整備兵氏(seibihei)による「作戦」という言葉の意味についてのお話(仮

多分ここからの派生です。 「整備兵さんによる『兵学とは』」http://togetter.com/li/207799 碌な国家戦略(戦争指導)もないままに、「会戦(大規模戦闘)を指導する方策」を「政略」に優越させた日本帝国……
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名無し整備兵 @seibihei

戦争に関する学問を表すのに、「戦争学」という名称が出てくることがある。一方、東條英教は「戦争全体の遂行に関わる学問」という意味で「戦争学」を提唱したことがあった。これを進めていけば、作戦以下の意味に矮小化しつつあった「戦略」の穴を埋めることができたかもしれない。

2011-10-30 11:08:30
bouninng @bouninng

@seibihei 当時の「戦略」って言葉はそこまで矮小化してたんですか?

2011-10-31 22:22:51
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng 大分間が空いて失礼。昭和5年の「兵語の解」では、「戦略とは作戦の目的を定め・・・会戦態勢を優勢に導き、かつ会戦を拡充する・・・」と定義してます。昭和期には「戦略」は所謂「作戦戦略」を指すものとされ、戦争全体の計画は「戦争指導」と呼ばれるようになります。

2011-11-06 01:02:04
bouninng @bouninng

@seibihei つまり、今→昔だとすると、「戦略」→「戦争指導」 「作戦」→「作戦 (そのことわりが『作戦戦略』、つまり当時の『戦略』だった) 」 という事でしょうか?「作戦戦略」という奴の立ち居地が今一解りかねます……

2011-11-06 09:53:30
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng 現代の半公式の用語では、「国家戦略→安全保障戦略→防衛戦略→作戦戦略→戦術」で、今度は逆に「戦略」という用語が拡散してますね

2011-11-06 09:56:43
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng 昭和初期の「戦略」や、現代の「作戦戦略~防衛戦略」とはおおむね「作戦術」のことと考えていいかと。そして、昭和初期では、戦時においてその「戦略」に「政略」が従属することが求められていました。

2011-11-06 09:59:40

↑のtweetを見ずに返信したのがこちら。あわてて消してしまいましたが… という訳でここから「作戦」という言葉の意味についてのやり取り。

bouninng @bouninng

慌てて消した呟き(随分拡散してますね…そういえば今は日本は「作戦」を使ってないんでしたっけ。「作戦戦略」という奴は、ウィキペでは「軍事作戦を実行する上での戦略であり、部隊の作戦行動を指導する」となっていますけど、これは作戦の下に来るのか、作戦を補佐するのか、作戦を代替するのか?)

2011-11-06 10:09:53
bouninng @bouninng

@seibihei リプライを見ずに投稿してしまって申し訳ありません…ただ、その2つの使い分けについては今後御指導いただけるとありがたいです

2011-11-06 10:08:43
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng 「作戦」の定義で混乱しているようですね。「作戦」とは一つには「戦争の作戦術レベルにおける遂行」であり、もう一つは「一部隊が実施する行動の総称」でもあります。この二つを混同するとややこしいことに

2011-11-06 10:05:10

この2つの「作戦」についてのお話の続きは下で。ここから序列の話に戻ります。

bouninng @bouninng

@seibihei つまり当時の従属序列で言えば、「国家戦略」→「作戦」→「政略」→「戦術」だったという事でしょうか?

2011-11-06 10:07:17
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng 用語を適切に使用するべきですね。「戦争指導」に「政略」と「戦略」が従属する。ただし戦時であるため、作戦実施に都合がいいような「政略」を行う、という理解になるでしょう

2011-11-06 10:12:16
bouninng @bouninng

@seibihei 「戦争指導」→「戦略and政略」、ただし戦時であるため、「戦略」と「政略」が対立した場合、「戦略」を優越させる、という理解でいいのでしょうか?

2011-11-06 10:21:03
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng そうですね。ただし、ここで問題なのは「戦略」があくまでも「会戦(大規模戦闘)を指導する方策」としか理解されていなかったことです。

2011-11-06 10:28:10
bouninng @bouninng

@seibihei つまり、当時の「政略」は「戦争指導」に従属した挙句、もはや「会戦(大規模戦闘)」にさえ優越されてしまう様な存在だった、という事ですか…

2011-11-06 10:34:37
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng 「戦争指導」というものが、国家全体の情勢を判断しつつ、複数正面の「会戦」を統合できる視野を持っていれば、まだ現代人にも理解できるんですが。

2011-11-06 10:38:38
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng 実際には、各方面の「会戦」とその準備はバラバラで進められ、人間を含む貴重な資源を浪費したのは皆さんご存知の通り。

2011-11-06 10:42:14

ここから「作戦」という言葉の2つの意味について。

名無し整備兵 @seibihei

さて、「作戦」の二つの意味。元々「作戦(operation)」とは、規模を限らずある程度の部隊による行動を指す意味だった。この定義は現在でも用いられている。

2011-11-06 10:17:31
名無し整備兵 @seibihei

「作戦」にもう一つ意味が生じたのは、ソ連で「作戦術」の研究が始まってから。ただし、それ以前でも大モルトケは、大部隊の機動をoperativと表現していた。

2011-11-06 10:19:49
名無し整備兵 @seibihei

これが英語圏に導入されたのは1982年のFM100-5"Operation"から。80年代以降の議論で「戦略~作戦術~戦術」の階層は、いわゆる西側諸国にも広まる

2011-11-06 10:24:30
名無し整備兵 @seibihei

このため、「作戦術レベルの軍事行動」という新しい意味と、従来の意味での「軍事行動一般」という二つの矛盾する意味が「作戦」という用語に与えられ、現在でも混乱中。しいて言えば、形容詞のoperationalが使われた場合は、「作戦術レベル」という意味になるか

2011-11-06 10:36:38