女性にとっての最適な性戦略は、平凡なオスから育児資源を調達し、魅力的なオスと不倫すること

女性の一般的性戦略は、より多くの遺伝子をばら撒きたい魅力的なオスと利害一致している。 また一般に、性的魅力の高いオスほど、育児に非協力的である。
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ダンバー:“ こうした同性に対する不寛容(とくにメスの他のメスに対する不寛容)は、単婚の種をのぞけばホ乳類ではいたって珍しく、このために同性の数個体が一緒に暮らすのはことのほか難しい。とりわけ、思春期に達して繁殖期に入るとそうなる。”

2019-09-27 17:06:20
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ダンバー:“… 完全に無条件な単婚(monogamy)は、行動や認知に重大な変化を要求するきわめて特殊な進化状態であるらしい。ひとたびこの状態に入ると、後戻りはできない。すでに起きた変化を戻すのが難しいからだ。”

2019-09-27 17:06:51
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

R.Dunbar 2016 『Human Evolution: Our Brains and Behavior/邦題: 人類進化の謎を解き明かす』より pic.twitter.com/J3XZNgERPv

2019-09-27 17:09:45
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

たとえば、人間(サピエンス)の性のスタイルは、時代や、文明や、暮らしている文化によってハーレム制やフリーセックス制に柔軟に変化する、という主張があります。あるいは、男たち(あるいは女たち)は本心ではそれを望んでいる、という主張があります。

2019-09-27 17:11:02
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

しかし、人間(サピエンス)がほんとうの意味でテナガザルのような一夫一妻/monogamyに進化しているのなら、そんなことはほとんど不可能になります。

2019-09-27 17:11:37
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

脳が「一夫一妻用デザイン」に作り変えられ、" 認知上の落とし穴" に嵌りこんでしまうために、そんな望み(desire)はほぼ抱けなくなってしまう、ということです。

2019-09-27 17:12:16
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

だから、ダンバーは、多くの進化心理学者と同じように、ペアボンディング(=夫婦の絆)をつかさどるモジュールと、異性を求めるモジュール(=ゆるやかなハーレム型に適応している)がサピエンスの脳に別個のシステムとして進化しているだろうと示唆しています(Dunbar 2016)

2019-09-27 17:16:05
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

つまりどういうことかというと、進化心理学者ミラーがいうように、ヒトは「一夫一妻の結婚」と「モテ男が多くの女性とセックスする」というスタイルを矛盾なく両立させて進化してきた、ということです。:多くの女性にとって、結婚したい男性と、一晩抱かれたい男性は別々のタイプであるということ。

2019-09-27 17:18:48

消えたツイート:
済州島みかん @99mina_jeju
@selfcomestomine ひとつ疑問なのですが、もしそうだとしたら、いわゆるメスによる托卵が横行しているはずです。

そうなると、次第に托卵が支配的な生殖行動となり、ヒトのような「育児に協力するオス」という存在が非合理的になると思うのですが、そこら辺りについて進化心理学はどう考えているのでしょうか。

エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

@99mina_jeju まず前提として、男女ともに「ほかのパートナーを寝とって自分の子供を産ませたい/あの人の子供を産みたい」と意識的に行動するわけではなく、浮気セックスをしたいと時たま感じるように進化している、ということです。現代社会にはコンドームがあるので、実際にはそういった行為は防がれるでしょう。

2019-09-27 17:34:30
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

@99mina_jeju また、進化生物学のEPC理論においては、そのような “ハッキング” 行動は、ハックされた側の適応度を致命的なほどは引き下げません。なぜなら複数の子供を産むからであり、その中に配偶パートナーの子ではないものが混ざるという程度だからです。

2019-09-27 17:36:37
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

@99mina_jeju サピエンスは本来であれば5〜7人子供を産む種なので、適応度は致命的なほど引き下げられません。また、メスにEPCされやすいのは「相対的に性的魅力の低いオス」だという法則があり(T.Birkhead 2000)、性的魅力の低いオスにとっては、浮気による損失と誰も異性を捕まえられない損失は比べ物にならない

2019-09-27 17:40:37
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

@99mina_jeju そのために、ペア外交尾(EPC:extra-pair copulation)というビヘイビアは、多くの種でESSのバランスを取った上で適応的に進化し、現在、確認されています。

2019-09-27 17:42:51
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ヒト男女の魅力格差(有性生殖ゲームにおいてはノーマルな結果)。 twitter.com/SteveStuWill/s…

2019-10-12 04:41:16
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

そうですね。つねに一定の割合生まれてしまうというよりは、男性のモテ/非モテを判別する女性の心理が、男性の魅力度を無意識に偏差値化して上辺を好むように進化していると言ったほうがいいかもしれません。東大生以外の日本人を全員消去したら、東大生なのに偏差値30の人が出てきてしまう。 twitter.com/wis_ria/status…

2019-10-14 01:58:05
うぃす @wis_ria

@selfcomestomine 回答ありがとうございます。 なるほど、非モテは相対的なものなので常に一定の割合生まれてしまうということでしょうか。 同性愛者に関して、ヘルパー仮説は目から鱗でした。遺伝子的には同性愛者かそうでないかは白黒つけられず、たまに種を残さなさそうなレベルの個体が生じるのでは、と考えました

2019-10-14 01:51:24
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

Tinder Experiments: ・男性の下位8割は、女性の下位2割にも「いいね」する ・女性の上位8割は、男性の上位2割にだけしか「いいね」しない ・魅力の格差により、平均的男性がマッチングする確率は1%未満 medium.com/@worstonlineda… pic.twitter.com/yFCiknyI6C

2019-10-14 02:21:05
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ 不倫は鳥類にとって何なのだろらか? オスの場合は火を見るより明らかである。不倫をはたらくオスはより多くの子どもの父になれる。しかしメスの場合はなぜこうも頻繁に不貞をはたらくかは定かではない。” pic.twitter.com/hezxfxTRme

2019-12-02 01:32:21
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ バークへッドとモラーは次のようないくつかの仮説は否定している。:メスが不倫をするのはオスの不倫衝動がもたらす遺伝的副作用である。複数の源から精子を得ることで、受精した精子のいくつかは繁殖力があることを確実にする。…”

2019-12-02 01:34:14
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ … 恋をあさるオスにえさで釣られている(人間と類人猿の社会には一部当てはまりそうだが)。これらの仮説はどれも事実とは当てはまらない。”

2019-12-02 01:34:14
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ メスが不倫をする理由が遺伝的多様性を求めているからだと考えるのも当を得ていない。現在以上に変異の多い子どもを得てもあまり意味はなさそうである。”

2019-12-02 01:35:16
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ バークへッドとモラーは、遺伝的に"一挙両得"であるからメスの鳥が乱交で利益を得るのだと考えるしかないと結論した。結婚という枠組みのなかでボヴァリー夫人的不倫戦略を行っているのである。” pic.twitter.com/m1rw1BkyMl

2019-12-02 01:36:21
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“メスのツバメは子どもの世話を手伝ってくれる夫が必要である。しかし繁殖の現場にたどり着いたときには、優秀なオスは全て誰かの夫に納まっているかもしれない。それゆえ平凡なオス、または立派な巣をもっているオスとカップルになり、かつ遺伝子的に優秀な隣人と関係をもつことが最上の作戦なのだ。” pic.twitter.com/n0IerYinvV

2019-12-02 01:37:52
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ この主張は次のような事実で裏づけられている。メスは夫よりも優れていて年上であるか、またはもっと「魅力的な」(長い尾羽で飾り立てられた) 恋人を必ず選ぶ。”

2019-12-02 01:40:14