絆の検証メカニズムによるコミットメント

社会的な絆の強さはパートナーにコストを課すことで検証できる(ハンディーキャップ原理の応用)。 ハンディーキャップ原理:孔雀のオスが生存に邪魔な巨大かつ華麗な尾羽を持つのは、それだけのハンデを負えることをメスに見せつけるため。(ガゼルのライオンに対するジャンプも、ライオンに追っても無駄というサインを送るため) オマキザルは絆を試すために社会的パートナーの鼻に指を突き刺す。ペットが顔を舐めてくるのも、恋人同士でキスやハグをするのも、拘束や侵襲で絆を試している。
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ このようにHP理論によれば個体は、自分自身に害悪となる特徴を誇示することで逆に自らの優良さを合図しているのだ。ハンディキャップを伴う合図は、そのコストのために本質的にごまかしがない。メスは、そうした合図を誇示するオスを信用し、そのオスを交尾相手として魅力的だと認めるのである。” pic.twitter.com/Kwes6FdIBQ

2019-12-15 22:26:08
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“ もちろん大きくて高くつく尾羽を備えて自らを生存に不利にするクジャクは、それを意図してそんな選択をするわけではない。意識的な考えではない性海汰が、大きな尾羽を進化させるのだ。”

2019-12-15 22:26:08
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ そうした尾羽を作るコードを載せた遺伝子を持ったオスは、メスにとってそうでないオスよりずっと魅力的だから、他のオスよりはメスにえり好みされ、仔を多く残す。 そうやって集団内にその遺伝子のコピーがさらに多く残され、広がっていくのである。”

2019-12-15 22:26:09
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“ クジャクの尾羽は、身体的ハンディキャップの好例だが、行動面のハンディキャップもある。行動面のハンディキャップには、自らの生存の可能性を減らすリスクをとることを伴う。”

2019-12-15 22:26:09
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“ 行動面のハンディキャップの典型的な例に、アフリカに暮らすガゼルがライオンのような捕食者の前で誇示する ストッティング行動(捕食者の眼前で逃げずにあえてびょんぴょん跳びはねる行動)がある。” pic.twitter.com/i4vIPZ2H6Q

2019-12-15 22:26:11
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“ ガゼルがライオンを目にすると、できるだけ素早く逃げようとする代わりに、ライオンの眼前で上下に跳び跳ね始める個体もいる。彼らはなぜ時間とエネルギーを浪費して、自分の命を危険に晒しかねない行動をとるのだろうか? ”

2019-12-15 22:26:11
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“ ザハヴィの答えは、こうだ。ストッティングはハンディキャップであり、一部のガゼルはいかに自分が強く、速いかを伝えるために、そうした行動をとるのだ、と。彼らは、自分を捕まえるのは難しいから、追っても時間のムダだよ、とライオンに伝えているというわけだ。”

2019-12-15 22:57:32
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ これでライオンには、捕まえるのがもっと楽な獲物、つまり素早く逃げ去ろうとする他のガゼルを追いかけた方が楽だと思わせるのだ。… ”

2019-12-15 22:57:33
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“ 社会的な絆の検証に関するザハヴィの考えは、ハンディキャップ原理の比較的に小さな応用の一つである。”

2019-12-15 22:57:33
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“ 基本的にHP理論は、個体は自らの出すシグナルの信頼性を証明するために不利益を引き受けねばならないと主張しているが、その一方、絆検証の仮説は、個体は自らに向けられる他者の態度から信頼できる情報を引き出す目的で他者に不利益を課さねばならないと提唱している。” pic.twitter.com/2qbjEkzp2p

2019-12-15 22:57:35
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“ …歳月をかけ、研究者たちは動物や人間が社会的な関係構築という背景で行っている一見すると矛盾して見える行動の例を集積している。そしてこれらの行動は、ザハヴィの見方と矛盾していないように見えるのだ。”

2019-12-15 22:57:36
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“ 自身の理論的な研究とは別に、アモツ·ザハヴィは長年、イスラエルに住む鳥の一種であるアラビアヤブチメドリの行動の観察と研究を行ってきた。アラビアヤブチメドリは、2個体から20個体から成る群れを作って暮らし、子育てと隣の群れに対しての共通の縄張り防衛で協力している。” pic.twitter.com/pCgpBKjLSO

2019-12-15 22:57:37
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“ ザハヴィがハンディキャップ原理による絆検証のアイデアを初めて発表した時、彼が最もなじみ深い種であるアラビアヤブチメドリの観察例を用いた。彼は、オスが求愛中に時にはメスに対していかに攻撃的に振る舞うかを述べた。”

2019-12-15 22:57:38
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“ そのオスに興味を示さなかったメスは、自分たちの縄張りを立ち去り、再び戻ってくることはなかった。一方で、そのオスに心底から興味を持ったメスは、繰り返される攻撃にもかかわらず、それを耐えた。” pic.twitter.com/NZtgB2bH3M

2019-12-15 22:57:42
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“ ザハヴィの見解では、この攻撃こそハンディキャップ(不利益行動)なのである。その行動で、アラビアヤブチメドリのオスは、メスに対し、番い相手として自らがふさわしいことの検証(testing)を課しているのだ。” pic.twitter.com/XyPfO7vCAZ

2019-12-15 22:57:44
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“ ザハヴィはまた、アラビアヤブチメドリは互いの絆の強さを試すために他の個体の羽繕いをするとも主張した。”

2019-12-15 23:31:20
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ あるアラビアヤブチメドリ個体は、他の個体の頭や身体の羽をつついて羽繕いをする。社会的関係の近さを物語る典型例だ。その間、羽繕いを受けている個体は、静止したままで、その交流を容易にさせているという。…”

2019-12-15 23:31:20
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“ オマキザルは、多数の成体のオスとメスで構成された大集団で暮らす南アメリカ産の小型霊長類である。マカク、ヒヒ、チンパンジーのようにオマキザルも、個体が対抗的同盟の形成を通じて社会的地位を争う高度に競争的な社会で暮らしている。” pic.twitter.com/bIrq6OBCtD

2019-12-15 23:31:23
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“ スーザン・ペリーは、長年… オマキザルを観察してきた霊長類学者だが、彼女はオマキザル個体が自分のお気に入りの社会的パートナー──三匹は攻撃的同盟を形成している間柄だ──の忍耐力を、あらゆる種類の身体的に煩わしく、苦痛な行動を受けさせることによって、定期的に試す行動を報告した。”

2019-12-15 23:31:25
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ 例えばあるオマキザルの若いオスが、自分のお気に入りの社会的パートナーのそばに歩み寄り、指を鼻に突き刺し、反応を待つことがある。もし二匹の関係が良好なものだったら何も起こらないが、相手が二匹の関係について当初の情熱を失っていたとしたら、指を刺されたサルはそれを振り払う。” pic.twitter.com/nj9VdqEBqN

2019-12-15 23:32:31
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ ペリーは、強い社会的絆を持つ二匹のオマキザルが、時には互いの鼻に同時に指を挿入し合い、「共にトランス状態に似た表情を浮かべ、時には揺れ動きながら、数分間もの間、この姿勢のまま座っていた」ことに注目した。”

2019-12-15 23:32:32
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ さらにオマキザルは、お気に入りの同盟相手の顔から毛を引っ張ったり、耳を噛んだり、指や爪先をしゃぶったりしてひどく苦しめることもする。” pic.twitter.com/SgZCJm83TQ

2019-12-15 23:32:34
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ 2003年に出版された『カレント・アンスロポロジー』誌に載せた論文で、ペリーと共同研究者は、こうした交流の機能は、社会的斜の強さを試すことだ、と述べた。”

2019-12-15 23:32:35
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“そうした行動を受けた個体から肯定的な反応があれば… 良好な関係を示しているのであり、これからもその関係に投資をする意思を表しているのだろうという。こうした負荷に耐えられると、二匹のパートナー同士は互いに長時間、毛繕いを行い、他のサルに対する同盟を続けるのだそうだ。” pic.twitter.com/uIpvMaKXVX

2019-12-15 23:32:39
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ …スーザン・ペリーの夫で、やはりUCLAに在籍し、彼女とともにコスタリカでオマキザルを観察しているジョー・マンソンは、成体メスが自分と毛繕いし合い、攻撃的同盟を形成しているメスのアカンボウをしばしば触って、短時間、腕に抱えることに注目した。”

2019-12-15 23:42:05