「インボイス制度反対」漫画を描いたお左翼さん、青識亜論さんに完全論破される!!

「インボイス制度反対」漫画を描いたお左翼さんが、青識亜論さんに完全論破されました。
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tii @winter5515

インボイス反対の漫画を描きました。 アニメや漫画やゲームや舞台や小説や、推しに生かされてる全オタク読んでください!(1/4) #私の未来にインボイス制度はいらない pic.twitter.com/A7M89ZNzDE

2022-06-10 16:24:05
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青識亜論さんに完全論破される

青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

1ページ目の消費税とインボイス制度の説明はいいですけど、そのあとの税金に関する説明はデタラメもいいところです。はっきり言って酷い。この種のなんでも国債発行すれば解決的な話は、経済学の理論をまったく無視したもので、反ワクチン言説などと同じく非科学的なデマです。 twitter.com/winter5515/sta…

2022-06-11 14:28:32
青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

まずいきなりズルッとこけるのがこのコマ。これはバケツの中のお金の量(=世の中に出回っている現金の量)を表す表現としてはいいですが、別に税金はどこかに消えているわけではなく、政府のお財布に入ってちゃんと適正に使われています。税金は財源です。 pic.twitter.com/GwaB7NcJMO pic.twitter.com/O75YdQRScN

2022-06-11 14:28:33
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

経済学的に言うと、「貨幣経済」と「実物経済」をちゃんぽんに論じているために「税金は財源ではない」みたいなすっとこどっこいな話が出てくるわけですね。まず、貨幣の話をいったん置いておいて、実物経済の話を考えてみましょう。

2022-06-11 14:28:34
青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

私たちの経済というのは、基本的に「市場経済」と呼ばれるもので、自由な経済活動をするなかで、より需要があるもの(売れるもの)を各自が考えて作っているわけです。基本はこれでOK。みんなが必要としているものは、儲かるから、誰かが作ってくれて、うまく経済が回っていく。神の見えざる手ですね。 pic.twitter.com/BFsmGGDrRO

2022-06-11 14:28:35
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

ところが、市場経済だけでは供給されない物品というものもあって、それが「公共財」と呼ばれるものです。公園や道路のようなインフラや、軍隊や外交・安全保障といったものは典型ですね。なので、市場経済においても、税金をとって、政府が経済活動をする意味があるわけです。 pic.twitter.com/TrQopFEnij

2022-06-11 14:28:36
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

で、じゃあ、パンとか車とか家とかを作っている民間の工場や労働者をどうやって政府が使うのかって話になりますよね。市場経済に任せていればお腹いっぱいパンが食べられるのに、なんで政府の言いなりになって別のものを作らないといけないのか、って話になります。

2022-06-11 14:28:37
青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

ここで、政府は二つの方法を持っています。一つが、パンを食べる量を減らしてもらうこと、これが税金です。パンを持ってる人にちょっと我慢してもらうってやり方ですね。もう一つが、いまパンを食べるのを我慢してくれたら、将来、ちょっとだけたくさんパンをあげる、と約束をすること。これが国債。 pic.twitter.com/RzzZuu7W60

2022-06-11 14:28:38
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

で、ここから少し貨幣ベースの話を考えてみましょう。税金で公共事業を行った場合、政府は市場からもらったお金を、そのまま支払うだけなので、市場にある貨幣の量は差し引きゼロです。パンを我慢してもらったぶん、公園とか道路とかを作るという、普通のやり方ですね。 pic.twitter.com/UNdncMi3Sm

2022-06-11 14:28:39
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

一方、二つ目の手段、「国債」を発行した場合、どうなるかを考えてみましょう。政府の国債を買った人々は、税金でとられた場合と違い、自分の財産が減ったとは考えません。今パンを食べる代わりに、将来パンを食べる約束を得た、と考えるのです。この「約束」のことを経済学用語で「信用」と言います。 pic.twitter.com/SpGNEgln1N

2022-06-11 14:28:40
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

そうすると、パンの生産量は増えていないのに、現在食べられるパンと、将来もらえるパンとで、あたかも社会全体のパンの量が増えたかのように見えます(信用創造)。同じように政府がお金を使うのでも、「税金」と「国債」では、経済に対して異なる効果がもたらされることがわかります。 pic.twitter.com/3u78MFOCa9

2022-06-11 14:28:41
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

こう考えていくと、「国債は返す必要はない」ということが言われますが、これ自体は正しいことがわかります。パンを食べるのを先送りにしてもらい、代わりに道路を作って、社会全体の小麦やパンの生産量を増やして、ちゃんとパンを食べさせてあげられれば、全員がWIN-WINです。

2022-06-11 14:28:42
青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

そして、実は、この「国債」という便利な手段は、さらに重要な機能を持っていることが、二十世紀の初頭、一人の偉大な経済学者によって解き明かされます。彼の名はジョン・メイナード・ケインズ。国債発行(財政出動)こそが、不況とデフレの特効薬であると彼は説きました。 pic.twitter.com/pVGqpjqwaT

2022-06-11 14:28:43
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

さて、最初に説明した実物経済を思い出しましょう。市場が完全に機能している状態(左)ならいいですが、実際には、経済には波があり、「不況」が発生することがあります(右)。倒産と失業の連鎖により、生産力はあるのに商品が生産されない、という事態です。 pic.twitter.com/TCPNKq7y15

2022-06-11 14:28:44
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

この「不況」のことを、経済学用語で「信用収縮」と呼びます。将来への不安から、せっかくパンがあっても、もそもそと、ちょっとだけしか食べず、消費を切り詰める。そのせいで、パンを生産していた工場が倒産する。さらにそれが将来への不安を煽る……この連鎖です。 pic.twitter.com/LqfVatccRc

2022-06-11 14:28:45
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

二十世紀以前の経済学では、この不況に対しては黙って耐え忍ぶしか方法がありませんでした。しかし、世界恐慌によって全世界が不況に陥る中で、ケインズは「政府が公共事業を行うことによって、景気をコントロールできる」という新しい理論を提唱します(ケインズ革命)。 pic.twitter.com/9Yk2SYIlvB

2022-06-11 14:28:46
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

国債を発行し、公共事業を行うことによって、止まった工場を再稼働させ、失業者を雇用し、そしてパンを食べられるだろうという期待(信用)を国債によって供給してやるわけです。もそもそパンを食べていた人たちは、将来不安が解消され、再び腹いっぱいパンを食べるようになる。 pic.twitter.com/dzGWUl4SAU

2022-06-11 14:28:48
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

いいことづくめのように見えますね。ところが、このケインズ理論が一般化した結果、行き過ぎが生じます。国債は「将来パンを食べられる約束(信用)」だったことを思い出してください。実態以上にみんながパンをたくさん持っていると錯覚したとき、先程の不況と逆のことが起きます。 pic.twitter.com/VNNLfWw75e

2022-06-11 14:28:49
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

それが起きたのが、70年代のアメリカです。過剰な財政出動とオイルショックの影響によって、生産力以上に消費が行われた結果、激しいインフレに見舞われます。ケインズ理論が見直され、80年代以降は、財政のバランスの重要性が再び意識されるようになりました。 pic.twitter.com/eXTrSakwAz

2022-06-11 14:28:50
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青識亜論(冷凍) @Frozen_Sealion

さて、それでは再び、マンガのコマを思い出しましょう。国債が金(信用)を生んでいるというのはそのとおりです。問題は、蛇口を財源として、目一杯ひねったときに、なにが起こるのかということ。 pic.twitter.com/SpIt7LeHES

2022-06-11 14:28:51
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