自炊代行バッシングと反ブックオフキャンペーンの類似──漫画家・佐藤秀峰の指摘

「自炊代行業者イジメが始まってるみたいですが、ブックオフのネガキャンの時と同じ匂いを感じる」(佐藤秀峰) 出版社が“自炊”(紙の出版物をスキャンし電子データ化すること)を代行する業者に対するバッシングを強めています。 著作権をタテにとった、こうした出版社側の動きに対して、漫画家の佐藤秀峰さんが、疑問を投じています。 比較として例示されているのが、かつて同じように、出版社や漫画家によるネガティブキャンペーンが行われた、新古書店・ブックオフへの対応と、“その後”です。
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@shuhosato

自炊代行業者イジメが始まってるみたいですが、ブックオフのネガキャンの時と同じ匂いを感じる。僕の著作は自由に自炊も代行もしてもらって構わないと言うか、大歓迎です。このままでは誰も漫画を読まなくなると思う。 http://t.co/JuzPLgJ

2011-09-10 00:31:56
@shuhosato

これは「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」が2001年に発表した緊急アピール文です。 当時、問題となっていたブックオフなどの大型新古書店に対するネガキャンの一環で、当時のあらゆる漫画雑誌に掲載されました。 http://t.co/4A8VKm4

2011-09-10 00:38:54
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@shuhosato

会の会員リストを見ると、あだち充、井上雄彦、かわぐちかいじ、北見けんいち、小池一夫、さいとう・たかお、白土三平、ちばてつや、弘兼憲史、(敬称略)…などなど、漫画界のそうそうたるメンバーが揃っています。 http://t.co/vd7pJLE

2011-09-10 00:40:51
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@shuhosato

新古書店は漫画文化を破壊する物だとして、当時、出版社、漫画家が一丸となって、反対運動が展開されました。では、現在この運動はどのような結果になっているでしょうか? http://t.co/4A8VKm4

2011-09-10 00:46:46
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@shuhosato

何と大日本印刷を始め、講談社、小学館、集英社など出版大手が、ブックオフの筆頭株主になっています。 http://t.co/N4nM4dW

2011-09-10 00:51:11
@shuhosato

出版社と漫画家は協力して、ブックオフを潰そうとしたはずですが、気がつくと、出版社はブックオフの株主になっていました。 これは一体どういうことでしょうか?

2011-09-10 00:53:32
@shuhosato

よーく考えると見えて来るのですが、本が売れなくて困るのは、実は漫画家ではなく、出版社です。漫画家は原稿料が貰えて、印税に変わる収入が入れば、今までと同じ生活ができます。ですが、出版社は紙の本が売れないと潰れてしまいます。

2011-09-10 00:58:15
@shuhosato

つまり、出版社的にはブックオフを潰すか、傘下に収めることができれば、紙の本をコントロールできるという意味で同じです。 彼らは賢いので、ブックオフの株を取得することにしたようです。

2011-09-10 01:00:30
@shuhosato

この結果を今回のことに当てはめて考えてみるとどうなるでしょうか? 自炊代行業者が流行って困るのは、漫画家ではなく出版社です。

2011-09-10 01:08:02
@shuhosato

漫画の舞台が紙から電子に移り始めているだけなのだとすれば、漫画家は次の舞台で執筆すればいいだけ、とも言えます。 漫画家と出版社は表裏一体、一心同体と編集者から言われ続け、漫画家はそんな気分になっていますが、電子書籍が流行れば、漫画家はそこを拠点に活動することも可能です。

2011-09-10 01:11:06
@shuhosato

漫画家は「自炊代行禁止!」と叫ぶことで、自ら出版社と運命を共にしようとしている気がしてなりません。 出版というのは、紙に情報を印刷して、世の中に広く流布させることを指します。 つまり、電子出版というのは、便宜上使っている言葉で、出版ではないのです。

2011-09-10 01:16:17
@shuhosato

一方で、出版社連合は国に著作隣接権を要求しています。 出版社から販売された書籍に関して、出版社が永続的に権利を集中的に管理することを求めているのです。 http://t.co/gsp2VAN

2011-09-10 01:24:24
@shuhosato

現に昨年、大手出版社は、関係する漫画家に一斉にある契約書を送付しました。 紙の出版に留まらず、電子出版の権利も出版社に独占的に認める、という内容の契約書です。 この契約書に判を押すと、漫画家は出版社の許可なく電子書籍を発表できなくなります。

2011-09-10 01:30:57
@shuhosato

この契約書には、すでに数万人の漫画家がサインしており、それにより出版社は自社で出版しているコミックを自動的に電子書籍サイトに流すことができるようになっています。

2011-09-10 01:34:01
@shuhosato

講談社はソニーのリーダーを全社員に配布したそうですが、リーダーストアに出ている漫画コンテンツは、この契約書に則って、漫画家の意向とは関係なく配信されています。 そして、このような事は今後もどんどん起こっていくでしょう。 http://t.co/W6QOXC3

2011-09-10 01:40:05
@shuhosato

漫画家は、ブックオフの時と同じ間違いをたどるのでしょうか? 出版社と一心同だと思い込み、まんまと乗せられて、権利を奪われるのでしょうか? そんな事を危惧しています。

2011-09-10 01:46:34
@shuhosato

改めてお答えしますね。@yukiyamahara これは僕も以前から知りたかったのですが、レンタルでは印税が発生すると理解してます。しかし新古書店での流通では著者への印税が入らない事になりますが、今言われたその印税にかわる収入というのは実際に出版社からあるんでしょうか??

2011-09-10 01:56:44
@shuhosato

レンタルコミックはロイヤリティが発生します。 貸与権センターだったけな? そこにお金が振り込まれて、漫画家にも分配されるようになっています。 新古書店においては、漫画家に二次的に印税に替わるお金が振り込まれたという事例はありません。 出版社のみが利益を得ています。

2011-09-10 02:00:08
@shuhosato

ただ、僕としては新古書店に賛成で、娯楽の中心が携帯やスマホに移り変わっている時代に、紙の漫画を読んでくれる読者は貴重だと思っています。 仮に新古書店や漫画喫茶をなくしたら、漫画の潜在的な読者数は激減するだろうと思います。 ”読んでもらえるだけありがたい”という感覚が希薄ですよね。

2011-09-10 02:04:21
@shuhosato

結論として改めて言うと、僕の著作は自炊代行も、新古書店や漫画喫茶で読むのも、you tubeにアップロードするのも全部アリです。 結果的に作品が有名になれば仕事が増えるので、今の所、断るのが大変なくらいです。

2011-09-10 02:10:17
@shuhosato

漫画喫茶や新古書店、レンタル、違法コピーが産み出す潜在的読者を無視して、「お金を払って読んだ人だけが読者」とするならば、漫画の読者はとても小さい数になると思います。 その潜在的読者が、次にお金を払ってくれる読者になるかもしれないし、そこを閉じたら漫画に未来はないですよね。

2011-09-10 02:27:27
@shuhosato

僕は若い頃、古本屋で安く大量の漫画を買って刺激を受け取り、漫画家になったし、新古書店反対とか、自炊反対という人は、一度もそのようなサービスは利用したことがなく、CDを友達に借りてダビングした事がない様な人なんだと思いますが、それで漫画文化は発展するんでしょうか?と思います。

2011-09-10 02:32:58
@shuhosato

漫画の未来と、自分の未来とどっちが大切って、漫画の未来に決まってるだろう、と思います。 僕が消えても漫画はありますが、漫画がなくなったら、僕が存在できないわけですから。 それが利己主義ってもんでしょう?

2011-09-10 02:42:33
@shuhosato

お、まとめてくださった方がいらっしゃいます。ありがたいっす。@as_daisuke: 「自炊代行バッシングと反ブックオフキャンペーンの類似──漫画家・佐藤秀峰の指摘」をトゥギャりました。 http://t.co/xREfht4

2011-09-10 09:08:38
@shuhosato

ブックオフ問題について補足。 ちょっと古い物になりますけど、コミック誌、コミックスの販売金額の推移を表すグラフです。 http://t.co/O6lLEQm

2011-09-10 15:52:49
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