ちょっと創作上必要な整理事項があるので、「進撃の巨人」を枕にして論じる。先に断っておくと俺のためのメモ書きなので、憶測に基づいて私見を述べる程度のもの。普遍性は無いと思って頂きたい
2011-09-10 14:48:15単純に何で「進撃の巨人」なのかっつうと、これは百万部売れてる漫画でありながら俺の感性が鈍いがゆえにイマイチピンと来てないから。そこを理屈で叩き伸ばして方程式化しようということ。
2011-09-10 14:50:13もちろん進撃の巨人が大変優れた作品であることに全く異はないけども、これが百万!?って言われると俺の中でどうにも整合性が取れない。俺の中ではこういう作品って「好きな人が熱烈に好き」というジャンルだったから。
2011-09-10 14:52:04しかし単刊百万部超えるような作品というのは「好きな人が居る」っていうレベルの話じゃなくて、社会と時代が選んだ作品ってことだ。ていうことはこれが分からんというのはヤバい。俺がヤバい。
2011-09-10 14:53:33ここからは完全に推定でモノを言うけども、進撃の巨人のメイン読者層って16歳から23歳くらいまでじゃねえんだろうか。根拠はネットで観測する限りに置いての、俺の印象でしかないんだけど。
2011-09-10 14:56:51で、だ。まず進撃の巨人はファンタジー世界が舞台となっている。ファンタジー世界っていうのは好き勝手に構築出来るようでありながら実はそうではない。受け手が共感出来る世界観でないと結局「どうでも良い夢の話」になってしまう
2011-09-10 14:59:50どうでも良い夢の話に興味をもつ奴は居ない。逆説的に進撃の巨人の世界はファンタジーでありながら非常にリアルである、少なくとも読者にとっては、ということだ
2011-09-10 15:01:01今更世界観の説明などかったるいのですっ飛ばすが、進撃の巨人の世界観が一体なぜリアルなのか。少なくとも百万人近い人間にとって、主人公たちの戦いは感情移入するに足る物語である。つまりそれは自分自身の現在の姿と登場人物たちに重なるものを感じているからだろう
2011-09-10 15:03:33こうやって要素を抽出すれば薄ぼんやりと見えてくるのは、巨人の世界が戯画化された日本に他ならないということだ
2011-09-10 15:07:32結局、進撃の巨人はファンタジーの体裁を取りながら現代人の苦悩を描いている。意識的にせよ無意識的にせよ、才能の為す業と言っていい
2011-09-10 15:11:14まあそういう意味でエレンにスーパーパワーを与えたことが作品の方向性として合致しているかと言われれば正直疑問もある。
2011-09-10 15:13:19ただそれはそれとして、エレンの力は万能ではないし、自らをも危うくする諸刃の剣として扱われているのでそれはそれでこの先に何かあるのだろうと期待する。
2011-09-10 15:14:46ただ人の身で出来うる限りのテクノロジーと能力を駆使して負け戦を戦う主人公たちは、間違いなく行き詰まりつつある現代日本でそれでもなお社会に立ち向かわねばならない若い人たちの代弁者であると言える
2011-09-10 15:17:22翻って、進撃の巨人という作品に「?」を呈する人々というのは、おそらく社会的地位を固め経験も積んだ年長者層ではないのか。まあこれも印象論だけど。見聞きする限りそんな感じ。
2011-09-10 15:20:26作中で苦悶する人物たちに自らの姿を見いだせない年長者層こそが、現実世界の巨人であり、壁であり、貴族たちとも言える。
2011-09-10 15:23:23だからそういう人は人間をガツガツ食ってる巨人を見て「美味しいね!良かったね!」っていう気持ちで読めばいいんじゃなかろうか。あるいは登場人物の誰をどんなふうに食うのが一番美味しいかと楽しむ。俺はあのそばかすの女の子を噛まずに長時間口の中で転がしたい。
2011-09-10 15:26:48だからクソみてえな偽ファンタジーが量産されるのは、結局ファンタジーって俺の夢の話じゃん?って思ってる人が多いからだろうな
2011-09-10 15:30:40俺自身、進撃の巨人の作中で誰かに感情移入はできないのだけども壁や巨人になれるほど偉くないので、単に自身がああいう世界に生きてないと思ってるんだろう。そういう奴も居る。単なる暢気者。
2011-09-10 15:36:05ただエンターティメントの主権が「退屈している貴族たち」から「切羽詰まった人々」へシフトしつつある、というのは間違いない
2011-09-10 15:39:07