【NINJAMADOKA】 第１部「ミタキハラ炎上」より　「ゲイシャ・カラテ・ミラクル・アンド・マジック」#７　（@watanabe052 さん作）

渡辺零 @watanabe678

ピポピポピポリピピピポピポリピポピー。マドカを取り囲む液晶画面からはニューロンを責め苛む電子音が発せられ続け、「マドカが悪い」「おマミる」「インガオホー」等の赤色ＬＥＤ文字がよどみなく流れる。ブッダ！　これではどんなに強靭な意志力を持つ人間でもマジョ空間に取り込まれてしまう！

渡辺零 @watanabe678

「すっごいぜ！すっごい！」どこからともなく現れたツカイマ達が、マジョ空間内を漂うマドカの四肢を掴んだ。「ま…まさかこれは…アイエエエエエ！」マドカの四肢がそれぞれ万力めいた力で引っ張られる！「アイエエエエエ！」

渡辺零 @watanabe678

ナムアミダブツ！　これぞ、あまりの残虐性から江戸時代に禁止されて久しいケジメ・ジツのひとつ、ヤツザキ・ケジメに相違ない！　「アイエエエエエ！」

渡辺零 @watanabe678

「すっごいぜ！すっごい！」がっちりとマドカの四肢を掴んだツカイマ達は、てんで好き勝手な方向へとそれを引っ張り続ける！　ブチブチブチ！　「アイエエエエエ！」たまらず両手両脚の骨と肉が悲鳴を上げる！

渡辺零 @watanabe678

「アイエエエエエ！」マドカの右腕が音を立てて軋む！「アイエエエエエ！」マドカの左腕が音を立てて軋む！「アイエエエエエ！」マドカの右脚が音を立てて軋む！「アイエエエエエ！」マドカの左脚が音を立てて軋む！「アイエエエエエ！」

渡辺零 @watanabe678

ブッダ！　なんたる残虐刑！　このままではマドカが五体を引き裂かれた無惨な死体に変わり果てるのも時間の問題だ！　（（（アイエエエ……もはやこれまで……）））

渡辺零 @watanabe678

マドカは突然降って湧いた急転直下の不幸を思い、はらはらと涙を流す。ママ、パパ、タツヤ＝チャン……ごめんなさい……。逃れようのない責め苦にマドカは観念し、ハイクを詠もうとした。だがその時だ！

渡辺零 @watanabe678

「Wasshoi！！」禍々しくも躍動的な掛け声がマジョ空間内に響き渡ったかと思うと、青いマホー装束の少女がこのキリングフィールドへと唐突に乱入してきたのだ！彼女は一体何者なのか？マドカが思案を巡らせる間もなく、青の少女はツカイマ達の方へと一目散に跳んだ！

渡辺零 @watanabe678

「イヤーッ！」ブリッツクリーグめいた電撃的斬撃が空気を切り裂く！「「「「グワーッ！」」」」マドカの手足を掴んでいたツカイマ達が一斉にトマトめいて爆発死！瞬く間に血肉の染みと化した！一度の攻撃で四人が死亡！

渡辺零 @watanabe678

「イヤーッ！」青の少女は余勢を駆って、マジョ空間内の液晶画面を破壊！　乱入からこの間、わずか一呼吸。目にも止まらぬ速度である！　なんたる早業か！？

渡辺零 @watanabe678

「サヤカ＝チャン……？」縛めと責め苦から解放されたマドカが、音もなく着地した青の少女を見やりながら呟く。そう、マドカを救ったこの青装束の少女こそ、願いを対価にＱＢ＝サンとの契約を果たし、ニンジャジェムの輝きを得たミキ・サヤカ、その人であったのだ！

渡辺零 @watanabe678

腕を組んだ直立不動のポーズを取ると、サヤカは拳と掌を合わせて静かにオジギした。滾る殺気を象徴するかのように、サヤカの纏うマント装束が風も無いのに後方へと吹き流される。「ドーモ、マドカ＝サン……。マジョ、死すべし！！」

渡辺零 @watanabe678

先刻斃したのはツカイマに過ぎない。マジョを仕留めねば、このサツバツとした空間から脱出することなど不可能なのだ。意を決したサヤカはカタナを構えた。その刀身には極太ミンチョ体で「カ タ ナ ブ レ ー ド ツ ル ギ」と彫り込まれている。ナムアミダブツ！なんたる邪悪な印象を与える刃！

渡辺零 @watanabe678

第１部「ミタキハラ炎上」より　「ゲイシャ・カラテ・ミラクル・アンド・マジック」＃７終わり　＃８へ続く　（このエピソードは＃８で完結します）