rickyさんのMMT解説 2023/01/19

3
wankonyankoricky @wankonyankorick

さらに人種的マイノリティー、反税歴や薬物歴がある人達、基礎的教育を受ける機会を得られなかった人たち、こうした人たちがひとたび失業すれば、再就職の機会は著しく限られてしまう。こうした人たちは労働市場から撤退し、多くの場合、薬物やアルコール、犯罪へ逃げ場を求めることになる。もちろん

2023-01-20 09:59:37
wankonyankoricky @wankonyankorick

少数の、失業という機会を転じてサクセスストーリーへとつなげることが出来る人もいる。そうした成功者たちの存在を強調することで、しばしばこうした失業の(むしろ強調されるべき)側面が見落とされる。これが問題になるのは、こうした失業そのものが、職を得ることが難しく、使用者側からは容易に

2023-01-20 09:59:37
wankonyankoricky @wankonyankorick

解雇できる失業予備軍/労働予備軍の層を再生産している、ということだ。 インフレが発生したとき、利上げや財政を緊縮することを声高に主張する層が経営者や金融資本、政治家が常に存在する。彼らは自分自身はこうした層に組み込まれることがないことを自覚したうえで、「失業率とインフレ率の間の

2023-01-20 09:59:37
wankonyankoricky @wankonyankorick

最適なバランス」を選択できる、と考えている。利上げや財政緊縮により、インフレを抑制する失業率が達成できる、というわけだ。だがこの失業者の中に彼ら自身は絶対に含まれない。4%の自然失業率、というときには、4%の中に含まれて構わない層を再生産し続けることが必要なのであり、そしてそれは

2023-01-20 09:59:38
wankonyankoricky @wankonyankorick

「失業率とインフレ率の間の最適なバランスをとる」政策それ自体によって実行されている。MMTが失業を問題にするのは、ただ、今いる失業者がかわいそう、というような話なのではなく、こうした失業する可能性を持ちながら雇用される社会階層を再生産し続けるメカニズム(労働予備軍効果)が

2023-01-20 09:59:38
wankonyankoricky @wankonyankorick

このNAIRU(非インフレ加速失業率)政策の中に埋め込まれており、そのことに多くの人が無自覚でいるから。「失業率」の数字が上下するのを見ていても、こうした構造を理解することにはつながらない。「失業率が4%に下がった」と言って喜んでいる人たちは、失業率が2%にまで減ればインフレ加速を恐れ、

2023-01-20 09:59:38
wankonyankoricky @wankonyankorick

「失業者をもっと増やすべきだ」という。それが「金利引上げ」や「財政緊縮」と言った、オブラートに包まれた言葉で表現される。「失業統計」の取り扱いの難しさはこうした点にある。

2023-01-20 09:59:39
wankonyankoricky @wankonyankorick

MMT派が指摘する統計の扱いの難しさの例として、マネタリーベース、とりわけ準備預金残高データの扱いを挙げる。マネタリーベース統計とマネーストックやその他の資料を突き合せようとする努力が色々試みられているけれど、重要な点を見落としている。マネタリーベース統計(マネーストックだって

2023-01-20 12:22:30
wankonyankoricky @wankonyankorick

そうだけれど)は、一日の取引が終わった後の、営業終了時点での数字に過ぎない。実は準備預金残高は昼間の営業時間中と営業終了時点とでは全く異なる。 付利制度が導入される前まで、営業時間中、銀行は決済の必要に合わせて準備預金を調達していた。ところが一日の取引が終わに向かうと、銀行は

2023-01-20 12:22:31
wankonyankoricky @wankonyankorick

手元の準備通貨残高をギリギリまで減らそうとする。というのは付利制度導入前は準備預金を保有していても金利収入を得られなかったから。しかし法定準備制度があったため、銀行は営業終了時点の準備残高をゼロにするわけにはいかなかった。というのは法定(所要)準備をきちんと詰めているかどうかは

2023-01-20 12:22:31
wankonyankoricky @wankonyankorick

営業終了時点の顧客預金と中央銀行預け金(準備預金)の残高との比較で判定される。実際には「顧客預金」は「その日の」営業終了時点ではなく、それより(アメリカやカナダ・イギリスで言えば)2週間前の日曜日に終わる2週間の平均で計算されているし、積まれているかどうかの判定も、

2023-01-20 12:22:31
wankonyankoricky @wankonyankorick

その日を含む2週間の「積み期間」の平均残高を使って計算されるため、1日や2日未達があったってかまわないのだけれど、いずれにせよ、問題になるのは「営業終了時間」にいくら積まれているか。だから銀行は、営業終了時間に向けて、準備が所要準備を超えそうならなるべくインターバンク市場で

2023-01-20 12:22:32
wankonyankoricky @wankonyankorick

運用しようとするし、不足しそうなら調達する。市場全体の準備預金残高は、民間銀行間の取引では増減しないので、中央銀行が翌日物市場でオペレーションをすることによって市場に過不足がないように準備通貨を供給している。その際に中央銀行は翌日物金利を決めることが出来た。 つまり、

2023-01-20 12:22:32
wankonyankoricky @wankonyankorick

統計として公表されるマネーストックと準備預金の間には2週間の平均で見れば、ラグを伴いながらも相関関係があることは当然だった。これは実際の経済活動とは無関係に、営業終了時点の準備通貨残高を銀行が「法定準備を守る」という目的のために決めており、中央銀行がそれに追随する形で準備通貨を

2023-01-20 12:22:33
wankonyankoricky @wankonyankorick

供給していたためであって、実際の経済活動とりわけ準備通貨の必要性とは何の関係もなかった。現に96年に法定準備制度を廃止したカナダではしばしば準備預金残高がゼロになったこともあった。その後イギリスも廃止し、今ではアメリカの準備率は0パーセントで事実上、廃止と言っていい。 日本の場合は

2023-01-20 12:22:33
wankonyankoricky @wankonyankorick

法定準備計算期間・準備期間とも1か月であり、しかもアメリカやイギリスと異なり、両者の間には半月ほどの重複期間がある。当然、両者の間には「日々のレベルでは相関関係が得られないが、1か月単位で見れば相関関係を観測できる」というわけだが、しかしこれは経済的には何の意味もなく、ただ銀行が

2023-01-20 12:22:33
wankonyankoricky @wankonyankorick

着実に所要準備を積めている、日銀がきちんと銀行に法定準備を満たすのに過不足内容に準備を供給できている、というだけの意味しかなかった。実際、日銀が公表している「決済動向」資料を見れば、付利制度が導入される前、日中ものの準備供給(当座貸越)は、公表されている日銀当座預金残高(平残)の

2023-01-20 12:22:34
wankonyankoricky @wankonyankorick

3倍にも及ぶことがあった。つまり、もともと「量的緩和」で日銀当座預金を増やしたとしても、3倍ぐらいまでなら、すでに銀行が決済のために必要としているときにはいつでも日銀によって供給されていたわけで「緩和」の意味など全くなかったわけだ。そしてそれを超える「量的緩和」には何の意味も

2023-01-20 12:22:34
wankonyankoricky @wankonyankorick

ない。その後、各国で付利制度が導入され、これにより銀行は、何も余計な準備預金を国債に振り替えなくても同等の金利収益を得られるようになったため、統計上の(つまり、営業終了時点での)準備預金残高は大幅に伸びるようになった。日本の場合は金利は「超過準備」にしか払われなかったが、

2023-01-20 12:22:34
wankonyankoricky @wankonyankorick

アメリカは(おいらの記憶では)確か最初から準備預金全体に金利が支払われていたんじゃないかな。その違いが、所要準備をゼロにするかしないかの違いとして表れているんかいなあ、、とも思うけれどこれはただのおいらの当て推量で、MMT関係ない。 いずれにせよ、MMTの立場からすれば準備預金と

2023-01-20 12:22:35
wankonyankoricky @wankonyankorick

預金通貨残高を結び付けようとするほとんどの試みは、そもそも最初から意味がなかったことになる。そのうちコンピューターの技術が向上すれば、日中の取引が行われている間、各瞬間の準備預金残高がデータとして取り出せる日が来るかもしれないが、それまでは準備預金残高データにはあまり

2023-01-20 12:22:35
wankonyankoricky @wankonyankorick

意味がないし、出来るようになったとしても、その扱いは簡単ではない。

2023-01-20 12:22:36