霧社事件を扱った問題作　『賽德克巴莱（セデックバレ）』　を見た、台湾の人の感想

台湾人 @Taiwanjin

映画 『賽德克巴莱（セデックバレ）』を鑑賞。日本統治時代、台湾の原住民と日本人たちが衝突した「霧社事件」を題材にしている作品だが、それを理由にこの映画を「抗日映画」「反日映画」と唱える人は映画を観ていないか、理解する頭を持ち合わせていない。http://t.co/3yd5VUk

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（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き１）　そして、その思いは映画館内での同じ台湾人の観客たちの姿にも見られた。多くの台湾人の映画に対するリテラシーの低さには、驚き、憤り、失望した。もしかして、私が観ている映像と、彼らが観ている映像は実は全く別のものなのではないか？　とさえ思った。

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（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き2）劇中、日本人が原住民に殺されていく場面で、場内はたびたび爆笑に包まれた。まるでホラーコメディかのように。他人を貶めるような発言はするべきではないが、敢えて言いたい。彼らは日本人、原住民、そして何よりもこの作品自体をも冒涜している愚か者だ。

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（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き3）たとえば、原住民の子供たちが、担任の日本人教師を襲う場面。刃物をつきつけられた教師は「待ってくれ！たしかに私はお前たちを殴った。それは謝る。しかし、それは教育としてなんだ！日本人の子供であっても悪いことをしたら俺は同じように殴る！」と叫ぶ。

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（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き4）それに対して原住民の子供は「でも、僕たちの方が沢山殴られた！」と言い、殺してしまう。そして、何故かそこで場内には爆笑が起こるのだ。この愚かな観客たちは「原住民の子供を虐めていた教師が子供に復讐されて命乞いをしている」とでも捉えたのだろう。

台湾人 @Taiwanjin

（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き5）　教師の子供に対する体罰。現代は許されないが、当時はそれが当然だった。もちろん、そこに原住民への差別意識もあったかもしれない。しかし、教師の意図は概して子供には理解できないことが多い。自分が同じ大人になり初めて知る「師の恩」もあるだろう。

台湾人 @Taiwanjin

（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き6）まして、日本人の教師と原住民の子供では、互いの理解はなお難しい。日本人の教師としての誇りと、祖先の土地を取り戻すべく戦う父親らの姿を見て芽生えた子供たちの戦士としての誇りが、相容れず、「死」をもって初めて両者の関係が強く結ばれる場面である。

台湾人 @Taiwanjin

（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き7）教師を殺した後、子供たちは同じ建物にいた日本人の女性や同級生たちも手にかける。その時、彼らはたどたどしい日本語でこう言う。　「永遠の友達になろう」　日本人と共にあり続けることを、彼らはこのような形でしか実現できないという哀しい場面だった。

台湾人 @Taiwanjin

（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き8）　たしかにこの作品には残虐な映像が多い。しかし、その残虐さの中にはそれぞれの強い意思がある。ホラー映画の残虐さと同列に扱い批判する評論家や、胸のすく復讐劇と勘違いしている観客たちは愚かだ。そしてそういう人たちの方が多数なのが残念でならない。

台湾人 @Taiwanjin

（『賽德克巴莱（セデックバレ）』続き９）　この作品は二部構成で、第一部は霧社事件の発生まで、第二部は体勢を整えた日本軍が彼らを掃討するまでを描いています。どちらが正義でどちらが悪という視点はなく、この時代の日本人と台湾原住民の誇りをかけた戦いを、ただ一つの物語として紡いでいます。

台湾人 @Taiwanjin

（『賽德克巴莱（セデックバレ）』終わり）　観終わった後の熱さと、満員なのに本質を理解した観客が少ないことへの憤りに任せ連続投稿してしまい、申し訳御座いません。この作品はいろんな誤解で日本での上映は厳しそうですが、それでもなお、少しでも多くの日本の方に観て頂きたいと強く思います。