鏡の国の王子さま(仮)・現在進行形共同作品(非公式)古い順2

鏡の向こう側にうっかり足を踏み入れたギニュー特戦隊&ザーボン。 彼らが見て、出会ったものとは? 紗羅香とザーボン王子が共に綴り、互いの世界を『鏡』を介して共有する小説。 実況ツイート式でお届けします。 続きを読む
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@saraka4237

身動きが取れない状態で、どう切り抜けようか。思案した結果、ジースはあることを思いついた。 #sarass2

2011-10-02 17:40:58
@saraka4237

突然、誰かが叫んだ。『あっ!あんな所にザーボン王子がいるぞ!』その声に、別の誰かが反応した。「えっ?王子様?」「どこどこ?」「私、王子様に会いたい〜♪」周囲がざわつき始めた。『向こうに歩いて行ったぞ!』皆、一斉に振り向いた。 #sarass2

2011-10-02 17:41:37
@saraka4237

「よし!追いかけよう!」「サイン欲しいーっ!」「握手だよ、握手!」人々は王子の姿を求め、動き出した。「今だ!」ジースはギニューの腕を掴むと、流れに逆らってその場を離れた。 #sarass2

2011-10-02 17:42:10
@saraka4237

喧騒を離れた二人は、人通りの少ない場所に来た。「ここまで来れば、もう大丈夫かな?」ジースはゆっくりと深呼吸をした。それからギニューに向き直り、こう言った。「ギニューさんは人気あるんだから、もう少し考えて行動して下さいよ!」 #sarass2

2011-10-02 17:42:45
@saraka4237

尊敬するギニューだが、どうも今日はいつもと違う。ジースはつい、声を荒げてしまった。その剣幕にギニューは、「あ、ああ…すまなかった」と、素直に謝った。少し元気がない様子のギニューを見て、ジースは慌てて言った。「えっ?あ!オ、オレこそ生意気なコト言っちゃって…」 #sarass2

2011-10-02 17:43:22
@saraka4237

申し訳なさそうな顔をしていたジースだが、急に笑顔を作ると、「ギニューさんはここにいて下さい。買い物はオレがしてきますから!」そう言い残し、街の中心部へ戻っていった。 #sarass2

2011-10-02 17:44:34
@saraka4237

残されたギニューは、先程の衝撃から未だ立ち直れないでいた。「ファンクラブだと?戦いにそんなものは必要ない。だが…」自分で認めてしまった、と言うことにギニューは悩んでいた。「それにしても…」ふと感じた疑問を口にした。「ファンクラブとは…一体、何だ?」 #sarass2

2011-10-02 17:45:11
@saraka4237

根本的な部分を理解していないギニューは、新たな悩みを抱えてしまった。しばらくの間、腕を組んで考え込む。と、ふいに声を掛けられた。「へぇ…お前さんが噂の人物か…」振り向くと、そこに男が立っていた。 #sarass2

2011-10-02 17:46:01
@saraka4237

変わって、こちらはとある駐車場。車の上に落ちたリクームは、目の前に怒り狂う人物がいると言うのに、「んぁあ?誰かと思ったら、ザーボンちゃんじゃない♪」と暢気な声を上げた。 #sarass2

2011-10-02 17:46:35
@saraka4237

「なんだぁ?どうしちゃったの、その格好!」リクームはザーボンの姿を認めると、ゲラゲラと笑い出した。 #sarass2

2011-10-02 17:47:05
@Z0211_2

(なっ!!こ、こいつ・・・笑いおって・・・!!変身するという脅しも効かぬとは!!) 「な、なにをそんなに笑っておる!!私の格好より今はこのジェットカーだ!!」 「なに言ってんの~?ザーボンちゃん。オレはこれがあったから助かったんじゃない!」 #sarass2

2011-10-02 21:59:46
@Z0211_2

(トランクのパネルがぺしゃんこになっているというのに、なんという前向きな考えなのだろう・・・。) まあ、確かに少しでもずれていたら、リクームは大怪我、いや、もしかしたら命を落としていたかもしれない。 #sarass2

2011-10-02 22:00:07
@Z0211_2

そう考えると、この惑星の王子としてジェットカー1台ごときでいちいち大騒ぎしていることが少々恥ずかしく思えた。 「・・・・・はぁ・・・仕方ない・・・。そうだな、これがあって助かったのならば、それでよいか・・・。」 #sarass2

2011-10-02 22:01:12
@Z0211_2

(だが、これでは城に戻れない。逆に目立ってしまう。その前に恥ずかしいしな…)携帯電話を取り出し、私は修理屋を呼んだ。「車は修理屋が取りに来てくれるから、それは心配せんでよい。しかしな・・・」私が腕組みをして困っていると、リクームがキョトンとした表情で尋ねてきた。 #sarass2

2011-10-02 22:02:30
@Z0211_2

「ザーボンちゃんでも困ることあるんだ~?どうしたの~?」 「・・・・リクーム・・・お前、この状況を分かっておるか?ここから城までジェットカー無しでどうやって帰れと言うのだ?一体何時間かかると思っておる?おやつの時間に間に合わぬだろう・・・。」 #sarass2

2011-10-02 22:02:47
@Z0211_2

「おやつ?!」 その単語に目をキラリと光らせたリクーム。 「今日は私の好きな『クリーム・ブリュレ』なのだよ・・・はぁ・・・ギニューの作る『クリーム・ブリュレ』は絶品なのにな・・・はぁ・・・。」 #sarass2

2011-10-02 22:03:20
@Z0211_2

ため息をつく私とは対照的に嬉しそうな顔のリクーム。 「そんなの飛んで行けばいいんじゃないの~?」 「は?!リクーム、お前飛べるのか?!こんな時に、またいつものおふざけか?」 「なに言っちゃってんの?ザーボンちゃんだって飛べるじゃないの。」 #sarass2

2011-10-02 22:03:45
@Z0211_2

「え・・・何を言う・・・飛ぶことなど・・・私は出来ぬぞ・・・」(全く・・・リクームのやつ・・・こんな時まで冗談を言いおって・・・)「ザーボンちゃんが飛びたくないって言うんなら、オレが抱えて行ってやるよ~!その代わり、ザーボンちゃんのおやつ、ちょっとくれよな~!」 #sarass2

2011-10-02 22:04:36
@Z0211_2

そう言うとリクームは私をよいしょと抱えたかと思うと、あっという間に上空まで浮かんだ。 「へえ~・・・リクームにはこんな能力があったのか!」 小さな頃から空を飛ぶことに憧れておった私は、さほど驚くことはなく、それよりもリクームを羨ましく思った。 #sarass2

2011-10-02 22:04:52
@Z0211_2

「んで、どっち行けばいいの~?」 「こっちだこっち。こっちを通った方が城に近いぞ。」 私がリクームに指示したのは、街の外れから城の近くまで何百キロと続いている薄暗い森の上空だ。 ここが一番の近道なのだ。 #sarass2

2011-10-02 22:05:07
@Z0211_2

(なるほどな・・・空を飛べるというのはなかなか便利だな・・・。人の目も気にならぬし、道路ではなく、好きなところを飛んで行けるからな。それに・・・フッフッフ・・・城を抜け出すのも簡単だな・・・。城に戻ったら、早速、リクームに教えてもらうか。) #sarass2

2011-10-02 22:05:39
@Z0211_2

「なに、一人でブツブツ言って笑ってんの?ザーボンちゃん、気持ち悪いね~・・・まあいいや。」 リクームにそんなことを言われていることなど、もちろん気付くはずも無く、私は妄想を繰り広げていた。 (あ・・・なんだか・・・鼻がむずむずする・・・) #sarass2

2011-10-02 22:06:09
@Z0211_2

は・・・は・・・はっくっしゅん!!!「あー!買ったばかりのおニューの洋服ちゃん達がー!!」私は肩にたくさん掛けていた紙袋のうちの一つを落としてしまった。「お、おいっ!暴れるんじゃないよ!!」私が慌てたせいでリクームはバランスを崩し、私をうっかり離してしまった。 #sarass2

2011-10-02 22:07:48
@Z0211_2

「あー!!落ちるー!!!」 私は勢いよく落下していった・・・薄暗い森に向かって・・・。 #sarass2

2011-10-02 22:08:19
@Z0211_2

バサバサー!! バキバキッッ!! (ん?) もうダメだ。と思っていた私はどうやら助かったようだ。 力強く思いっきり閉じていた目を恐る恐る開けてみると、 「ザーボンちゃーん!大丈夫かー?」 と、同時に上の方から声が聞こえた。 狭い視界の真ん中から見える空。 #sarass2

2011-10-02 22:09:02