ヤマシタホビー 1/700 睦月 制作記

海外から作例の依頼があり、例外的に制作した1/700作品です。 普段1/350で行っている「作り込み&ジオラマ仕立て」の技術を、そのまま1/700模型に注ぎ込みました。 幾分ゴツいテトラ社のエッチング使用の縛りがあり、そこだけが残念でしたが、船体も海面表現も満足しています。 細か~く解説しています。 どうぞご覧下さい。
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鳶色2号@1/350 高雄 @Tobiiro2

次作は 1/700 ヤマシタホビー 駆逐艦 睦月 です。 (≧◇≦)エーーー! はい、本人が一番驚いてます。 1/350しか作って来なかった私が、今回訳あって初挑戦します。 以前から1/700で満足できる海表現が出来るのか興味がありましたので、この機会に挑戦してみます。 宜しければまたお付き合いください。 pic.twitter.com/b4TIcWssJL

2021-09-08 21:33:22
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本作は海と船の作業を平行して進めます。 まず700作品であまり見ないうねりを伴う海面が可能か、キットの船体を利用して絵を描き、うねりの大きさを測りました。 山谷±1mmとして、せいぜい高低差2mmぐらい。 やってみたいと思います。 pic.twitter.com/IHGhInSjrA

2021-09-11 17:15:02
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キットのゲート位置は全体的に気配りを感じますが、艦首のここだけは切り離しに注意です。 薄い部分なのであまりニッパーで攻めずに、ペーパーで仕上げましょう。 pic.twitter.com/xJ0vSaXd82

2021-09-11 17:15:03
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リノリウム甲板と、モールドを利用たリノリウム押さえの塗装。 繊細ですんごく大変でした。700モデラーさん凄い ! 350でも見えるか見えないかぐらい位が好みなので、金色など派手な色はやめ、リノリウム色+黄+白+黒で地味に。 写真は最もよく見えるライティングで、実際にはもっと見えません。 pic.twitter.com/Pi85TVczpj

2021-09-13 18:53:35
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煙突頂部のPEパーツを検証した結果、 キットより太い 同心円のディテールが省略されている 加工時の左右非対称や側面形状のゆがみのリスク 黒塗り後の肉眼での視認性 等を考え、使用しない事にしました。 700では使用しない方が良い場合もあると知りました。 pic.twitter.com/kEi9h2rkdO

2021-09-15 19:12:47
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第一煙突 余り手を加えるところは無く、汽笛用の管をニクロム線で再現した位です。 蒸気捨て管も0.1mm強太いか?位だったのでキットのまま。 流石に良い出来のキットですね。 700作品の完成後の見え方が判らないので、ディテールアップの取捨選択は手探り状態で進めています。 pic.twitter.com/77VZGa5WZg

2021-09-15 19:13:20
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第二煙突 ジャッキステイのPEは、キットのモールドはそのままに、その上に乗せる形で接着しています。 昨日紹介し忘れましたが、頂部にあるふた山のネットの間に、誘導板?を追加しています。 それとPEにはあらかじめメタルプライマーを吹いています。友人からの勧めでガイヤを愛用中です。 pic.twitter.com/6qj3o88RR1

2021-09-16 18:52:17
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瞬着用ツールのご紹介 色々試して数年前にこれに落ち着きました。 長いリギングを入れて、痛んだら引き出して不要部をカット。 以前は割り箸にリギングをマステ止めしてました。 使う場所に応じ長さを変えたり爪でしごいて円弧状にしたり。 三つ爪の中心にリギングを挟むのに、一寸コツが要ります。 pic.twitter.com/ALKBNfD2zW

2021-09-16 18:53:23
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中央砲台 このような手摺を、より左右対称に近い形にする為、まず念入りに折り曲げて形を合わせ、前後部分(赤線部)をゼリー状瞬着で固定し、同時にループが閉じる部分(赤矢印)も留めてから、フリーになっている左右部分の形をもう一度調整し、サラサラの瞬着を流し込んで仕上げています。 pic.twitter.com/X4JiXquICO

2021-09-17 19:07:18
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後部艦橋 有名な昭和16年の迷彩写真を見ると、機銃座の足は一本棒ではなく、丸印のトランクを跨ぐ4本足のようです。 手持ちの水無月の図面を元にそれっぽくしました。 そうなると機銃座の位置はトランク真上でもっと後になりますが、今回はキットの修正をしない縛りがあるのでそのまま行きます。 pic.twitter.com/ZYtCUy6rbX

2021-09-18 17:06:27
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艦橋低層部 壁の面出し、窓の穴あけを行い組立。 側面につくPEパーツとの合いはよく、手摺の関係もあって一体化しました。 その際は船体に乗せ、甲板と高さが合うように、また幅が船体と同じになるように注意して接着しました。 pic.twitter.com/cZ5SQjTBya

2021-09-19 17:25:36
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艦橋完成 艦橋内の双眼鏡はせいぜい窓越しのシルエットが見える程度なので、簡単に伸ばしランナーを二本接着してカットしてキットのモールドの上に接着。 九一式水雷方位盤はもう少し見えるので、ぽい物を作りました。 手摺の接着時はラッタルの空間確保も必要。(350では考えなくてもまず入ります) pic.twitter.com/DlJqJ9Pva3

2021-09-20 17:08:47
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後部砲台 真ん中に来る18番のプラパーツは、手摺よりも先に接着した方が良さそうです。 以前もご紹介しましたが、小さくて長いPEパーツのゲートはこうして処理しています。 ゲートを削っている時はゴリゴリという感触ですが、全て削れるとすーっと滑る感触に変わるので終りが分かります。 pic.twitter.com/gswMvS3BaE

2021-09-28 19:04:59
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テトラPEの説明書に間違い発見。 オーバーヘッドレールの84番と86番の図が、内外逆向きに描かれていて、大きなRで短い足は外舷側になります。 幸い83~86番は二つずつ入っていた為新たに組み直し、比較写真を撮りました。 向きが違うと足の長さがこんなに違います。 このパーツだけで一晩終了😧 pic.twitter.com/mfV0bADCut

2021-09-30 19:06:07
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甲板上のPE部品 テトラのパーツは折り曲げ部にスリットが多用されており、完成後にその隙間が目立つ所については、裏側から粘度の高い瞬着を流して塞ぎました。 砲座と支柱の塗装は一体化後に予定していましたが、手摺との位置決めがガチガチそうなので、面倒ですがパラの状態で塗装します。 pic.twitter.com/7JAdqlO4gw

2021-10-01 20:19:29
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魚雷発射管室 扉のモールドは結構ボリュームがあったので、削り落としてからPEを貼りました。 前面の窓はこのPEセットの余剰品。 なぜか天井のジャッキステーは側面と後の3面分だけなので、ジャンク部品を使って前にも取り付けました。 pic.twitter.com/eY1ItAEMMR

2021-10-02 18:13:03
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海の製作 ①初めての方法ですが、薄いスタイロフォームを指で押さえて凹凸を付け、表面にメディウムを塗るやり方で進めてみます。 ②展示台に適当なSFを貼り、 ③3ミリ厚程度にスライスし、 ④周囲を少しカットして、 ⑤船体の形に切り抜き、指で押さえて凹凸をつける。 ⑥凹凸はこの程度。 pic.twitter.com/Nwg0fPLXSs

2021-10-03 17:55:41
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⑦水性塗料でラッカーパテから保護し、 ⑧パテ磨きの範囲を局限する為、マステを巻いてからパテを塗り、 ⑨パテを展示台側面と面一に磨き側面を塗装。 ※SFの端面をパテで隠す事で、展示台にソリッド感を出す狙いです。 海面にパテの幅を極力見せないよう、SFの端面は丸写真のようにテーパーにカット。 pic.twitter.com/RLkZMAsqxt

2021-10-03 17:55:42
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前部甲板の各種突起は高すぎるので減高。 航行中なのでキセル型通風筒は使わず丸棒で穴埋め。 埋めた棒はディテールを増やす為、甲板より一段高くカット。 錨鎖は二本のニクロム線を緩くよじり、ペンチで軽く潰した物。 ホースパイプ内に錨のシャンク、キャプスタン前にライジングビットを追加。↓ pic.twitter.com/akcUz6PkWL

2021-10-04 18:47:13
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上甲板はマスキングの手間を考え、後付け出来るように加工。 具体的には上甲板の後部を持ち上げ、先端を船首楼の下に潜り込ませてはめ込む式で、その際邪魔になる船底部品一体の中央梁各所と、上甲板裏側の角をカットしました。(赤印各所/位置決めピンを少し残しているのがミソ)

2021-10-04 18:47:13
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マストはΦ0.2と0.3の真鍮線をハンダ組み。 信号斜桁は強度重視でΦ0.2のピアノ線。 左右を簡単に揃えたかったので、V字に曲げてから同じ長さにカットした1本もの。 ハンダ付けできないハンデは、梯子の間に瞬着止めする事で、接着強度を確保。 後檣は示数盤をやめて艦尾信号燈のみにしました。 pic.twitter.com/raT4M0hRX6

2021-10-05 18:55:27
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睦月の主砲は「軍艦メカニズム図鑑」のこの絵が刷り込まれており、正面形が低い台形のキットパーツ(中央)よりも、もっとコロンとした印象。 キットに同梱されている初期型防楯の方が形状が近く、それに天に0.13、底に0.25mmの板を追加した物を採用。(赤丸) 初期型の方が楯が薄いメリットもあります。 pic.twitter.com/ax3SRmYzId

2021-10-06 19:57:14
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甲板のマスキング 複雑な形をマスクする際に多数のマステの小片を貼る方法がありますが、本来貼り重ねはマスク失敗率を上げる為、マステの形状カットで対応できる場合はそちらを優先し、極力枚数や重ね貼りは減らすよう意識しています。 舷外電路は0.4mm幅のマステで、部分的に瞬着を流しています。 pic.twitter.com/zQ1pkx8BKI

2021-10-07 18:55:50
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鳶色2号@1/350 高雄 @Tobiiro2

1 塗装。 2 塗装後に船首楼後端の壁の薄肉加工忘れが発覚。甲板接着前に急ぎ加工。 3 烏口を使って艦底色塗装(練習中)。見た事の無い方も多いと思うのでご紹介。作業は楽ですが撮影が大変でした。 4 塗装後の様子。完成後見えないところは手抜きです。幅は0.7mmにしました。 pic.twitter.com/UV3wQqc30t

2021-10-08 18:53:39
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鳶色2号@1/350 高雄 @Tobiiro2

前檣 700は判らないから、いつもの350のやり方でやっちゃえ~ → ストレッチリギングの信号索を、予めマストに留めておく方法。 でこうなりました。大変だったぁ💦 (>_< )モウヤラナイ なのであまり人にはお勧めできません。 前檣が甲板ではなく艦橋に立っているので、まだ何とかなりました。 pic.twitter.com/2LllRUDhFH

2021-10-09 16:57:08
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