『幸福なXXXを』

第二話「愛情」
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幸福なXXXを。 @XXX2022_

2話 愛情 「君に伝えたいことがあるんだ。」

2023-01-16 20:00:57
幸福なXXXを。 @XXX2022_

小さな小鳥が死んで、二週間。

2023-01-16 20:01:38
幸福なXXXを。 @XXX2022_

街の中でも大きな話題になったがそれも一瞬のこと。 誰も彼もが孤独に不審な死を遂げたあの小鳥の考え通り 小鳥を忘れ、ただ普通に過ごしている。

2023-01-16 20:02:25
幸福なXXXを。 @XXX2022_

眩しい朝日がカーテンの間から差す。 男は眠たげに目を擦り、体をゆっくりと起こした。

2023-01-16 20:03:15
幸福なXXXを。 @XXX2022_

今朝も見てしまった夢。 犯罪も、殺人も、事故死も何も無いはずの街ではなくなってしまった それを独りでに悔やみ、少し項垂れる。

2023-01-16 20:04:14
幸福なXXXを。 @XXX2022_

小さくため息を吐き、ベッドから体を起こし伸びをする、パキパキ骨の音を鳴らす。 「はぁ、歳かなぁ…体が…イテテ…」

2023-01-16 20:04:45
幸福なXXXを。 @XXX2022_

先程までの寝間着からちゃんとしたよそ行きに着替える。 体の痛みにため息を吐きながらキッチンの取っ手を捻るといつもいる彼はおらず、はて?と首をかしげる。

2023-01-16 20:05:39
幸福なXXXを。 @XXX2022_

「あぁ…そっか…今日はアースィーは帰ってこないんだっけ。残念…どうしようかな。」 うぅんと悩ましげな声を上げるのは 幾分か老け込んだ男性。同居人である青年が帰ってこないらしい。

2023-01-16 20:06:24
幸福なXXXを。 @XXX2022_

残念に思いながらそういえば家の食材が足りないなと思い出す 買い物を済ませて 部屋の掃除もしなければ 天気がいいし 布団も干そうかなと色々考えていれば、ふと思い出すのは最近行っていなかったBARのこと。

2023-01-16 20:07:22
幸福なXXXを。 @XXX2022_

そうだ、行っていなかったから夜に彼の所へ飲みに行ってしまおうと玄関の扉を開けた。

2023-01-16 20:08:15
幸福なXXXを。 @XXX2022_

カチャ、カチ…カチ 時計の一部が外れていたのを取り付けた青年は滴る汗を拭う。 「ふぅ、こんなものかな」

2023-01-16 20:09:23
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カンカンと階段を登る音 きっと彼が来たのだろうと体に付いたホコリを払う。

2023-01-16 20:10:24
幸福なXXXを。 @XXX2022_

「アモちーん」 「さーたん、ここまで来たのかい?下で待っていてよかったんだけれど」 「ふふ、オレがアモちんに会いたかったからいーの!」

2023-01-16 20:10:46
幸福なXXXを。 @XXX2022_

朝日のように眩しい笑顔を浮かべる、青年につられもう一人の青年が微笑む。 甘く優しい時間が二人の間で流れた、そうして少し照れたようにもう一人の青年は口を開く。 「そうかい?うん、でも…僕も会いたかったから嬉しいよ。」

2023-01-16 20:11:36
幸福なXXXを。 @XXX2022_

「それで…もう終わった?」 「終わったよ、どこか行こうか。」 「行く!絶対行くさ!」 「 ふふ、そんなに焦らなくても逃げないから」

2023-01-16 20:12:29
幸福なXXXを。 @XXX2022_

そっと触れる手を握りながら二人は見つめ合う、この暖かい体温を噛み締めるように。 手を繋ぎ2人は機嫌よく歩き出した。 pic.twitter.com/5l2ujx15me

2023-01-16 20:13:01
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幸福なXXXを。 @XXX2022_

時計塔の外に出るとふと目に入った。 マジックショーがやっている、最近の事件で見ていなかったが再開したらしい。

2023-01-16 20:14:01
幸福なXXXを。 @XXX2022_

「お暇な方宜しければ私のマジックを見ていってくださいね!」 くるりとその場で軽やかに回る。この街に住む小さな子供たちはマジックに夢中だ。 興味の目を光らせる。

2023-01-16 20:15:14
幸福なXXXを。 @XXX2022_

「ここ数日間は見なかったけれど、子羊さんのマジックショーが再開したようだね」 「そうみたいだね!じゃ、行こ!アモちん」 「うん、分かったよ。」 マジックを見せているあの彼を横目に少しとめた足を動かして、彼らは歩き出した。

2023-01-16 20:15:55
幸福なXXXを。 @XXX2022_

「おや、アモルくんにサニー、お出かけかい?仲がいいね」 ばったりと出会った子達に声をかけてしまった。 ふと、声をかけてからしまったと我に帰る。邪魔をしてしまったかなと彼は考えていると…

2023-01-16 20:17:07
幸福なXXXを。 @XXX2022_

少年はもう一人の青年に抱きつきながら告げる。 「そうだよ、アモちんとオレはちょー仲良し!」

2023-01-16 20:18:46
幸福なXXXを。 @XXX2022_

「!…ははっ!それはいい事だね。気をつけて行くんだよ2人とも。」 そう告げると子供たちの仲が良いところを邪魔しては行けないと男はその場を後にする。振り向くことはなく緩く手を振り歩みを進めた。

2023-01-16 20:19:45
幸福なXXXを。 @XXX2022_

「ありがとう!ルイ!」 「ありがとう。」

2023-01-16 20:21:03
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