最終回のまどかへの批判と他作品との比較 #madoka_magica

主に最終回のまどかに対する批判と他作品(寄生獣・ジャイアントロボ・HELLSING)との比較。 @tyokorataさんのツイートに返信を加えました。 下記はtyokorataさん自身が書いた、完全版のブログ記事です。こちらもどうぞ。  人をやめてつながりを喪失したまどかと、いじめで自殺をする少女との違いについて 続きを読む
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ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

今更まどかdisをブログの整理用の為に書く。彼女は幼い心ですべての魔法少女が絶望して魔女になったというシステムと、その理不尽さに憤って全ての魔法少女の心を救いたいと願い、自分が人間をやめました。一見きれいなオチに見えますが、私には累積した問題でキャパを超えて自殺したように見えます

2011-10-23 07:55:15
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

まどかと同じ状況を味わったキャラクターというか、まどかの元ネタである寄生獣の進一と比較してみる。寄生獣の本質は、人間中心の傲慢な価値観を、地球の代弁者(?)である寄生獣やミギーの論理的な価値観で揺さぶっていく物語です。そしてミギー自身も成長し、また進一も成長しました

2011-10-23 07:57:10
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

成長したのはミギーだけではなく、田村玲子も成長しました。彼女は「仲間」が殺害した進一の母親になる事で、進一の心に空いた穴を埋める事に成功しました。そして物語の最後に登場した殺人鬼の浦なんとかの問いかけによって、進一(と彼女)は答えを出す事に成功しました。

2011-10-23 07:59:21
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

元々、後藤との戦いの結末で、「俺はちっぽけな人間だ」という答えを出していた進一でしたが、心理的に人間と寄生獣の間に立っている殺人鬼と進一がどう違うのかを、物語の最後で、進一とその彼女の「二人」が証明しました。人は一人では生きていけない。だからこそ寄り添いあい、支えあうと。

2011-10-23 08:01:07
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

対して寄生獣は広川市長というトップを据えていたにもかかわらず、団結したり相手のためを思って行動する域には到達できませんでした。田村玲子を除く全てがエゴの塊でした。そしてそれは殺人鬼と同じことでもありました。人は人であるために、人と繋がっていかねばならないわけです

2011-10-23 08:02:30
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

そして進一は己の成長の過程でいくつもの命を失っていきます。母親、友人の女性、探偵さん、目の前で死んでいったクラスメート、田村玲子、軍隊のリーダー。成長過程にある少年が失うには大きすぎるものでした。そして全てが終わった後、進一はミギーさえも永遠に失いました。

2011-10-23 08:03:55
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

ただ物語として言えるのは、進一は寄生獣を含めていろんな人々と出会い、別れ、教えを受け、前に進んでいきました。彼が自己犠牲精神を持ったヒーローならば、その過程で警察に自分が寄生されている事を告げて、人体実験の材料になる事も受け入れてたのかもしれませんが進一にはそうはできませんでした

2011-10-23 08:05:40
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

ですが、自分が人体実験に志願するかのような選択をした女性がいました。それがまどかでした。私が物語において一番危険だと思う事は、自分を大事にしない人間がセカイを救おうとする事です。ここでいうセカイとは、自分の幼くて狭い視野で見た視界です。

2011-10-23 08:07:16
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

まどかは自分が悪の張本人であるQBから与えられた情報と、その被害者であるほむらから全てを判断しました。そしてQBが与えた情報自体を「もうやめて」と途中で拒否しました。そしてここが一番大きなポイントですが、彼女は誰も失っていないのです。

2011-10-23 08:08:45
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

まどかは誰も失っていない、というのは「お前は何を言っているんだ」と言われそうなことですが、敢えて断言します。新一は母親とクラスメートと、隣の高校の女性の友達を失いました。これは先の地震にも繋がる話ですが、日常の生活リズムや習慣が壊れた事を意味します

2011-10-23 08:10:50
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

おそらく意図的にやっているのでしょうが、まどかが巴を失った翌朝に「ご飯がおいしいって…」と泣きながら朝食を食べた事からもそれは明らかです。まどかの日常は、たとえ魔法少女が何人死のうと、変わる事はありません。山田風太郎も言ってました。「恋人が死んだ晩にも腹は減る」 そういう事です

2011-10-23 08:12:20
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

そう、まどかは魔法少女を失い続け、さやかという親友も失いましたが、彼女が属している家庭にはダメージが零だったのです。無論、ワルプルギスの夜が来るときに家族に被害が及ぶ可能性があるわけですが、彼女はこう言いきりました。「希望を抱くことが間違いだなんてそんなのは、違うと言い張れます」

2011-10-23 08:14:21
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

彼女は家族を守るためではなく、自分が見ているセカイの為に人間をやめたのです。ですが、私には、自分が属している学校というコミュニティ内のいじめや人間関係に絶望して自殺する十代の少女との違いが見受けられません。自殺する子も、自分がその世界から「いなくなれば」問題が解決できるからです。

2011-10-23 08:16:03
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

私にはそうした人間をやめる問題解決の仕方は現実逃避にしか見えてこないです。新一もバラバラになった後藤を殺す時、逡巡しました。ですが、自分たちが属する社会の小さな幸せを守るために、後藤を自らの意思で殺しました。ここにおいて、新一は矛盾を背負い、汚れる事で大人になりました。

2011-10-23 08:17:56
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

極論しますと、大人になるということは汚れる事へのステップを順次踏んでいく事でもあるのです。親の言うことを良く聞く「いい子」は、そうした汚れへのステップを踏まない子どもの心のままで大人になって、社会との問題を引き起こしている存在だと、自分の事例に重ね合わせて考えます

2011-10-23 08:20:26
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

そしてまどかは「いい子」のままで、人間をやめました。つまり、大人になるという汚れる事を拒否したまま死んだのです。同じ構図に対して違う答えを出した作品と、そして人間をやめた事を悔やむ作品があります。『ジャイアントロボ』と『ヘルシング』です。

2011-10-23 08:21:45
しろっち @shiroyuki115

@tyokorata まどかは母親もほむほむの思いも無視して自己満足な結論を選んだから好きじゃない…まどまぎ自体は面白いけど

2011-10-23 08:24:08
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

『ジャイアントロボ』で大作は、幻夜同様、父親からとてつもない矛盾に満ちた遺産を残されます。シズマドライブがあるのに、原子力で動くジャイアントロボと父親から託された遺言です。「幸せは犠牲なしに得られないのか、時代は不幸なしに超える事は出来ないのか、いつかその答えを私に教えてほしい」

2011-10-23 08:23:14
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

その答えを必死に出そうとした大作は、その教えを真正面から信じるあまり、周囲の大人との軋轢を生み出します。ですが、最後に答えを出す事が出来ました。答えを留保するという答えをです。そしてそれは銀鈴を犠牲にするという汚れでもありました。「ごめんなさい、銀鈴三。でも仕方ないんです~

2011-10-23 08:24:58
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

「~でも仕方ないんです、このままじゃダメなんです!」 そうやって、他者を犠牲にするという汚れと矛盾を背負う事によって、大作は大人への一歩を踏み出しました。(僕には答えを出す事なんて出来ません! でもお父さん、僕は精一杯頑張ります、一生懸命戦います~」

2011-10-23 08:26:13
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

「だから見ていてくださいお父さん、僕が本当の答えを出せるその日まで!」 そうして大作は社会に生きる人間をやめる事なく前に進む事が出来ました。前向きの姿勢を見せた大作を周囲の大人がサポートしました。「良くぞ耐えたぞ、草間大作。~真実とは問いかける事にこそその意味もあれば価値もある」

2011-10-23 08:28:25
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

対して幻夜は、社会的な人間を辞め、父親の遺言を捻じ曲げた形で社会を滅ぼそうとする復讐鬼へと変貌しました。父親からの言葉が足りなかったという向きもありますが、それは普段の父親の言葉を信じ切れなかった幻夜の限界でもありました。

2011-10-23 08:29:54
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

その結果、復讐鬼は全てを失い、妹さえもその手に掛ける事となりました。「せめて、兄弟そろって幸せにな」 父親の思いは届かなかったのです。それは幻夜が18歳の時から成長をやめてしまい、他者の意見や考え方を認めることが出来なくなってしまったからです。そうした意味で彼はセカイ系でした

2011-10-23 08:31:38
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

他者を認める事が出来なかったり、他者の意見を聞く耳持たなかった場合、おおよその場合そのものは裸の王様になります。そして常に不満と怒りを溜め込んだ存在へと変貌し、社会にとって危険な存在になります。具体例を挙げると男性に不都合を背負わせて当然と思うフェミニストや秋葉原事件などです

2011-10-23 08:33:01
ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

そうした意味では、まどか自体が裸の王様になっている可能性は高いといえます。そしてまどか同様、人間をやめたのが『ヘルシング』のアーカードとアンデルセンです。彼らは人間でいる事に耐えられなかったから、人間をやめたのです。それは弱い心しかもって射なかったからです。

2011-10-23 08:34:19