスの戦士」のディレクターのI君や「キャプテン翼」のTさんにも協力してもらって、仕様を作成しました。 お陰で1面はI君のセンス大爆発でトドの滝登りという独特なものになりました。 pic.twitter.com/xnQk75F4D7
2020-11-07 18:19:58こうして全体のゲームバランスが見えてきて、固まってきたので、ロケテストしてみようという事になり、3面位まで入ったバージョンを飯田橋の自社ロケに設置しました。 そして朝からずっとテストの模様をお店の隅から見ていたのですが、そこで衝撃的な光景を目の当たりにしたのです!
2020-11-07 18:20:18朝からロケテストを店の陰から観察していると、次々に人が入ってきてお目当てのゲームで遊びだします。 そのうち他にはどんなゲームがあるのかを物色しだす。 「ジェミニウィング」の前で立ち止まる。(お!気付いた!)
2020-11-07 18:20:38立ったまま腰を屈めて取説を読む。(興味津々だ!) おもむろに座り、財布から100円を取り出し、入れる(やった!第一号) スタートボタンを押して、レバーをガチャガチャ動かして確かめる。(メンテナンスは確認済みだからOKでしょ?)
2020-11-07 18:20:55