整備兵氏(seibihei)による、作戦術についての解説と、(ソ連における)その起こりについての話

作戦術……戦略、つまり政治の要求を実現するすべ 政治の要求を実現するために戦術の使い方を考慮し、同時に要求の実現に必要な資源を政治に要求するすべ……でいいのでしょうか
軍事
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まとめ #作戦術たん から始まる作戦術についてのお話+α 2014/01/29からの一連の作戦術関連のtweetを放り込んで時間順に並べただけの半分メモ的なまとめ。 問題や漏れ等あれば@bouninng までご連絡ください あんまり活発にならなかった感あってちょっと寂しいけど、個人的には面白い考え方を認識できたのでそれなりに満足 戦域全体を一つの戦場として認識した際、その戦場内における戦術が、我々が作戦術と呼ぶ物……的な? 9270 pv 58 1 user

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まとめ 短パンさん(prprgrgr749010)の、作戦術概要についての説明 頭に置くべき重要なワードは「連続性」……でしょうか。 中々知らない人にイメージしていただくのは難しいですけど、非常に認識しやすい説明だと思いました(こなみ 5593 pv 43

名無し整備兵 @seibihei
作戦レベルにおいては、戦略に対し「それじゃ手段が着いてきませんよ」と助言する役目と、戦術に対し「それじゃ戦略に寄与できないよ」と規制する役目の双方が必要となる。どちらに偏っても失敗の可能性を孕む。 http://t.co/O5vgfMFYGZ
名無し整備兵 @seibihei
「戦争の作戦レベル」を指導する術を「作戦術」と呼ぶ。これは「戦略」と「戦術」のそれぞれの階層を繋ぎ、今ある戦術的手段では達成不可能な戦略や、戦略目標の達成に貢献しない戦術を防ぐことを企図するものである。
名無し整備兵 @seibihei
作戦術が理論化されたのは、ソ連での日露戦争及び内戦の研究から始まった。単純化すれば、ソ連の国土の広さから、大部隊運用のためにはそれまでの戦略と戦術の二分法だけでは間に合わない、という問題意識からだった。
名無し整備兵 @seibihei
作戦術の重要性を強調したのは、帝政時代の将校で赤軍に加入したスヴェーチンだった。彼が戦略の下の階層を言い出したのは、共産党による政戦略指導の中で、軍事専門家が指導する領域の範囲を明らかにしようとしたのかも知れない。
名無し整備兵 @seibihei
話を戻す。作戦術は、元々ロシアという広大な国土と縦深をもつ国における軍隊の運用のために考案されたものだった。このため、戦術を大規模にしたもの(ジョミニの言う「大戦術」)として理解されるのは当然であり、また説明もしやすい。
名無し整備兵 @seibihei
そしてそのための手段として、トリアンダフィーロフやトハチェフスキーが「連続作戦理論」「縦深作戦理論」を考案した。ただ、これは飽くまでも「敵を撃滅することによって戦略に奉仕する手段」であり、制限戦争のような細かい戦略的要求に応えられるものとは言い難い。
名無し整備兵 @seibihei
この点で、スヴェーチンの洞察は一歩先んじていた。彼は作戦術を「戦略≒政治の要求を実現するもの」という範囲に留めた。戦略を決定するのは、一義的には国家の最高指導部であり、国家の他の能力を勘案して、軍事的に実施すべき要求を出す。
名無し整備兵 @seibihei
軍人は戦略の要求と持てる資源とを比較し、その要求が無理なら修正するか、資源の配分を要請する。そして与えられた範囲の中で下級指揮官に実際に実施する目標を配分する。これが「作戦術」となる。
名無し整備兵 @seibihei
スヴェーチンはソ連がまだ弱体だった時代に生きていた。このため、デルブリュックを参考にして「敵を内陸に引きずり込んで消耗させる」戦い方が当時のソ連には向いていると考えていた。これが後に粛清される原因だったのかも知れない。
名無し整備兵 @seibihei
「敵を国内に攻め込ませ、有形無形の抵抗で消耗させつつ我が戦力を温存し、最後に連続作戦で敵を押し込んでいく」というのは、実際のWW2の経過でもあるが、このような作戦を行いながら国民の士気と生産力を維持するのは至難の業である。
名無し整備兵 @seibihei
このスヴェーチンの作戦術が発展していれば、それは明らかに「広い戦場での複数の戦闘を組み合わせて敵を撃破する術」以上のものに発展していただろう。しかし、実際には複雑な政治的配慮の必要が少ない攻勢を基本としたトハチェフスキー的な文脈での理解が広まった。
名無し整備兵 @seibihei
大祖国戦争でのスターリンの統帥は、政治による軍事の指導が強力だったが、現実的な手段からの戦略への意見具申という点では評価が分かれる。もっとも、戦略が先走るのは、別にソ連に限ったわけでもない。
名無し整備兵 @seibihei
さて、「作戦術」は「大規模な戦場で複数の戦線を同時に指導する術」から始まり、「戦略に奉仕するために戦術の使い方を考慮し、同時に必要な資源配分を戦略に求める術」へと進化した。しかしWW2後も前者の理解が一般的なものとして広まっている。
名無し整備兵 @seibihei
このため「作戦術は小規模な戦争には使えない」「作戦術は不正規戦には役に立たない」とする理解が今でもなされている。スヴェーチンが米ソそれぞれのアフガン紛争やイラクでの戦争を見たら何と思うだろうか
名無し整備兵 @seibihei
もっとも不正規戦の戦闘様相は、戦略から戦術までダイレクトにつながっている部分が大きい。作戦術の出番は少ないか、今までの我々の思考の範囲外にあるのかもしれない。この点の研究は、識者が指摘する通り、あまり進んでいない。
名無し整備兵 @seibihei
連続投稿したときに、最後のオチが思いつかないのは苦しい
紅葉饅頭2@政治野球宗教お断り @momi_man2
@seibihei 勉強になります。ロシア軍においてはこの後どのような発展があって現代どういう定義と運用がなされている、とかはあるのでしょうか
名無し整備兵 @seibihei
@momi_man2 大祖国戦争の時は「作戦術」という用語は公式には使われなかったということと、結局大部隊運用の側面が強かった、ということくらいかな。グランツから少し引用できそう
名無し整備兵 @seibihei
先日の作戦術で「部隊規模とどう関わるのか」という疑問を持った人がいるようなので、ソ連ではどのように解釈していたかについてグランツから引用
名無し整備兵 @seibihei
戦略目的を達成するために考慮する領域:軍事作戦を行う戦場(TVD) そのための行動:戦略的作戦 実施する部隊:TVDにおける高級司令部(方面軍集団)
名無し整備兵 @seibihei
戦略任務(戦略目的を達成するための具体的任務)を達成するために考慮する領域:戦略的方向(作戦軸?) そのための行動:方面軍での作戦 実施する部隊:作戦ー戦略的部隊(方面軍)
名無し整備兵 @seibihei
作戦的任務を達成するための領域:作戦的方向(軸?) そのための行動:軍による作戦的戦闘(srazhenie) 実施する部隊:作戦的大部隊(軍)又は作戦的編成(空挺師団等)
名無し整備兵 @seibihei
戦術任務を達成するための行動:戦闘(boi) 実施する部隊:連隊、大隊又は戦術編成(師団)
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コメント

棒人間ひろ @bouninng 2014年2月2日
まとめを更新しました。
棒人間ひろ @bouninng 2014年2月4日
まとめを更新しました。
小野仁 @yukikazemaru 2018年5月21日
こそっと出しておこう。
緋継 @deat_hone_pengl 2018年12月30日
戦略⇔戦術 間の調整役はどの戦争でも必要だけど、それを具体化する(定義づける、役職を設ける)レベルで必要なときの方法の話?おもしろそう
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