国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ

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Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ。福島原発事故を受けて国際協力NGOセンター(JANIC)が声明を出している。このような事故は地球的規模で影響を及ぼすので、国境を越えて社会的弱者を支援し持続可能な社会を目指すJANICとして原発問題に警鐘を鳴らしている。

2011-10-07 01:07:20
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(2)日本の「情報公開に恣意的な制限をかける行政のシステムの問題」「問題の影響を社会の構成員の一部に押し付ける構造」などによって「福島の人々が直面している問題はグローバルな経済・社会構造の中で途上国の社会的弱者が直面する問題と共通して」

2011-10-07 01:09:09
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(3)いるとしている。そして「今回の事故は途上国で見られる人権侵害の問題が日本社会にも存在することを顕在化し」ており、これらの克服の為には「政府の意思決定プロセスにおける市民の参加の拡大、被災者の基本的人権の保障とエンパワーメント、及び

2011-10-07 01:11:41
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(4)国のエネルギー政策の抜本的な転換が不可欠」であると主張し、最後に、原発関連のODAの見直しを求め、途上国の市民への情報提供を強化したいと結論付けている。NGO的世界認識として論旨は一貫していると思う。ただ、基本的な視点において私には

2011-10-07 01:13:30
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(5)違和感が残る。それはNGO的なオリエンタリズムとでも呼ぶしかない違和感である。「今回の事故は途上国で見られる人権侵害の問題が日本社会にも存在することを顕在化」させたのだろうか。私はかねてより国際協力の思想や手法は、協力する側の社会に

2011-10-07 01:15:04
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(6)内在化している資質の反映だと思って来た。だから日本のODAは国内の公共事業を反映して箱物や紐付き援助が多かった。従って、1980年代、大橋君も含めて私達はODA批判を開始したのだった。しかしNGOにしても、日本社会に内在化された

2011-10-07 01:16:39
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(7)パターナリズム等の資質を反映させた援助に流れていたのではなかったか。シャプラニールの事務所の地下で1994年に私がそういう趣旨の講演をして安易な日本のNGOを批判し始めたのは、大橋君も覚えているだろう。しかしこの20年ほどの間に、

2011-10-07 01:17:58
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(8)私達も国際NGOの文化に多くを学んだ。そして西欧的価値観で途上国を見る事にいつしか慣れてしまっていないだろうか。JANICのこの声明文はそのまま英語になってしまいそうなほど、見事なレトリックで仕上げられている。

2011-10-07 01:19:52
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(9) 言語は正直に思想の資質を反映させるものだ。言うまでもなく人権は普遍的な価値である。が、その西欧的レトリックから「途上国の人権侵害」をフォーカスし、そしてそこからまたそれが「日本社会にも存在する」とオリエンタリズムの目線で日本を

2011-10-07 01:21:23
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(10)見ていないだろうか。日本を始め先進諸国の国内問題、とりわけ情報管理や構造的貧困、人権侵害や民主主義の空洞化などに開発協力NPOとしてのNGOが主体的に取り組んでいないから、それらが「日本社会にも存在する」と今更ながら気がつくのだ。

2011-10-07 01:23:07
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(11)むしろ逆で、国内のそうした人権侵害の構造そのものが、協力や援助や民主化という美名の下に途上国に押し付けられているのが、今のグローバリズムの本当の姿ではないのか。だとすれば、福島原発震災は、これだけの犠牲を払った上で、日本が

2011-10-07 01:24:37
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(12)世界に向かって反グローバリズムを高々と掲げ得る最後の機会なのかも知れない。途上国への情報発信は、単に原発の技術的危険性にとどまらず、そうした自省の思いを込めたメッセージであって欲しい。そういうことは政府はやらない。

2011-10-07 01:25:51
Y. Nozaki, Prof.(Development Studies): 野崎泰志 @yasushi61

国際協力NGOセンター理事長・大橋正明君へ(13)市民がやるしかないのだ。久々の野崎節である。大橋君に特段の返答を求めるものではないが、読んだらメールでも送って欲しい。http://t.co/lcbglrEe

2011-10-07 01:27:47