【発表のノウハウ】日本語学者が学会に参加したときに思ったことが為になりすぎる!!

日本語学者で大学教員をされている、田中草大さんがツイートされました。
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田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

昨日今日と日本語学会に参加していて、分かりやすい発表ということについて、聞き手の立場からいくつか思ったことがあるので以下にまとめておきます(もちろん自戒を込めて)。

2022-05-15 22:58:39
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

1. 一番大事なのは、「何を解決したいのか(何が問題なのか)」をはっきりさせること。これはクドいくらいやった方がよいと思う。ここが呑み込めないまま話が進んでも、聞き手はノレない

2022-05-15 22:58:39
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

実は「学生セッション」では、この点が気になることはなかった。学会が提供しているテンプレに則っていて、目的を最初に明示することが自然とできているからだと思う。

2022-05-15 22:58:40
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

2. 「どういう方法でそれを解決するのか」についてもハッキリ述べるべきだと思います。ここが曖昧だと、「いま聞かされている話は何に繋がるのだろう?」ということが聞き手によく分からないかも知れない(これは聞き手の集中力を大きく削ぐ)。

2022-05-15 22:58:40
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

3. 用語の説明はきっちり行っておくべき。限られた時間で用語の説明をするのは惜しいので、つい割愛したくなるけれど、聞き手がここを掴んでいないと結局話の内容も理解できない。 説明を省く場合も、「ここを見れば書いてあります」ということを示す。

2022-05-15 22:58:40
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

4. 事象の解釈を示す時に、「なぜそう解釈できるのか」をなるべく丁寧に説明してほしい。ここが理解できないと、聞き手は脱落してしまう

2022-05-15 22:58:41
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

5. 時間を守る。これは私だけじゃないと思うけど、持ち時間が過ぎた途端に「まだ喋ってるのか・・・」「はよ終われ・・・」という気持ちになってしまう(私だけか?)。

2022-05-15 22:58:41
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

【スライドについて】 1. いわゆるパラグラフ・ライティングの考え方を採用すべき。つまり、「そのスライドで言いたいことは何か(=トピックセンテンス)」を自分の中で明確化して、それをスライドの最初か最後に置く。 「このスライドで何を言いたいのか?」となると、聞き手の集中力が削がれる

2022-05-15 22:59:32
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

2. スライドに文章をつらつら書いて、発表でそれをそのまま読み上げるというのはやめた方が良い。途端に聞き手の集中力が失われる(これも私だけか?)。 たぶん、スライドには(パラグラフで言う)トピック・センテンスと、データだけを示すのが理想

2022-05-15 22:59:54
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

スライドと言えば、色々なスライドを見ると自分が作るものの参考になって楽しい。一時に比べて、シンプルなものが増えた気がする。今回見た中では、背景は全くの白紙で飾りもゼロ、テキストも、1スライドあたり2,3行で本当に要点を絞ってあるという、潔いものがあって憧れた。

2022-05-15 23:00:26
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

ただこの場合、たぶんスライド以外にも読み上げ原稿的なものを作っておく必要がありそう(または事前練習を相当積むか)。つまりシンプルでラクなようで実は陰の努力を要する。優雅な白鳥は水面下で必死に足を漕いでいるのだ。

2022-05-15 23:04:06
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

・・・私はものぐさなので、スライドをシンプルにしつつも、スライドだけ見て話すべき内容が大体思い出せるような、ええ塩梅を探りたいなと思った。

2022-05-15 23:04:07
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

【質疑応答】 1. 「訊かれたことに最初にズバっと答え、補足説明はあとに回す」というのが鉄則。質問に関係あるかないか分からないことは、そもそも言わない方が良い。もっともここらへんは専ら自戒。今回の学会で見た範囲では、皆さん良い感じに応答されていた。

2022-05-15 23:04:07
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

2-1. 質疑応答は、答える側だけでなくする側も難しい。要点は「最初の質問は手短に」。ここでダラダラ話されると、会場の雰囲気がどんどん悪くなっていく。

2022-05-15 23:04:08
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

2-2. 上記と密接に関係するのだが、「自分は何を訊きたいのか」を自分の中で明確化すること。時々、質疑の場で、関係あるようなないような話を延々とする人がいるが、これは「自分は何を訊きたいのか」がハッキリしていないから、あるいはそれ以外のことも話そうとするから(気を付けねば・・・)。

2022-05-15 23:04:08
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

2-3. 最初の質問を短く切り上げても、その後の回答に何度も食い下がってしまうと自分が取る時間が長くなってしまう。実は今回私はこれをやってしまった。お恥ずかしい。

2022-05-15 23:04:08
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

・・・しかし言い訳がましくなるが、分からない点が残る場合に自分がどれくらい時間を取っていいのか、というのは、質問者にはなかなか分からない。そうした場合はぜひ司会者に毅然とした対応をお願いしたい。

2022-05-15 23:04:09
田中 草大 (タナカ ソウタ) @_sotanaka

5月22日(日)の訓点語学会、参加申し込み締切りは本日15日です。会員でなくても無料で参加いただけます! 今回もオモシロそうな発表ばかりですので、うっかりまだ申し込んでいない方は学会サイト(kuntengo.com/conference/)へダッシュだ! pic.twitter.com/aqHj7W9w4v

2022-05-15 18:39:54
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