茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート２０１１年２月分まとめ

茂木健一郎 @kenichiromogi

エコ（２）ダンは、中国やインドなど、「難しい市場」（difficult markets）における投資について、企業と企業を仲介しているのだと言った。私が、「日本も難しい市場なんだね」と言ったら、ダンは「そうだね」と言って笑った。

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エコ（３）ダンは、投資家は特に「リスク」の内容について知りたいと思っているのだと言った。私は、日本は安定しているように見えるが、実際には若者の間に現状に対する不満が蓄積して来ている。そして、それはチャンスでもある、と言った。

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エコ（４）社会構造や、教育のあり方など、今日の日本は明らかに非効率で時代遅れの部分を残している。もし、多様な文化を背景にした経済活動が、「国家再構築」（nation rebuilding）に寄与できれば、それは大きな経済機会でもある、私はダンにそう説明した。

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エコ（５）ダンは笑って、「私は時にblack ship argumentを聞くが、正直それが日本にとって一番良いことだとは思えない」と言った。私は、日本人が何かというと「黒船」を警戒し、一方で頼るのはよくないが、しかし外の空気が入る必要がある、と言った。

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エコ（６）ダンに、小沢氏の問題について現在日本国内で生じている亀裂のことを説明した。ダンは、真に驚いているようだった。「日本語でツイッターを読んだりするかい？」「いいや、中国語は読めるから、一部は読めるけど、読んでいない。」「ああ、じゃあ、わからない。」

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エコ（７）私はダンに、新聞やテレビなどの伝統的なメディアに対して、若年層の不信、不満が強まっていること、これらのメディアが、「古い日本」と一体だと思われていること、このようなethosは、表のメディアを見ているだけではわからないことを説明した。

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エコ（８）ダンは言った。「そうか。興味深い。エコノミストは、小沢氏に冷たくて、菅氏に好意的であった。一度、外部著者が小沢氏を絶賛する記事を書いたけれども。やはり、日本のそのような内情の翻訳が必要なんだろうね。」

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エコ（９）ダンは、イギリス出身。いたずらに考えを振り回さず、経験事実に基づいて判断を下す、あのなつかしい匂いがした。ぼくは、つなげることで新しい風は吹くのだな、と改めて確認した。

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以上、『エコノミスト』のダン・スレーターと会った時のことについての連続ツイートでした。

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はぶ（１）新大久保から、わっせ、わっせとアサカルを目指した。途中で、「松屋」についふらふらと入ってしまった。さあ行かなくては。着いてサインしていると、羽生善治さんが現れた。

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はぶ（２）「初めての共同作業、なんちゃって」と言いながら羽生さんと『自分の頭で考えるということ』にサインする。小宮さんと三輪さんに、「これ、レアだから絶対売り切れちゃうよ」と言っていたら、本当に５０冊が瞬間的に売れた。「ほら、言ったこっちゃない！」

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はぶ（３）打ち合わせ一切なしで、壇上に。まず、最初の４５分間で、「将棋の神さま」の話と、コンピュータと将棋の話など、濃い話題を詰めてしまった。そこで、私はハタと考えた。

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はぶ（４）近著の『大局観』でも、羽生さんは将棋の話ばかりしている。もちろん、将棋で卓越したスーパースターだから、将棋の話をするのはいいとして、本当は羽生さんに、いろいろもっと話を聞いた方がいいのではないか。

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はぶ（５）そこで、私は、突然「無茶振り」に転じた。「羽生さん、ウィキリークスについては・・・」「普天間基地の問題ですが・・・」「原発については・・・」などと、ふだん羽生さんがパブリックの場では絶対に聞かれないであろう時事問題について、お考えを聞いたのである。

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はぶ（６）羽生さんの答えが、すばらしかった。論理的に緻密、そして温かさにあふれている。羽生善治さんが、将棋から離れて、人間としてさまざまな問題について答える。この「時間帯」を経験したアサカルに集いし方々は、きっと幸せだったことだろう。

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はぶ（７）アサカル名物「打ち上げ」。羽生善治さんを植田工がエスコートして、「例の場所」へ。編集者や、常連参加者がわーっといて、羽生さんとさらに面白い話を続けた。白洲信哉（ @ssbasara）も電話参戦。楽しかったなあ。

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はぶ（８）羽生さんの正座がとても美しいので、感心して見ていたら、「最初だけですよ」と言って、羽生さんは笑った。関根崇泰がずいりずいりとやってきて、羽生さんに挨拶した。『プロフェッショナル』の収録スタジオ以来である。

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はぶ（９）最後に、植田工（ @onototo )が羽生善治さんをお送りした。「帰りながら、羽生さんに、横尾忠則さんのお話を伺いました」と植田からメール。羽生さんに横尾さんの話を聞けるなんて、滅多にないぞ。芸の肥やしにしろよ！

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以上、羽生善治さんをお迎えしての朝日カルチャーセンターの対談についての連続ツイートでした。Yes, I 羽生。

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病気（１）どんな文化、国でも、「病気」の総量は変わらないと思う。１００％健全なシステムなどあり得ない。明るい部分があれば、必ず暗い部分もある。

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病気（２）アメリカの病気は、例えば銃器規制に対する頑なな反対に顕れる。しかし、国家に対する独立の精神は、シリコンバレーのベンチャー精神に結びついている。

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病気（３）イギリスの病気は、時代遅れの階層意識にある。話す英語で、出身階級がわかってしまう。一方で、自分たちがエリートであるという意識が、ある種の「ハイ・カルチャー」を守る効果も持ってきた。

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病気（４）中国の病気は、自分たちが世界の中心であるという「中華思想」にある。一方で、どこに行っても相手のやり方に安易に合わせるのではなく、自分たちの流儀を貫くという「芯の強さ」につながっている。