女性にとっての最適な性戦略は、平凡なオスから育児資源を調達し、魅力的なオスと不倫すること

女性の一般的性戦略は、より多くの遺伝子をばら撒きたい魅力的なオスと利害一致している。 また一般に、性的魅力の高いオスほど、育児に非協力的である。
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

サピエンスの配偶スタイルは単婚型の鳥類がいちばん近いかもというのはよく言われていますね。鳥類でも「時間差一夫多妻」「結婚しつつも(モテる個体は)浮気セックス」というのはスタンダード。 twitter.com/shin_sgym/stat…

2019-06-30 10:45:36
すぎやましん @shin_sgym

人間は時分割一夫一妻制のような気がしてる。一夫多妻な国でも妻ごとに別々の家だったりするし。色々と例外はあるけど。人間に近いチンパンジーの乱婚型はどうかわからないが、ゴリラの常時一夫多妻とは生態が違いそう。 twitter.com/selfcomestomin…

2019-06-30 10:36:42
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

これはあまり世に出したくない論文なのだが:鳥類のメスは「結婚」している夫のオスに「じぶんが父親である」ことを確信させるために(義務的に)複数回の交尾をする T.Birkhead, A.Møller, and W.Sutherland (1993)──‘Why do females make it so difficult for males to fertilize their eggs?’

2019-06-30 10:50:27
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

鳥類の卵は産み落とされる前日に注入された精子によって受精する。つまり普段は「結婚」している「夫」と夜を営みつつ、受精期間には「気が乗らない」といって夫を避け、モテるオスとこっそり浮気する。サピエンスはどうか?女性が排卵期とそれ以外で好きな男のタイプを変えることはよく知られている。 pic.twitter.com/5H13upzaRG

2019-06-30 10:56:43
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すぎやましん @shin_sgym

@selfcomestomine なるほど鳥類が近いという考え方ですか。勝手に、霊鳥類の中で配偶スタイルのスペクトラムがあって人類は遺伝子が近い種とそれが同じに違いない、みたいな思い込み解釈していたかも。

2019-06-30 10:58:32
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

@shin_sgym ダンバーやE.O.ウィルソンは「種の配偶スタイルを決めるのは進化史や遺伝史よりも環境条件や生息条件が大きなファクターとなる」(=収斂進化を起こしやすい)ということを言っていますね。事実、同じヒト科動物でもチンパンジー、オランウータン、ボノボ、ゴリラ、ヒトはみんな性のスタイルが異なる。

2019-06-30 11:12:40
すぎやましん @shin_sgym

@selfcomestomine ボノボとか近い種に配偶スタイルが似ているとは限らず、ヒトにはヒトの配偶スタイルがあると。なるほど。この辺の話はどうもバイアスが入るので解説有り難いです!

2019-06-30 11:32:11
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

進化人類学者のロビン=ダンバーは人類は通常の一夫一妻種でないと言っています。彼によると、スザンヌ=シュルツとキャット=オピエによるベイズ的手法を用いたコンピュータ解析(S.Shultz, C.Opie & Q.Atkinson 2011)から、サピエンスはテナガザルのような単婚種ではない(R.Dunbar 2016)。→ t.co/hYItfFZgX8

2019-09-27 16:51:48
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

数年前、シュルツとオピエのふたりは、現存するすべての霊長類種と、それらの共通祖先(6500万年以上前に遡る)に至るまでの完璧な系統樹(phylogenetic tree)を、遺伝学的&系統学的な類縁度をもとに比重をつけていくことで再現しようと試みました。

2019-09-27 16:53:26
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ベイズ統計です。現存する霊長類220種の生態や身体デザインは(客観的事実として)すでに分かっているのでそれらをデータ化し、またその種がそのような生態を採っていることの目的や要因(=現在霊長学から考えられている目的や要因。信頼性にそれぞれ比重をつける)を主観的事実としてデータ化する。

2019-09-27 16:54:06
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

そこに、現在は絶滅している過去のさまざまな祖先たちの状態(=生物学的知見から推測されている状態)と、その情報の信頼性なども主観的データとして加えていく。

2019-09-27 16:54:26
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

こうしてつくられた虫食いデータの穴はコンピュータソフトを用いたベイズ的手法で埋められ、高度な統計数学を用いて検証されました。

2019-09-27 16:54:47
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

動物の生態変化(行動や社会組織の別のシステムへの転換)は、何らかの淘汰圧によって引き起こされます。シュルツとオピエによるベイズ的手法を用いたコンピュータ解析法は、その予測と検証を可能としました。

2019-09-27 16:55:15
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ふたりによっておよそ正しく並べられた霊長類(primates)の系統樹は、ある状態から別の状態への転換が起きた順序を現生種に至るまでのさまざまな進化経路に沿って調べられるようになっていました。>Stepwise evolution of stable sociality in primates nature.com/articles/natur…

2019-09-27 16:56:09
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

解析結果によると、霊長類の系統は、散在してそれぞれが個別に生活していた祖先の状態(プレシアダピスなど)から→ 群れ社会(=複数のオスと複数のメスの混在社会)体制へと直接移行しました。 pic.twitter.com/OyellnxQV8

2019-09-27 16:57:08
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

そして霊長類がはじめに「群れ社会」を築きはじめた原因は、ネズミのような夜行性から昼の生活へと徐々に移行しようとする際、捕食リスク(一匹だと死にやすい)が高まったためではないかと予測されました。そしてこのような社会性が霊長類の進化=Historyの積み上げの基盤となりました pic.twitter.com/EqeHt9ZhmU

2019-09-27 16:58:01
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

あらゆる霊長類種は、このような「男女混合の群れ社会 = 自由恋愛あるいは乱交ぐらし」を基本的なスタンダードとし、その生態(社会システム)に留まったようでした。

2019-09-27 16:58:45
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

そこ(=男女混在の群れ社会)からのさらなる進化経路(= “進化の出口” )としては、❶一夫多妻のハーレム社会と、❷一夫一妻の単婚 の二つの選択肢 (結果) がありました。

2019-09-27 16:59:27
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

また、❸ハーレム社会を経て→一夫一妻の単婚に至るという進化経路も考えられました。

2019-09-27 16:59:48
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

この研究で、霊長類の進化において、多く見られた生態転換のパターンは、従来の社会生態学モデルの予想通り、「男女混合の群れ乱交社会と一夫多妻のハーレム社会を行き来する」パターンだったということが判明しました。 pic.twitter.com/QUQrRFic7P

2019-09-27 17:00:43
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

そして最も重大な発見がこれで、 「一夫一妻」に進化が至れば、そこから抜け出すことはできない ということがわかりました。 pic.twitter.com/7SygcyjOuA

2019-09-27 17:01:42
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

一夫一妻の単婚(monogamy)とは、進化上の落とし穴だった。一度そこに進化の道筋が至ってしまえば、もはやそこから抜け出す道は無い。いったん種がその一夫一妻スタイルを選択すると(これは比喩であり、彼らは選択したわけではなく生まれつき選択させられた)、もう後戻りはできなくなる。

2019-09-27 17:02:54
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

つまり、テナガザルのように一度そういう配偶形態に進化することを選んだ種は、もう二度と、別の繁殖スタイルを(適応のために)自由に採ることが出来なくなってしまう。

2019-09-27 17:03:15
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ロビン=ダンバーは研究によって判明したこの事実を驚きを持って述べています:“ 真に重要な発見は、単婚(monogamy)から抜け出す道はないということだ。いったんある生物種がこの状態を選ぶと、そこから逃れることはできないように思われる。”

2019-09-27 17:04:03
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ダンバー:“ 実際、単婚は一種の認知上の落とし穴にあたり、それはおそらく単婚に対する認知上の要求がきわめて大きいために、脳がいったんそのように配線されたら元に戻るのは難しいためらしいのだ。”

2019-09-27 17:05:27
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ダンバー:“ 単婚(monogamy)では、オスとメスは互いに寛容でなければならないが、同性の個体すべてに対して、はなはだ不寛容でなければならない。──したがって、単婚の霊長類はかならず縄張りを主張するようになり、各つがいが独自の縄張りを専有する。”

2019-09-27 17:05:47