- alkali_acid
- 9769
- 3
- 1
- 0
帽子男
@alkali_acid
とりあえず黙々と周囲の砕けた岩の欠片を集め、嵌め絵細工を作るようにして、凝星石の女神像の周りに元通りに積み上げ始めた。 今のはなかったことにしようという魂胆がありありだった。
2022-11-26 01:37:05
帽子男
@alkali_acid
だが適当な修復作業の途中で、だんだんと船を漕ぎ始め、つい手を滑らせると、破片はまたばらばらに崩れて、中に閉じ込めた眩い娘を陽光のもとにさらす。 「うーむ…」 ヴォルンは手に持った欠片と、宝玉の化身とを見比べてから、諦めたように石榑を捨て、そのまま透き通った太腿あたりに頭を預け、
2022-11-26 01:40:25
帽子男
@alkali_acid
瞼を閉じた。そうして肩の力を抜き、少し経ってから呟いた。 「うーむ…寝づらい…」 姿勢を変えてつま先の当たりを枕にすると、どうにかこうにかまた目を伏せ、そして、 「すー…すー…」 寝切った。この状況にあって。
2022-11-26 01:42:16
帽子男
@alkali_acid
岩、ではなく宝玉の乙女となったAさんは、とりあえず黙っていた。 黙ってはいたが、 どうも、さすがに、これまで通りやりすごせる気はしなかった。
2022-11-26 01:43:21次の話