石工の魔女と飛ぶ鉄を駆る空の賊
- motikinako_kuzu
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「ふたつめ、あなたは二度と、竜の巣に挑めない。わたしがちぎりとった神秘の残りは、まだここに嵐として残る。でもあなたを受け継いだ人も、神秘として生まれる。神秘は神秘の中に入ることはできない」
2022-07-28 02:18:18「みっつめ、あなたは愛でわたしに縛られる。わたしは、わたしを愛してくれる、綺麗なものの魂を目覚めさせてあげるだけだから」
2022-07-28 02:19:38血を失い、意識を失いつつあるエイルは確かに頷いた。 「……ひとつ、言わせてくれ」 エイルは囁き、魔女に顔をよせた。
2022-07-28 02:21:00そして、最後の力を振り絞って魔女の唇を奪った。 「……例えそうだとしても、縛られるんじゃなくて、あたしがあんたを縛るんだ」 かすかに頬を持ち上げて見せた。最後の強がりだった。
2022-07-28 02:22:22魔女は医者ではない。けれども工芸においては並ぶ存在はなかった。エイルの傷口から引き出された血の流れが嵐の中に霧として溶ける。
2022-07-28 02:24:52嵐はエイルの面影を残した乙女の姿を取った。魔女を抱き抱え、そして、嵐に弾き出されるように竜の巣から外へと飛び出した。
2022-07-28 02:27:41胸に魔女を抱いた乙女はダーボン夫妻の飛機に並ぶ。 「エイルゥ! 随分と姿が変わったなぁ!」 嵐の乙女は戸惑いながら答えた。 「……エイルは、死んだ、あたしは別人だよ」 「そうかぁ? ダハハハ……まぁ構いやしねぇ! こいつが誰にせよなんかやべぇ! 逃げるぞカーちゃん!」 「あいよぉ!」
2022-07-28 02:31:48地上に向けて舵を取る飛機。 嵐の乙女はぞくりと自分の腹の奥底でうずいたものを感じた。 「……じゃあ、競争と行こうか」 嵐の乙女が、夫妻の後を追った。
2022-07-28 02:33:17「ぐえあぁぁー!!!」 「あんたぁー!!!」 「へ、あたしの勝ち!」 砕けた木片と共に夫妻は地上へと吸い込まれていく。 嵐の乙女は魔女を胸に抱いて勝ち誇った。
2022-07-28 02:35:34嵐の乙女は唐突に気付き、理解した。 この空中では、自分の胸の中にいる魔女も自身に抗いようが無いこと。自身が求めれば魔女はどうしようもなく答えること。魔女が作り出した自分の姿がどうしようなく美しいこと。その身体で魔女を貪ることが、きっとこの上ない快楽だろう事。
2022-07-28 02:38:32魔女は言葉を無くした嵐の乙女を見上げて、元々僅かだった衣服を脱ぎ捨て、空中へと放った。 エイルに口づけされた時も見せなかった、とろけた表情。伴侶だけに見せる顔。
2022-07-28 02:40:20石工の魔女が息も絶え絶えに声を挙げると、嵐の乙女は魔女の唇を自らの唇で塞ぎ、呼吸さえも左右した。嵐の乙女の陰茎は深々と魔女の胎内を占有しており、魔女の下腹部は吐き出された白濁でぷっくりと膨れ上がっている、魔女と嵐の乙女は未だ、天空にいた。
2022-08-09 15:23:39「……っ、あ♡ ゆびっ♡♡ ゆびイッてっ……♡♡」 ぞくぞくと快楽に悶える魔女の手足の指先を風が執拗に撫でる。快楽と皮膚感覚を結びつけられた魔女は最早手足を包む大気の揺れ動きにさえ快楽を感じる。
2022-08-09 15:24:58嵐の乙女が大気の揺らぎによって魔女をなぶる度に、魔女は喜びでもって答えた。嵐の乙女はその享楽の声を聞くたびに腹の奥から熱が燃え上がるのを感じ、途方もない情欲と愛しさが無限に沸き上がるのを感じた。
2022-08-09 15:26:10石工の魔女の矮躯の上で小さな嵐が踊る。色素が薄く、小さい乳輪を渦が押し潰し、ままならない呼吸は制御され、自我を失うことも許されない。嵐の乙女が求めるままに、石工の魔女は空に浮いて快楽を享受することしか出来なかった。
2022-08-09 15:28:41嵐の乙女が魔女にはあまりに大きすぎる怒張を、呻き声と共に引きずり出し、魔女の顔面に向ける。引き抜かれたものは魔女の胴体の胸までを埋めそうな大きさだが、これも根は風より生まれたもの。どんな大きさでも自由に形を変えて、魔女の胎の全てを埋めてしまうのだった。
2022-08-09 15:30:33