シラス「いまこそ語ろう、ザハ・ハディド」について歴史修正問題など

2015年7月に白紙撤回された国立競技場ザハ案に関するツイート
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k_wota @k_wota

どういう事かというと「確認申請図」では建築の安全性は審査しますが値段は見ないので、安全ではあるが価格が非現実的な材料・工法を指定しても確認申請だけなら通ってしまうのです

2022-01-10 09:20:15
k_wota @k_wota

例えば開閉屋根の構造材にチタンを使えば軽くなってアーチへの荷重が軽減されて構造の審査は通りますが価格的に採用するのは不可能で現実には建てられません

2022-01-10 09:20:36
k_wota @k_wota

例えば、と言いましたが開閉屋根の構造にチタンを検討したけれど断念した話は「文藝春秋」が報じている事で、実際にザハ案を設計する過程にあった話です。以下抜粋

2022-01-10 09:20:59
k_wota @k_wota

「キールアーチに載せる開閉式屋根の骨組みに、軽くて丈夫なチタンを使うという提案も出ました。屋根の施工を担当する竹中工務店がドーム球場で同様の施工実績を持っていたからです。ところが試算した結果、高価なチタンを使うとさらに数百億円の上乗せになった」

2022-01-10 09:21:15
k_wota @k_wota

ザハ案は確認申請図の作成に着手した時、安全評価書を取得するための設計に入った時点で、仕様は未確定のものだらけでしたが、仕様を確定するプロセスにおいてチタンの様に非現実的な素材に頼ろうとしたり

2022-01-10 09:21:39
k_wota @k_wota

あるいはアーチからモノコックへと構造の根本の考え方を変更して、構造体ではなかった部材を構造体に変更しようとしたり、アクロバティックというか、無茶というか、強引で筋の悪い設計を進めていた様に見えます

2022-01-10 09:22:01
k_wota @k_wota

思うに、やはりこれは基本設計の途中でアーチが三心円から単心円になって脆弱化した上に重くなったのが構造的に本当に致命的な変更で、後になればなるほどこの問題が重くのしかかってきたからではないでしょうか

2022-01-10 09:22:22
k_wota @k_wota

そう考えるのは、これは「インポッシブル・アーキテクチャー展」の展示で分かったのですが、ザハ案は1/300の模型を使った風洞実験を70mと75mと、両方やっているからです

2022-01-10 09:22:38
k_wota @k_wota

風洞実験は構造安全評価の部会で開閉屋根が風によるアーチの振動で壊れてしまわないかどうか、確認するための実験だと思うのですが、不採用のはずの75m案の模型を作って、お金も時間もかかる風洞実験をするのはどういう理由からなのでしょうか

2022-01-10 09:23:03
k_wota @k_wota

これは基本設計の途中で70m単心円アーチに変更したものの、実施設計に入っても構造を成立させる事がなかなか出来ず、風洞実験の段階、かなり最後の方の段階まで75m三心円アーチに戻す事が選択肢としてあったからではないでしょうか

2022-01-10 09:23:44
k_wota @k_wota

もし70m単心円アーチ成立しなかったとしたら、75m三心円アーチに戻さないとプロジェクトはそこで終了です

2022-01-10 09:25:02
k_wota @k_wota

ザハ案は最終的には構造安全評価書を70mで取得しているのですが、4月か5月には開閉屋根を中止していて確認申請図からもそれに添付する構造安全評価書からも屋根は除外されているので、本当に70m単心円アーチの構造が成立していたかどうか、疑わしいものがあります

2022-01-10 09:25:33
k_wota @k_wota

ザハ案はとりあえず屋根の無い状態で2520億円で完成出来たとしても、そこから2期工事で開閉屋根を追加できるのかどうか、やはり全面的にチタンを採用しないと無理なのではないかという疑いが2015年7月の時点ではあって、これが白紙撤回の判断基準の一つになったのではないかと思います

2022-01-10 09:26:01
k_wota @k_wota

ザハ案の「確認申請図」は屋根と可動席を中止した状態で提出されていて、本来であればあと何百枚か、もしかしたら5000枚を超えていたかもしれないのに「4000枚も書いた」と喧伝出来る設計者の心理というのもちょっとよくわかりません

2022-01-10 09:26:27
k_wota @k_wota

ここまでの、屋根と可動席を中止した経緯を考えると責任感のある設計者であれば恥じても良い数字ではないか、と思います

2022-01-10 09:26:44
k_wota @k_wota

「数字が独り歩きする」という言葉があって、数字を絶対視して思考停止状態になってしまう事だと思うのですが「いまこそ語ろう、ザハ・ハディド」が「4000枚」という数字にやたら反応して、驚いたり称賛したりしているのを見ると、この番組は数字を一人歩きさせたいのだろうな、と感じます

2022-01-10 09:27:11
k_wota @k_wota

2015年にザハ案に反対していた人は「いまこそ語ろう、ザハ・ハディド」を見て「精緻なシミュレーションを駆使して設計していた」とか「4000枚も図面を描いた」と言われると、「そんな凄い仕事、膨大な仕事を無駄にさせてしまったのか」と、反対していたことに罪悪感を感じるかもしれません

2022-01-10 09:27:33
k_wota @k_wota

実際のところ、この番組はザハ案に反対していた視聴者に罪悪感を感じさせることは意図していたと思います。述べてきたように、精緻な設計は不採用でしたし、4000枚という数字にも意味を見い出せないので、罪悪感を感じる必要は全くありません

2022-01-10 09:27:56
k_wota @k_wota

「いまこそ語ろう、ザハ・ハディド」がザハ案に反対していた人に対して攻撃的なのは、主張がどうであれ、不毛である、と感じます

2022-01-10 09:28:36
k_wota @k_wota

そもそも公共建築の予算が大幅に超過してしまったら、公共建築の施主である国民の反対を受けて白紙撤回になってしまうのは当然の話ではないでしょうか

2022-01-10 09:28:56
k_wota @k_wota

ザハ案が撤回に至ったのは予算が大幅に超過したからで、その原因は設計の技術的な話でしかないわけですから、淡々と設計の不手際を追求して再発防止の糧にすれば良いだけの話です

2022-01-10 09:29:21
k_wota @k_wota

ザハ案の設計の不手際は2013年の11月の時点では75m三心円アーチの計画だったのが2014年5月までに70m単心円アーチに変更させられたという、設計の問題に端を発するもので、それは2015年5月の下村・舛添会談以降に激しくなったザハに対するバッシングの動きとは関係がありません

2022-01-10 09:29:50
k_wota @k_wota

ザハに対するバッシングは確かにあった、それは許せない、という気持ちも分かりますが、その話は建設費高騰だとか、建設費高騰の原因となった設計の不手際とは別の話で、分けて考えるべきです

2022-01-10 09:30:13
k_wota @k_wota

「ザハへのバッシングが白紙撤回の原因だった」という趣旨の番組を配信するのは、日建設計による歴史改変プロパガンダをアシストするだけで、害悪でしかない、と思います

2022-01-10 09:30:38
k_wota @k_wota

「被害者ムーブ」という言葉がありますが「いまこそ語ろう、ザハ・ハディド」での日建設計は正にこれで、設計の不手際に向き合う事なく、バッシング・ムーブメントの被害者であるかの様に振舞って大衆に責任を転嫁し、白紙撤回の当事者の立場から逃げ出しています

2022-01-10 09:31:04
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